じじぃの「スウェーデン・プラスチックごみは資源に!ニッポンの危機」

Which Countries Make the Most Plastic Waste? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VhNNXqUX9Nk

緊急!池上彰と考える ニュース総決算! 2018 ニッポンが“危ない" 2018年12月5日 TBS
【出演】池上彰 【ゲスト】あき竹城、石原良純ギャル曽根武井壮土田晃之眞鍋かをり
激動の2018年に起こった出来事の中から、ニッポンの未来を大きく左右する“危機”が潜むニュースを、池上彰が7つピックアップ。「プラスチックごみ問題」「自然災害の脅威」「パワハラ」などについて、取材した最新情勢を交え徹底解説する。
●ニッポンの“危機” プラスチックごみ問題
「世界が日本のごみの受け入れを禁止 行き場をなくしたごみで溢れてしまう?」
スターバックスがプラスチック製ストローの使用を廃止する。そのきっかけはプラスチックごみによる海洋汚染のニュースだった。実はこのニュースの裏には、環境問題だけではないニッポンの危機が潜んでいた。
大量のプラスチックごみを海外に輸出している日本。
ところが、日本のごみを受け入れていた中国が、輸入禁止に乗り出したのだ。日本は行き場をなくしたごみで溢れてしまう?
“スーパー分別国家”スウェーデン 徹底した分別で“ごみ”は資源に。
スウェーデンでは幼稚園からごみの分別を教えている。
武井壮、「スウェーデンのように分別することで電気代が安くなるとか明らかにプラスがある」
https://www.tbs.co.jp/program/ikegamitokangaeru20181205.html
週刊新潮 2018年7月19日号
還暦も文化 小さな抵抗 【執筆者】石田純一 プラスチック製ストロー、クジラ、スターバックス より
わが家では日ごろ、ある小さな抵抗をしている。プラスチック類を極力拒んでいるのだ。たとえば、プラスチック容器に入った弁当は買わないし、卵も紙の容器に入ったものを選ぶ。プラスチック製のスプーンやフォークも使わず、スーパーで買い物する際は、エコバックを持参する。
コンビニを覗けばプラスチック容器に入った商品は実に多い。その傾向は、特に日本に強いように思う。
言うまでもないが、プラスチックは強力だ。自然界に投棄されると、理論上は数百年から数千年は分解されずに残るという。結果としてなにが起きているか。いまクジラやアザラシ、鳥や魚の体内から、大量のプラスチックが見つかっている。生態系に大きな影響が及んでいるのだ。
僕も痛ましい光景を何度も目にしている。北海道や沖縄にクジラを観に行って、舟で沖に出ると、凪のときは海面が鏡のように輝いているが、その上にいろいろな形のプラスチック類が無数に浮いていた。我々の捨てたプラスチック製品に違いないが、それらをクジラや鳥たちが飲み込んでしまうのである。
この状況に対し、最近いくつかの「小さな抵抗」が報じられている。米西海岸ワシントン州のシアトル市は、市内のすべての飲食店で、プラスチック製ストローの提供を全面的に禁止した。

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『地球を脅かす化学物質: 発達障害やアレルギー急増の原因』 木村ー黒田純子/著 海鳴社 2018年発行
プラスチックによる人体汚染と環境汚染 より
プラスチックも環境汚染の大きな原因となっていなす。石油を原料としたプラスチックが最初に作られたのは1868年アメリカですが、大量生産が始まったのは1950年以降です。便利なプラスチックは世界中で大量に生産されてきましたが、使い捨てにされているプラスチックゴミが海洋を漂い、海洋生物がこれを食べて物理的に消化管が詰まって死ぬケースが以前から報告されていました。放置されたプラスチック類は、紫外線などにより小さな粒子のマイクロプラスチックとなり、深刻な海の汚染を引き起こしていることが近年大きな問題となっています。
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経済の国際機関である世界経済フォーラムは、2016年にプラスチック汚染に関する驚くべき報告を発表しました。それによると、世界で製造されるプラスチックの年間生産量は2050年までに推計11億2400万トンへと現在の3倍に増える見通しで、現在のように生産量のほぼ33%が自然界に放出して海洋ゴミとなると、重量換算では海のプラスチックゴミの量は魚の量を超えるというものでした。
同フォーラムでは、プラスチックは回収されてリサイクルされる割合が現在14%と低いので、今後は回収とリサイクル、再生可能容器の利用、ゴミ分別収集のインフラ整備、自然界への流出防止などを進めるよう勧告をだしています。しかし、もともとプラスチックは資源の限られた石油を原料とし、様々な添加剤や染色剤など有害な合成化学物質が加えられ、複雑な成分からなるため、効率の良いリサイクルは難しいのが現状です。
2017年の国際会議では、人間がこれまでに生産してきたプラスチックは累積量83億トンで、その76%が廃棄され、廃棄中リサイクルに回されたのはたった9%、焼却されたものが12%、ゴミ埋立地や環境中にゴミとして廃棄されたものが79%と、世界経済フォーラムの計測より約2倍多い70%が環境中のゴミになってきたと報告しました。さらに、このままの状態が続くと2050年には累積約120億トンものプラスチックがゴミとして廃棄され、環境汚染を起こすと警告し、プラスチックの大量使用を考え直すべきと提言しています。83億トンをエンパイアステートビルの重量で計算すると、ビルが2万5千個分になるというのですからすさまじい量です。
日本では、プラスチックゴミは分別回収してリサイクルにまわすか、可燃ごみとして焼却していますが、国内でも環境中に放置されることもありがちです。リサイクルといっても、大部分はサーマルリサイクルとして燃やしてゴミ発電に使用されており、CO2排出量が多く地球温暖化を促進しているといわれています。ペットボトルについては、別回収してリサイクルが進んでいますが、収集・運搬のコストも入れると、利益よりもリサイクルにかかる費用の方が大きいことが明らかとなっています。いずれにせよ、限られた石油資源を原料にしたプラスチックの大量消費は問題です。