じじぃの「科学・芸術_749_幹細胞・人工心臓」

BS世界のドキュメンタリー「人体:成長の秘密」

動画 dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x6lbfu0

SCIENTISTS GROW FULL-SIZED, BEATING HUMAN HEARTS FROM STEM CELLS

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UcoH7R7EkyY

人工心臓細胞で作った心臓

イオリアクターの中で培養した「バイオ工学肺」を生体に移植する実験に成功

2018年08月06日 GIGAZINE
病気や事故によって臓器が機能しなくなったとき、臓器移植によって他人の健康な臓器と取り替えて機能を回復させることがあります。しかし、臓器移植は臓器を提供するドナーが現れなければ行うことができず、免疫による拒絶反応によって患者への負担は増大するなど、臓器移植技術は多くの課題を抱えています。そんな中、健康なブタから採取した細胞を研究所の装置内で培養して人工的な肺を作り、生体移植するという実験に成功したことが報告されています。
次に、さまざまな栄養素を調合した液で満たしたバイオリアクターにこの足場を配置し、さらに足場にレシピエントのブタから採取した細胞を付着させ、30日間培養させることで、「バイオ工学肺」を作り上げることに成功しました。そして、できあがった新しいバイオ工学肺をレシピエントのブタに移植し、定着するかどうかを実験しました。
https://gigazine.net/news/20180806-lab-production-pig-lung/

世界のドキュメンタリー 「人体:成長の秘密」

2018年6月6日 NHK
多くの謎に満ちている人体。
母乳に含まれるオリゴ糖の驚異の役割に助けられ、赤ちゃんは1年で体重が3倍、身長は2倍になる。4歳頃には身体の成長が緩やかになるが、一方で脳の活動が急増。“シナプスの取捨選択”のさま、そして大人が恋した瞬間の不思議な“火花”も映像に捉えられた!老いてなお成長を続ける人体の仕組みも徹底観察。双子の医師クリスとザンド・ヴァンタルケンが、BBC最新の科学シリーズの案内役をつとめる。

多くの科学者は人間の寿命は最大で120年ぐらいだと考えています。年老いていくと幹細胞が作るのに限界があると考えられているからです。

では人間の幹細胞を増加して成長を続けられるようにしたらどうでしょう。

ハーバード大学の研究者ハラルド・オットは、数年前から成人皮膚細胞を使用して機能的な人間の心臓組織を再生する研究を行なっています。
洗浄剤で細胞を取り去った心臓の形骸に細胞を注入して、バイオリアクターで機能する心臓を作っています。
日本の科学者山中伸弥が開発したiPS細胞をこの心臓に注入すると、心臓が動き出すのです。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/253/2145627/index.html

『驚異の再生医療 ~培養上清とは何か~』

上田実/著 扶桑社新書 2019年発行

幹細胞って、何だ? より

さまざまな種類の細胞をつくり出すことができる幹細胞には、2つのタイプがあります。
1つは、皮膚や血液など、ある程度決まった組織や臓器に存在し、「オレの役目はこれだ」とばかりに、頑固に古い細胞の代わりになる新しい細胞をせっせとつくり出すもので、これを組織幹細胞(体性幹細胞、成体幹細胞)といいます。
もう1つは、いわば横綱級の幹細胞とでもいうべき、体のどのような細胞にでも分化できる能力をもっている幹細胞で、多能性幹細胞と呼ばれるものです。
     ・
組織幹細胞を用いた治療法の研究もされていますが、安全性と有用性が確認されているのは、白血病などの血液のがんに対して造血幹細胞を移植する骨髄移植です。実際の再生医療としては、最も研究の進んでいる分野です。人間の再生能力が、トカゲやプラナリアより劣っているのは、体内に存在している幹細胞の数が少なく、さらにその幹細胞の分化能が低いからです。
ただし、胎児や出生直後の新生児には、トカゲやプラナリアに限りなく近い再生現象が起こります。新生児の皮膚はみずみずしく、仮にけがをした場合でも、ほとんど傷が残らずにきれいに治ります。それは新生児の体内には幹細胞が大量に存在しているからです。
しかし、残念ながら、新生児のころにはたくさんあった幹細胞も、加齢に伴い、急激に減っていってしまいます。
例えば、骨髄や脂肪のなかには間葉系幹細胞と呼ばれる幹細胞があり、これは骨や軟骨などをつくります。新生児のときのこの細胞の量を1とすると、18歳では約10分の1、50歳では約40分の1、80歳になると約200分の1に減ってしまうといわれています。年をとるにしたがって、人間のもつ再生能力は失われていくといえます。高齢者の骨折がなかなか治りにくいのも、しわができるのも、幹細胞が減少するためです。しかし、考え方を変えると、新生児の約200分の1であっても再生能力はゼロでないのです。幹細胞がもっている残された力を最大限利用して、再生能力を増幅させることはできないか、いや、できるはずだというのが、再生医療の原点なのです。