じじぃの「科学・芸術_701_メタ認知・サリーとアン課題」

Talking a little about myself 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Py9wgYS71C0
 独り言 (Monologue)

他者のこころと「心の理論」
心の理論を考えていくと、「メタ認知」についての問題が出てきます。メタ認知とは、「自己の通常の認知活動を監視して、目標に沿って制御する働き」のことです。つまり、自分がいまどう考えて、なにを感じているかを客観的に観察し、もし目的にそぐわないことを考えていたらそれを注意してやる働きになります。
一般的に、心の理論の発達を測定するためには誤信念課題(サリーとアンの課題)が用いられます。ここでは、まず、サリーとアンの人形が見せられます。その後、サリーはビー玉をサリーのカゴに入れてその場を立ち去ります。サリーが立ち去った後、残ったアンはビー玉をサリーのカゴからアンの箱に移してしまいます。ここまでを見せた後、いくつかの質問をします。
http://honmonosinri.com/category2/entry35.html
「独り言をつぶやくのはなぜ?」独り言は動物の中でも少し“変な”行動 #又吉直樹のヘウレーカ Togetter
https://togetter.com/li/1300278
又吉直樹のヘウレーカ!「独り言をつぶやくのはなぜ?」 2018年12月19日 NHK Eテレ
【出演】又吉直樹 【解説】岡ノ谷一夫東京大学教授、動物行動学者)
独り言は動物の中でも少し“変な”行動、と語る岡ノ谷一夫さん。
例えば動物は、求愛行動や、仲間に危険を知らせるなど、相手があることを前提に、何かを伝える目的で鳴き声を出し、自ら利益を得る。対する人間の独り言は、何かを考え、頭の整理をする時に出てくるケースが多いそう。さらに独り言とは「もう一人の自分との対話」とも岡ノ谷さんは分析する。もしかして又吉にとって独り言とは、なくてはならないものかも!?
メタ認知・・・自己の認知過程それ自体を認知することで、自己の心の発見に重要な役割を持つ
「何食べようかな?」「疲れた」など思わずつぶやいてしまう独り言。
独り言で思考の整理をしている。実は人間の大いなる特徴の1つで、ほかの動物には見られない能力の表れだという。
自分の心の中の記憶の状態をモニターして、行動を変えている(メタ認知)。
人間は言葉があることで思考のスピードが速くなっているという。
http://www4.nhk.or.jp/heureka/x/2018-12-19/31/22060/1426027/
『神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源』 フラー・トリー/著、寺町朋子/訳 ダイアモンド社 2018年発行
自分の心を見つめる自己 より
高度な道具、穴を開けた貝殻、体にぴったり合った服、オーカーへの彫り込み、動物に似せて形作った岩、大海原での舟旅。明らかに、新たな種類のホミニン(ヒト族)が現われていた。これらのホミニンの行動は先行人類の行動とおおいに異なっていたので、私たちはこの集団を「賢い人」という意味の「ホモ・サピエンス」と呼ぶ。そして、そのような人びとは、認知能力において何らかの大きな飛躍を遂げたに違いないと考える。それは何だったのだろう?
貝殻の装身具を身につけたり、体に装飾をしたり、体にフィットした服を着たりしたことはどれも、初期ホモ・サピエンスが、他者から自分がどう思われているかということに気づいていたことをほのめかす。自己装飾は、その人の家族関係や社会階級、集団への忠誠心、性的対象になるかどうかをアピールする手段になりうるもので、装飾を見る人びとに何かしらのメッセージを送ることが意図されている。自己装飾は、ホモ・サピエンスによってあらゆる文化で用いられてきた。自己装飾に途方もない時間や資源が費やされることもある。それは「グッチ」や「カルティエ」といったブランド名が物語るとおりだ。自己装飾の核心は、あるホモ・サピエンスが、別のホモ・サピエンスから自分がどう思うわれているのかを考えているということだ。これが、自分の心を見つめる自己(内省的自己認識)である。
子どもの成長から、この内省的自己認識の発達について知るための手がかりが得られるだろうか? すでに見たように、子どもでは2歳ごろ、鏡像認知能力によって評価される事故認識が発達する。ホミニンは、およそ180万年前から同じような自己認識を身につけ始めたらしい。子どもは、「サリーとアン課題」によって示されるように、4歳ごろから他者の考えを意識し始める。そして、少なくとも一部のホミニンが、やはりこの能力をおよそ20万年前に獲得し始めた可能性がある。その次のおもな認知能力は、子どもが6歳ごろから身につけ始めるもので、一般に2次の心の理論と呼ばれる。
「2次の心の理論」とは何を意味するのだろう? 「サリーとアン課題」ではサリーが部屋を出ていったあとに、アンがボールを籠から取り出して箱に入れた。だから、ボールが移されたところを見ていなかったサリーは、ボールが籠に入っていると思っていた。
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ヒトでは、内省思考は驚くほど重ねていける。合わせ鏡を覗くように、私たちは自分について思いをめぐらせたり、「自分について考えている他者について」思いをめぐらせたり、「『自分について考えている他者について』考えている自分について」思いをめぐらせたりすることができ、入れ子構造を果てしなく増やせる。