映画『エルネスト』予告篇（60秒） 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BFJ8HGRD5xI
エルネスト : 作品情報 劇場公開日 2017年10月6日 映画.com
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラと共闘した日系人の生涯を、オダギリジョー主演、阪本順治監督で描いた日本とキューバの合作映画。
フィデル・カストロらとともにキューバ革命を成功させ、1967年にボリビア戦線で命を落としたエルネスト・チェ・ゲバラ。医者を志してキューバの国立ハバナ大学へ留学した日系2世のフレディ前村ウルタードは、キューバ危機の状況下でゲバラと出会い、彼の魅力に心酔した前村はゲバラの部隊に参加し、ボリビアでゲバラとともに行動する。ゲバラからファーストネームである「エルネスト」を戦士名として授けられた前村は、ボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。オダギリが主人公の前村を演じ、日本からは永山絢斗が記者役で出演。
https://eiga.com/movie/85425/
『知られざるキューバ 外交官が見たキューバのリアル』 渡邉優／著 ベレ出版 2018年発行
キューバと原爆 より
2017年7月、国連で核兵器禁止条約が採決されました。キューバはこの条約に賛成し、批准しました。アプローチは異なりますが、究極的に核兵器廃絶を目指すべきとの点では日本もキューバと同じ立場です。
キューバでは広島と長崎への原爆投下とその惨劇が多くの人に知られていますが、その背景には、キューバの指導者であったフィデル・カストロ元国家評議会議長がたびたび核兵器に反対すると述べていたことがあります。フィデルは、2003年に訪日した際に広島の平和記念資料館を訪れ、「このような野蛮な行為を決して繰り返すことのないように」と記帳しました。
キューバの国際医療協力 より
キューバは途上国ですが、同時に他の途上国の兄貴分として様々な役を演じています。国連など国際場裡の議論をリードしているのはすでにご紹介しましたが、それに加えて、特に保健衛生分野で2国間の国際協力を積極的に実施しています。以下、キューバ共産党中央委員会機関紙グランマ（2016年7月22日付）の報道を中心にとりまとめました。
１ 医師等の海外派遣
まず、医師を中心とする保険業務従事者を奥の国に派遣しています。キューバ革命後の1960年、チリとアルジェリアに医師を派遣したのが始まりで、その後累計32万5000人を158ヵ国に派遣しました。現在は4万7856人を62ヵ国に展開中で、うち2万5000人が医師、他は疫学研究者、看護師および医療機器技術者。彼等の多くは、派遣先途上国の中でも都市部から遠く人里離れた、その国の医師達が行きたがらないような、例えばアマゾン川上流の僻地のようなところに派遣されているそうです。
派遣者の一番多い国がベネズエラで2万8351人、ついで第2位のブラジル1万874人が際立っています。続いてアンゴラ1,712人、アルジェリア931人、ボリビア721人、ハイチ567人、南アフリカ共和国344人、ギニア221人……etc.と、アフリカと中南米近隣諸国への派遣が目立ちます。
これら保険業務従事者の上げた実績は、診察が14億件以上、外科手術が1000万件以上、出産が270万件以上、予防注射接種が1,300万件以上、そして命を救った人の数が590万以上にのぼります。
これらはいわば通常時の派遣ですが、このほかに、世界各地で突発的に感染症が発生した際に、そのための特別のチームを派遣しています。よく知られているのは2014年に西アフリカでエボラ出血熱が発生した際、シェラレオネ、リベリア、ギニアに合計256名を派遣し治療にあたった実績です。2017年5月には、WHOが、この時アフリカ諸国に派遣されたキューバの医療チームに公共保健賞を授与しました。
このような医療関係者派遣ですが、医師の給与等の経費は、キューバが全額負担する場合、受入国が全額負担する場合、双方で折半する場合の3種類に分かれます。ベネズエラやブラジルのような資源国への派遣はすべて受け入れ国側負担です。一説によると、保険衛生従事者派遣事業により毎年約70億ドルがキューバにもたらされている由です。
２ 医学留学生の受け入れ
以上はキューバから他国への人員派遣ですが、逆に途上国からキューバへの留学生の受け入れ事業もあります。1998年にフィデル・カストロが中米・カリブ諸国の医療水準向上のためにハバナ近郊にラテンアメリカ医学校を設置し、主として中南米とアフリカからの医学生を受け入れています。
2017年10月に日本で封切られた映画「エルネスト」の主人公フレディ・マエムラ（オダギリ・ジョー）は日系ボリビア人ですが、医学を志してキューバに留学し、そこでゲバラと知り合うという話です。
