『がんになっても心配ありません』 公益財団法人 がん研究会/監修 国書刊行会 2018年発行
緩和ケア、なぜ大切なのか より
まず、がんの緩和ケアが、なぜ大切なのか、章タイトルに対する答えを言いましょう。適正な緩和ケアを早くから受けることで、がんが再発・転移しても苦痛が少なく長生きできるからです。
WHO(世界保健機関)は、2002年に緩和ケアを「生命を脅かすがんなどの病に直面している患者患者とその家族が抱えている身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな苦痛を早期に診断し、適正に対応・治療することで、QOL(生活の質)を向上させる医療」と定義しています。
身近な感染症や軽いケガであれば、しばらく我慢して治療を受けていれば、短期間で健康な身体に戻れます。これに対してがんが転移・再発した場合は、決して楽でない道のりが続くことを覚悟しておかなければなりません。がんが転移・再発した場合、人生の仕上げの時間が思いのほか早く訪れるか、長くがんと共生できるか、それは人それぞれです。
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●早く始めると延命効果
2010年、抗がん剤治療に早期から緩和ケアを併用すると有意な延命効果が得られるとの論文が発表されました。
米国ハーバード大学の附属病院の1つである、マサチューセッツ総合病院で行われた臨床研究の報告でした。
方法は、転移性非小細胞肺がんに罹患した外来通院治療患者を、「腫瘍内科医が抗がん剤治療だけを外来で行う群」と、「腫瘍内科医による抗がん剤治療に加えて、緩和ケア専門医、緩和ケア専門看護師などから構成されたチームによる緩和ケアを早期から並行して外来で行う群」の2群に無作為に振り分けて治療を行い、両群間の症状、QOL、そして生存生存期間を比較しました。
結果は、早期からの緩和ケア併用群で、抑うつや不安などの精神症状の発現が有意に少なく、QOLの点でも有意(統計で、偶然とは考えづらい差があること)に優っていました。さらに、驚くべきことに、生存期間に関しても有意な延命効果が認められました。
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どうでもいい、じじぃの日記。
この頃、死を意識するようになった。
テレビなどでよくニュース解説をしている人が、「生きがいは誰かの役に立つこと」と言っていた。
私は、あまり人の役に立ったとか思いがない。
「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」
それでも私は、人並みに苦痛の少ない死に方をしたいと思う。