じじぃの「ゲノム治療&免疫療法・がんプレシジョン医療!プライムニュース」

NHKスペシャル がん治療革命が始まった プレシジョン・メディシンの衝撃 2016 11 20 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=fbK2hzHKiEE

プレシジョン医療(10)リキッドバイオプシーで切除可能がんの70%を検出 2018年02月28日 アゴ
中村祐輔
Scienceの2月23日号に「Detection and localization of surgically resectable cancers with a multi-analyte blood test」というタイトルの論文が公表されていた。
オンライン版は1ヵ月ほど前に出ていたが、見落としていた。8ヵ所の臓器の外科手術切除可能ながん患者をリキッドバイオプシーで調べたところ、70%程度で異常が検出可能だったという話だ。卵巣がんと肝臓がんでは95%以上、胃がん膵臓がん、食道がんでは70%前後、大腸がんと肺がんは50%前後、乳がんでは30%程度であった。同じグループからの膵臓がんの以前のデータでは30%程度だったので矛盾はあるし、乳がんの低さが少し気になるが、この程度は見つかるはずだと思う。
http://agora-web.jp/archives/2031327.html
プライムニュース 「後半:ガンで死なない時代へ 日本の免疫療法最前線 ゲノムで変わる治療法」 2018年11月2日 BSフジ
【キャスター】生野陽子、松山俊行 【ゲスト】塩崎恭久(元厚生労働相 自由民主党衆議院議員)、中村祐輔(がんプレシジョン医療研究センター所長)
今年のノーベル医学・生理学賞は京都大学本庶佑特別教授に決まった。がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に繋がる研究が評価され、この快挙により日本でも「がん免疫療法」という最先端の研究に注目が集まった。1980年代から「がんとゲノム(遺伝情報)」の関係に注目した研究に取り組んできたのが中村祐輔氏だ。中村氏はゲノム情報を調べ個々の性質を見極めた上で適切な薬を選び、がん患者自身の免疫力を高める最先端の研究を進めている。
一方、国は今年6月、最先端がん治療の重要拠点として国内の大学などにゲノム情報を集約する「がんゲノム情報管理センター」を設立し、ゲノム治療の推進を進めている。
●ゲノム治療&免疫療法 日本のがん医療最前線
リキッドバイオプシーによるがんの検出率グラフ(画像参照)。
リキッドバイオプシー・・・“液性検査”と和訳され、血液サンプルを用いた遺伝子検査を指すことが多い。液性検体のため、血液以外にも尿、唾液、胸水、腹水、脳脊髄液なども用いられる。一方、従来の血液腫瘍マーカー蛋白質、ペプチドなどを解析するのでリキッドバイオプシーとは称されない。
リキッドバイオプシーはさまざまな疾患で臨床応用が検討されており、特にがん領域では大変注目されている。がんは、腫瘍の増殖、進展などを制御する遺伝子の変化の蓄積により発生するため、がんにおける遺伝子異常を検出し、治療につなげるコンパニオン診断、がんゲノム医療がこれからの精密医療には重要である。しかし、腫瘍は非常に不均一であり、治療経過中に変化する。また、固形がんでは、一般的に治療経過中に複数回の遺伝子検査を実施するための腫瘍組織の侵襲的な再生検は困難である。そこで、主に血液中に存在する腫瘍由来物質を用いた遺伝子変化の検出が行われている。
中村祐輔、「今までのがん検査では腫瘍マーカ、CTなどの画像診断だったが、実際には患者から生の臓器の一部を取ってくるので合併症などが起こることがある。それを唾液や血液に置き換えてなるべく患者に傷をつけないでがんの診断を行なうという方法です。例えば、手術可能ながんでもすい臓がんは見つけにくいが、このリキッドバイオプシーだと胃がんと同じレベルの検出率だ。実用化はすでに技術的には可能だと思っているが、本当に臨床に用いた場合有用か検証して、5年後には一般検査として利用できるような形にしたい」
塩崎恭久、「官邸で未来都市会議があり、根本厚労相が出してきた健康寿命のさらなる延伸のメニューの中にがんの早期発見に向けた精度の高い検査制度等の研究開発等と書いてある。これはリキッドバイオプシーを指していると理解している。できるだけ早く実用化したい」
リキッドバイオプシーがこれまで実用化されなかった理由。
中村祐輔、「急速に遺伝子解析技術が進んでこうしたことが可能になった。手術をしてどこかにがんが潜んでいる場合も検出が可能になると思う」
米英のゲノム医療計画
米国(2015年)「プレシジョン医療計画」。ゲノム情報を使いその人に合った医療の提供。
英国(2013年)「ジェノミックイングランド」。約10万人を対象に官民連携によるがん・希少疾患などのゲノム情報の研究。
中村祐輔、「2001年にホワイトハウスクリントン大統領とブレア首相が同席の形でゲノム研究はこれから医療に関して非常に大きな影響があると言っていた。2015年にオバマ大統領はゲノム情報を使いその人に合った医療を提供すると表明した。もともと米英がゲノム医療を牽引してきた。2000年にミレミアムゲノムプロジェクトが当時の小渕首相の主導で始まった。日本では2005年からゲノム研究は国の方針で縮小。そのため遅れを取ってしまった」
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d181102_1