じじぃの「科学・芸術_694_ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』」

Also Sprach Zarathustra, Op. 30 - Strauss 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dfe8tCcHnKY
永劫回帰 (Eternal Recurrence)

超人と永劫回帰についてよく分かりません。 2011/12/8 Yahoo!知恵袋
回答
超人の特徴は、永劫回帰の中で自身を確立することのできる力への意思を兼ね備えていることです。
一言に永遠回帰を受け入れることの出来る人と言っても、その受け止め方次第では超人失格となり得る場合もあります。そこで永遠回帰とその前提にあるニヒリズムの概念規定を確認してみることにしましょう。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1077016400
『冒頭を読む 世界の名著世界の名著101』 熊木信太郎/編訳 論創社 2018年発行
ツァラトゥストラはかく語りき フリードリヒ・ニーチェ(1844〜1900) より
ドイツの哲学者。1883年から85年にかけて出版された主著『ツァラトゥストラはかく語りき』で超人の思想を展開する。ナチスに気に入られる一方で、実存主義ポスト構造主義にも多大な影響を与えた。

ツァラトゥストラは歳30にして故郷と故郷の湖を去り、山に入った。ここで彼は自らの精神と孤独を楽しみ、10年のあいだ倦むことを知らなかった。しかしついに、彼の心は一変する。――ある朝、彼は日の出とともに起き上がり、太陽の前に進み出て、かく語りかけた。
「偉大なる天体よ! もし汝に照らすものなかりせば、汝の幸福はいかなるものぞ?

 汝、10年のあいだ、我が洞窟へと昇りきたり、もし我なかりせば、我が鷲と蛇なかりせば、汝おのれの光に飽き、おのれの旅に倦んだであろう。
 しかし我らは朝の来るたび汝を待った。そして汝のおこぼれを我が身に受け、これに感謝し汝を祝福した。
 見よ! 我は我が智恵に倦んだ、蜜を集めすぎた蜜蜂の如くに、いま我は、それを掬わんと差し伸べる手を必要とす。
 我は贈り与え、わかち合わんと願う。人間の中の賢き者が再びその痴愚を喜び、貧しき者がその富を喜ぶまで。
 これがため、我は奈落の底へ降りねばならぬ。汝が、下界に光をもたらさんと、海の彼方へ沈みゆく夕暮れどきの如くに、おお、あまりに豊かなる天体よ!
 汝の如く、我また降りねばならぬ――我がそのもとへ降りんと欲す人々、これを奈落と呼ぶ。
 静かなる眼よ、過ぎたる幸福を妬みもせず見守る眼よ、我を祝福せよ!
 溢れんとするこの盃を祝福せよ。水がその中より黄金色に流れ出で、世界にあまねく汝の悦楽を映し出す、この盃を祝福せよ!
 見よ! この盃は再び空にならんことを欲す。そしてツァラトゥストラは再び人間にならんと欲す」