じじぃの「科学夜話・はやぶさ2・小惑星リュウグウの塵から何がわかるか?小さな塵の大きな不思議」

"Hayabusa2" Touchdown (TD1)(English) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qeMwAdquDYM

この宇宙の片隅に 館長による宇宙コラム

はまぎん こども宇宙科学館 オフィシャルホームページ
【クライマックスが近づく「はやぶさ2」】
さる1月15日、「はやぶさ2」は地球出発以来1500日を迎えました。2月後半のサンプル採取というクライマックスに向けて、いろいろなテストが始まっています。
1月18日には、サンプルを採取する装置(サンプラーホーン)の振動試験を念のために行いました。これも順調で、本番に向けての自信と貴重なデータを得ました。今回は、そのサンプル採取の方法を復習しておきましょう。
http://www.yokohama-kagakukan.jp/kanchonews/28248

『小さな塵の大きな不思議』

ハナ・ホームズ/著、岩坂泰信、梶山あゆみ/訳 紀伊国屋書店 2004年発行

塵のルーツ探し より

今のところ、宇宙塵の身元を割りだすには状況証拠を積みかさねるしかない。ひとつは塵の見た目。小惑星が削られてできた塵は、硬い石のような姿のものが多い。塵が集まって小惑星くらいの大きな天体になるまでには、熱や重力はもちろん、ときには水の作用までが加わって塵を押しかためる。そのため、中身の詰まった岩石と金属の塊になる。それにひきかえ、つかまえた塵が灰色のポップコーンに似ていて、水が抜けでたような穴がたくさんあいていたら、彗星の生まれと見ていいだろう。彗星の核のなかにいる塵は、熱や圧力に苦しめられたことがない。塵を形づくっているおおもとの粒子は、氷でゆるくつながっているだけだ。
こうした単純な診断だけでは疑いが残る場合は、別の線から取りしらべてみよう。大気圏に突入したときにどれくらいのスピードを出していたかを見きわめるのである。
彗星は猛スピードで太陽系の内側に飛びこんできて、脇性とはまったく違う軌道を描いて太陽を回る。彗星が吐き出す塵は、時速7万2000キロを超える速度で地球の大気圏に突入する。(しし座流星群のもとになるテンペル・タットル彗星などは、ほとんど地球すれすれのところを飛んでくるので、塵が時速24万キロ以上というとてつもないスピードで大気にぶつかる。)いっぽう小惑星は、地球とほぼ同じ速さで、同じ向きで太陽の周りを回っている。塵が小惑星から飛んできた場合、地球の重力で加速されてもせいぜい時速4万8000キロ程度しかならない。いちばん速いスピードで地球の大気圏に突入するのは、太陽系の外からやってくる宇宙塵である。ただし、数は少なく、地球に飛びこんでくる塵の1000個に1個程度といわれている。
例外は多いものの、大まかにいうとこうなる――小惑星の塵と、太陽系の外からやってくる塵が、同じ角度で地球の大気に突入したとすると、よそからきた塵が最もスピードがあっていちばん熱くなり、次が彗星で、小惑星の塵はいちばんのろまで温度も上がらない。
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小惑星は、なかに含まれる物質の種類によっていくつかの「一族」に分けられる。隕石――大部分は小惑星のかけらといわれる――もそうだ。塵もまた、どんな物質でできているかに応じて分類できる。塵ごとにその成分は大きく違う。地球の岩石よりはるかに水分の割合が多い塵もあれば、地球の数千倍もの炭素を含む塵もある。塵の成分の種類や比率がどれかの隕石に似ていれば、その塵と隕石のふるさとは近いと考えられる。塵の中味が地球の平均的な岩石とかけ離れていれば、同じ太陽系でも地球とはまったく違う環境で成長した塵と見ていい。

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どうでもいい、じじぃの日記。
小惑星リュウグウはどのようにして形成されたのだろうか?
「塵ごとにその成分は大きく違う。地球の岩石よりはるかに水分の割合が多い塵もあれば、地球の数千倍もの炭素を含む塵もある。塵の成分の種類や比率がどれかの隕石に似ていれば、その塵と隕石のふるさとは近いと考えられる。塵の中味が地球の平均的な岩石とかけ離れていれば、同じ太陽系でも地球とはまったく違う環境で成長した塵と見ていい」
どうも小惑星リュウグウは、ほとんどゴワゴワとした岩から作られているようだ。
2019年1月15日に、「はやぶさ2」は地球出発以来1500日を迎えた。
2月22日、小惑星リュウグウのサンプル採取を行う予定だ。