じじぃの「パレオマニア・私は何のために生きているのか?世界を知る101冊」

イギリスの旅 21 「大英博物館 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=DAl57KoxGho
Cave of Altamira

【解説】世界最古の洞窟壁画、なぜ衝撃的なのか? 2018.2.26 ナショナルジオグラフィック日本版サイト
当初、ネアンデルタール人は脳よりも筋肉が発達しているタイプであると考えられ、ある科学者などは「ホモ・サピエンス(賢いヒト)」との対比で「ホモ・ステューピドゥス(愚かなヒト)」と命名するべきだと主張していた。けれども1950年代以降、専門家の間では、ネアンデルタール人の見方が大きく変わった。彼らが心を込めて死者を葬り、石器を作り、薬草を利用していたことがわかってきたからだ。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/022600087/
世界を知る101冊――科学から何が見えるか』 海部宣男/著 岩波書店 2011年発行
パレオマニア――大英博物館からの13の旅 池澤夏樹著/集英社インターナショナル '04 より
出かける前に、その国の歴史を読む。現地で時間ができたら、博物館へ行く。そういう方は多いだろう。歴史を読んで文化とその背景を多少なりとも理解しておくことは、訪ねる国への礼儀だ。それに現場での見聞の理解が格段に深くなるから、大いにトクである。次の訪問への期待も生まれる。
美術館、ショッピング、名所めぐりと数あるなかで、まず博物館に駆けつける私も、どうも著者の言う「パレオマニア」、誇大に録り付かれた仲間であるらしい。ただ、いつも時間が足りない。心ゆくまで時間が使えたら、どんなに楽しいだろう。そんな夢を贅沢に実現してみせたのが、この本である。まさしく垂涎(すいぜん)の旅行日記。文明の本質を問い続け追い続ける、”考える旅”へのいざないでもある。
旅行者は、著者の分身たる「男」。彼は大英博物館の小さな美しい展示物に目を留めて、はるか昔にそれを作った人のことを考える。その地に行って、彼に会いたくなる。そして行ってしまう。出かけた場所は、ギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ、イギリス(ケルト)、カンボジア、ヴェトナム、イラク、トルコ、韓国、メキシコ、オーストラリア。
「男」は訪れた遺跡を見て、解説するかわりに考える。遺跡の中に座り込んで、考える。これを作った人々の暮らし、喜怒哀楽について、人の生活において、古代と現代とでなにか本質的な違いはあるのだろうか? 現代は遺跡に残した古代の人々のように、何千年もの未来に向けて何かを語ることができるのだろうか?
「男」は、トーテム文化のにおいが今も濃厚に漂うカナダの島々を訪ねる。そこでは一瞬、オキアミから人々の信仰・文化までの連鎖、「見るべきものの全容」を見たように感じる。
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最後の訪問地であるオーストラリアで、問いかけは深まる。6000年もの昔から宗教的な考察をすばらしい物語と絵に託していた、先住民アボリジニ。何も所有せず、もちろん都市も文明も持たなかった彼らの存在自体が、人間にとって大切なものは何なのかという強烈な問いかけだ。
それにしても、大英博物館はすごいところだ。大英帝国の収奪の展示場と言えばそうだろうが、ここを訪れる誰もが具体的なモノをとおして世界中の過去と出会える場所でもある。ロンドンに戻った「男」は、イギリス人の関心の持ちようについて考える。彼らは関心の深さと広さによって「世界」という概念を発見したのだと、現代文明と滅びた数々の文明を考える旅は、ここで閉じる。
過去と現在、遺跡と心の旅のガイドブック。

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どうでもいい、じじぃの日記。
昔、森本哲郎著『神の旅人 聖パウロの道を行く』という本にこんなことが書かれていた。
「なぜパウロはペトラへ向かったのであろうか」
哲学者・森本哲郎パウロが歩いた道を、旅するという旅行記だった。
「パレオマニア」(古代妄想狂)と呼ばれる人たちがいる。
私は思う。
約4万年前、スペインやフランスで洞窟壁画を描いたシャーマンはどんな人たちであったのだろうか。
彼らがどんな言葉を話していたのか、おばあちゃんはいたのだろうか。
古代と現代の人間とで、何か本質的な違いはあるのだろうか。
彼ら頭蓋骨を前にしたとき、彼らはどんなメッセージを発してくれるのだろうか。