じじぃの「科学・芸術_593_生ゴミ用袋・ポリ乳酸フィルム」

高機能ポリ乳酸繊維の実験 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=y8FVp-J_l58
ポリ乳酸ごみ袋 (osakagas.co.jp HPより)

未来世紀ジパング 衝撃! 世界のごみ問題 〜人類VS使い捨てプラスチック 2018年9月12日 テレビ東京
【司会】SHELLY、片渕茜 【ゲスト】坂下千里子鈴木ちなみ、ハリー杉山 【ナビゲーター】鎌田靖(元NHK解説副委員長)
世界のプラスチックごみは35年間で6倍に増えている。
インド・モディ首相は6月、2022年までに使い捨てプラスチックを全廃する方針を打ち出した。
インドではビンロウという植物の落ち葉は工場で加工されてお皿が作られている。このお皿がプラスチックの代わりになっている。こうしたプラスチック代替のベンチャーが続々と登場している。
銀座にある素材ベンチャーのTBMは石灰石から使い捨て製品を作ることに成功している。TBMは石灰石にサトウキビなどを混ぜて新素材を開発した。この素材で作った食器は全て自然にかえるのでプラスチックの代替素材として世界から引き合いがあるという。
http://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2018/017906.html
生ごみと一緒に処理できる!? 大阪ガスが開発した植物由来の「ごみ袋」とは 2014年6月30日 大阪ガス通信
本日は、大阪ガスが開発した、植物由来の樹脂が原料の「ポリ乳酸ごみ袋」をご紹介します!
粉々になった袋は、土の中では微生物に分解され、跡形もなく消えてしまうんですって。
なお、この袋はバイオガス化システムや土の中で分解されるもので、ごく普通の環境下であれば数年は強度を保っていられます♪ごみ袋として使っていて、脆くなって崩れてしまうことはありませんので、ご安心を!
http://www.osakagas.co.jp/company/tsushin/1211941_15288.html
『生物とコラボする――バイオプラスチックの未来』 工藤律子/著 岩波ジュニア新書 2013年発行
トウモロコシとコラボする より
ポリ乳酸のほうが、これまでのデンプン・プラスチックよりも、プラスチックとしては優秀なんだ。食べられないけどね」
父によると、ポリ乳酸は、トウモロコシを原料にして、つぎのような方法でつくられる。
まず、トウモロコシをすりつぶして、デンプンを取り出す。
それに生物の体の中でデンプンの分解をうながす物質=酵素を加えて、ブドウ糖にする。これを「酵素分解」という。
つぎに乳酸菌を使って、ブドウ糖(C6H12O6)を酸化、発酵させ、酸素と結合させて分解し、乳酸にする。
最後に、その乳酸(HORCOOH)を「エステル化反応」で高分子のポリ乳酸にする。
エステル化反応」とは、COOH基(カルボキシ基)を含むカルボン酸と、OH基(ヒドロキシ基、水酸基ともいう)をふくむエタノールなどのアルコール類が、脱水反応(COOHからOHが、OHからHが抜けることで、H2Oが1分子抜ける反応)をするさい、カルボン酸とアルコールが結合することだ。
「トウモロコシから取り出したデンプンから乳酸をつくるときも、酵素分解や乳酸菌による発酵といった自然の化学反応を利用しているから、エネルギー資源の節約になり、CO2の排出もおさえられるんだよ」
ポリ乳酸でプラスチックを製造することは、原料だけでなく、その製造過程でも、従来よりもエコにできるということだ。
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こうして廣田一雄(ユニチカ株式会社の開発部)さんら研究開発にたずさわる人たちは、製品をつくる会社からの要望にこたえるために、日々、技術の向上に努めている。
それにしても、最初は「生分解性」をセールスポイントにしていたポリ乳酸を、耐久性のある分解しにくいものにするというのは、かなりの難題なのではないだろうか?
「むずかしいですよ! さっきお話した「余っている手」に「何」を持たせるのが1番よいかを見つけるのは、けっこうむずかしいんです。また、新しい試みをすることで、もともとの長所、特性がなくなっちゃたりしないようにするのもむずかしい。分解しなくなったけど、色がついて透明じゃなくなっちゃったとか、軽くしたら割れちゃったとかでは、困りますからね。あともう1つ、ビジネスですから、値段が高くなりすぎないようにすることも重要。値段を上げないようにしつつ、求められる性質をもたせる。それがむずかしいです」
そう話す廣田さん。何事にもバランスが大切、ということだろう。
研究や発明は、それ自体がおもしろく、研究している人やわたしたちを興奮させてくれるものだ。けれど、それを暮らしの中で活かすには、安全で使いやすく、役に立ち、手に入れやすい値段のものにしなければならない。私たちが利用する製品を生み出すために奮闘する科学者たちは、そこを考えながら、試行錯誤をつづけている。
そんな研究が私たちの日常の中でもっと活かされるためには、私たち自身も「安いもの」というだけでなく、「エコな製品を使おう」という意識を高めていく必要がありそうだ。