じじぃの「沈黙の春・ネオニコチノイド系農薬は発達障害を引き起こす?地球を脅かす化学物質」

Rachel Carson's Silent Spring (1962) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=6D-jXJmGY24
沈黙の春』 レイチェル・カーソン


ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議
身近に発達障害を持つお子さんが増えていませんか。
公立の小中学校で特別支援教育を受ける子どもたちは、平成18年度は約4万3000人でしたが、平成27年度には約14万3000人となり、10年間で10万人も増えました。なぜ発達障害を持つ子どもたちが増えているのでしょうか。
近年、発達障害の原因の一つが有害化学物質であることがわかってきました。
黒田洋一郎先生・木村‐黒田純子先生のインタビューをぜひお読みください。
―具体的にどのようなものが環境要因として考えられるのでしょうか。
ここ50〜60年で劇的に増えた環境要因としては、発達神経毒性を持つ環境化学物質が脳内に侵入することによる影響が大きいと考えています。
脳内に侵入する発達神経毒性を持つ環境化学物質としては、バルプロ酸サリドマイドといった医薬品、鉛や水銀などの重金属、残留性有機汚染物質、PCB、ダイオキシン有機塩素系農薬、ビスフェノール A やフタル酸エステル等の環境ホルモン有機リン系農薬やネオニコチノイド系農薬(以下「ネオニコ農薬」)、大気汚染物質、遺伝子 DNA に突然変異を起こす発がん物質や放射性物質があげられます。PM2.5からは重金属類や農薬が検出されており、日本人は皆、有害な環境化学物質に複合ばく露していると言えます。
http://kokumin-kaigi.org/wp-content/uploads/2017/09/JEPA-news-103.pdf
『地球を脅かす化学物質: 発達障害やアレルギー急増の原因』 木村ー黒田純子/著 海鳴社 2018年発行
人工化学物質の氾濫 より
初期の合成農薬として使用されたのはDDTBHCなどの有機塩素系農薬で、画期的な殺虫剤として欧米や日本で大量に使われました。代表的なDDT1873年に初めて合成されましたが、使い始めたのは1944年、第二次世界大戦中の米軍でした。日本では戦後1945年以降、米軍によってもたらされ、BHCと共に多用されるようになりました。しかし、DDTBHCは害虫を殺すだけでなく、益虫を含む昆虫、さらに鳥や野生動物までも殺し、生態系に大きな被害をもたらしました。繁殖の盛んな春になっても、昆虫や鳥が大量死して生き物の気配のしない不気味な静けさに、危機感を抱いた米国の女性生物学者レイチェル・カーソンは1962年(日本語版1964年)に沈黙の春にその具体的な被害事実を記載して、DDTBHCなど有機塩素系農薬やPCBの危険性を世に警告しました。このまま大量のDDTBHCを撒き続けると生態系が破壊され、人間にも発がんなど健康被害が起こり、取り返しのつかないことになると訴えました。『沈黙の春』は直ぐにベストセラーになりましたが、企業や保守層から猛批判を浴び、直ぐには受け入れられませんでした。当時の大統領ケネディが本に関心を持ち、DDTの毒性の調査を命じました。その結果、残留性や毒性が明らかとなり1980年頃に製造中止となったのです。これを契機に、農薬の毒性試験では、急性毒性だけでなく、発がん性、神経毒性などの試験が採り入れられるようになっていきました。
沈黙の春』に記載されたDDTの発がん性については、その後の研究から、国際がん研究機関の発がん性評価において比較的緩いグループ2Bの「人に対して発がん性が有るかもしれない物質」とされ、間違った指摘だったという評価もあります。しかしレイチェル・カーソンは、人間は自然の一部であり、地球環境を支配するのではなく調和していくことに、未来を切り開く道があり、真の喜びも得られるという考えを多くの人に気づかせたその功績は何よりも大きいと思います。
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浸透性農薬ネオニコチノイドは、毒性が問題となり使用が減少している有機リン系農薬の代替として開発され、1990年頃から使用が始まり、近年では世界中で多用されています。浸透性農薬は従来の農薬と異なり、水溶性なので撒いた植物の内部に浸透します。成長後も、植物の葉、茎、果実に農薬が浸透しているので、害虫がどこをかじっても殺虫効果があり、農家は楽になると多用されました。浸透性農薬としては、ネオニコチノイド系だけでなく、作用機序が異なるフィプロニルも多量に使われ、生態影響が問題となっています。
この頃からハチの大量死について研究が進み、2012年に著名な国際学術誌『サイエンス』と『ネイチャー』に相次いで掲載された3つの論文報告から、ネオニコチノイド曝露が大量死の要因であることに間違いはないと考えられるようになりました。
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ネオニコチノイドなど浸透系農薬が取りざたされた頃から、身の回りの昆虫や鳥などがめっきり減り、大学時代に読んだ『沈黙の春』を思い起こし、再読して驚きました。この本は有機塩素系農薬だけでなく、有機リン系農薬、浸透性農薬などの新しい農薬、農薬以外でもPCBなど人工化学物質全般に至るまで把握して警告していたのです。健康影響も発がん性だけでなく、神経系、免疫系、なかでも子どもの発達への影響、不妊などの生殖への影響、さらに複合汚染の問題まで、明確に警告していました。さらには核実験や原発による放射線被曝も、深刻な環境破壊と健康障害を起こすと述べていたのです。

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じじぃの日記。
日本は農地単位面積当たりの農薬使用量では、韓国と並んで断トツのトップなのだそうだ。
2018年6月、カナダで開催されたG7主要7ヵ国首脳会議でプラスチック汚染問題が協議された。日本とアメリカだけは署名しなかった。
9月、テレビ東京 未来世紀ジパング 「衝撃! 世界のごみ問題 〜人類VS使い捨てプラスチック」を観た。
ナビゲーターの鎌田さんがこんなことを言っていた。
「日本は先進国というが、やっていることはまるで後進国だ。恥ずかしいよ」