じじぃの「科学・芸術_597_イスラエル・ハイテク産業」

未来世紀ジパング 世界一の”水ビジネス国”に潜入 動画 video.tv-tokyo
https://video.tv-tokyo.co.jp/zipangu/episode/00065534.html
空気から水をつくるビジネスが始まった

未来世紀ジパング 「空気から水をつくるウォーターサーバーに世界が注目」 2018年9月5日 テレビ東京
【キャスター】SHELLY、片渕茜 【ナビゲーター】鎌田靖 【ゲスト】山口義行(立教大学名誉教授)、鈴木ちなみ(女優・タレント)、ユージ(タレント)
世界的に水不足が叫ばれる中、その解決のヒントが中東の国にあった。取材班が向かったのはイスラエル。聖地エルサレム死海で有名なこの国は60%が砂漠などの乾燥地帯で、以前から水不足が深刻な国だった。加えて今年の異常気象でさらに厳しい状況かと思いきや、町には水飲み場が整備され、郊外の家庭では節水する様子が全く見られない。実はこの水、海水を飲み水にしたもの。イスラエルでは水道水のおよそ55%が、海水を利用しているというのだ。
イスラエルの水道局を訪ねると、そこは海水を淡水にする工場だった。この施設だけで1日に6億リットルの飲み水を作っているという。今やイスラエルの水事業は、国家プロジェクトとなっていて、最新技術に加え徹底的なコスト削減を実現。中国、インドなど40カ国に輸出され、400もの工場を作るビッグビジネスとなっている。
そしてイスラエルでは、さらに驚きの技術を持つベンチャー企業も誕生していた。なんと空気から水を作るというのだ。大気中の空気から不純物を取り除き、これを冷却、空気中にある水分を結露させると、最終的に水になる仕組みだという。この原理を利用した家庭用のウォーターサーバーも開発されていて、海外からも問い合わせが殺到している。
http://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2018/017849.html
イスラエルを知るための62章【第2版】』 立山良司/編著 赤石書店 2018年発行
イスラエル経済の変換 より
今やハイテク国家としての地位を不動のものとしたイスラエルは、2010年9月に悲願だった経済協力開発機構OECD)加盟を果たし、名実ともに先進国の仲間入りをした。2018年の1人あたりGDPは4万2000ドルとこの15年で約2倍となり、日本をも超えた。イスラエルの経済は、その歴史、政治と同様に、非常にユニークかつ世界に例をみない発展を遂げてきた。それは他の国の発展モデルにはなり得ないユダヤ国家ならではの特別なものでもある。
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ハイテク産業が急速に発展しはじめた90年代半ばは、ちょうど93年にオスロ合意(暫定自治合意)が結ばれ和平への期待が膨らんだときだった。海外からの投資も急増し、イスラエルのビジネス環境は大きく変化した。今では、完全に自由主義経済体制になったといえよう。
しかし、イスラエル経済の道のりは平坦ではなかった。イスラエルは建国時から大きなハンディを背負っていたからである。1つは建国と同時に周辺アラブ諸国と戦争状態となり、それが今日まで続いていること、2つめは日本の四国ほどの小さな国土のうち約60%が砂漠・半砂漠であり、水資源や燃料・鉱物資源に恵まれなかったこと、3つめは、建国当時国内に産業基盤を全く有していなかったことである。
したがって、キブツやモシャブを基盤とした農業を中心に経済発展を進めていかなければならなかった。イスラエルが今でも食料のほとんどを自給できる農業大国であることはあまり知られていないが、このような国としての出発がその背景にある。
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インテルは1974年に半導体の研究開発センターをハイファに設立し、81年に製造工場をエルサレムに設立した。その当時のイスラエルにはハイテク産業も電子産業も育っていない時期である。その後インテルにみならず、IBMマイクロソフトなど米国を代表するIT企業は軒並みイスラエルに進出している。これらは単なる経済合理性だけでは説明がつかない点もあり、イスラエル支援といった政治的な意図もあったと推測される。最近でも、アマゾン、グーグル、ヤフー、フェイスブックなど主要IT企業も軒並みイスラエルに研究開発拠点を設立したり、イスラエル企業を買収したり、活発な活動を繰り広げている。