TEL AVIV | JERUSALEM - TWO CITIES. ONE BREAK 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_dBNXPfdePs
エルサレムとテルアビブ
どんな都市? よく分かるエルサレムとテルアビブ 2017年12月19日 ライブドアニュース
●テルアビブとエルサレム〜イスラエル二都物語
テルアビブからエルサレムへの大使館の移転は、日本でいえば本社を大阪から京都(あるいは奈良)に移転するようなものだ。
比喩としてはやや突飛に聞こえるかもしれないが、西に向かって瀬戸内海に面した商都・大阪と、内陸にある千年の都・京都という対比は、イスラエルの2大都市についてもあてはまる。つまり、西に向かって地中海に面しているのが商業都市テルアビブ、内陸にある5千年の古都エルサレムの対比になる。
http://news.livedoor.com/article/detail/14047945/
『イスラエルを知るための62章【第2版】』 立山良司/編著 赤石書店 2018年発行
二都物語――エルサレムとテルアビブ より
イスラエルの2大都市、エルサレムとテルアビブ間は、車で約1時間の距離だ。しかし、両都市の極端な違いは、初めて訪れる外国人観光客も驚かされる。
まず地理と気候だが、内陸部の小高い丘の上に位置するエルサレムでは、夏では夕方になれば涼しく、空気も乾燥していえう。冬には、イスラエルでは珍しい雪が降るときもある。他方で、地中海に面するテルアビブの夏は湿気が多く暑いが、冬は割と暖かく過ごしやすい。
こうした地理と気候は、街の雰囲気の違いにも合っている。約3000年の歴史をもつエルサレムには、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地に加え、街の至る所に史跡が点在している。場所により異なる時代を堪能することができるほか、街全体を覆う独特な不思議な雰囲気には、世界仲の多くの観光客が魅了される。
また、エルサレムには、政治の中枢機能(議会にあたるクネセトや首相府など)も集まっている。イスラエル政府は西エルサレムに、1967年の第3次中東戦争に併合した東エルサレムを合わせて首都としているが、これは国際的には認められていない。そのため、各国は大使館をテルアビブに置いている。こうした背景があるがゆえに、2017年12月のトランプ米政権によるエルサレム首都認定と、2018年5月の剤イスラエル米大使館のエルサレム移転は、世界中で大きく取り上げられた。このように宗教と歴史を肌で感じることができ、政治問題も考えさせられるエルサレムの雰囲気は、乾いた空気の下でも重いと感じる。
他方で、エルサレムに次ぐ大都市で、ヘブライ語で「春の丘」を意味するテルアビブの雰囲気は全くことなる。建国前に作られたこの街は、2009年に創立100年を迎えたばかりだ。宗教や政治色は薄く、経済や文化の中心地としての役割を担い、オープンで自由な街として明るい。街の西側にはビーチとリゾートホテルが立ち並び、中部と東部には高層オフィスビルなどがそびえ立つ。その間の通りに立ち並ぶカフェには、老若男女を問わずおしゃべり好きなイスラエル人が集う。夜も賑やかで、洒落たレストランやバー、ナイトクラブが多い。この「眠らない街」を満喫するために、数日間だけヨーロッパから遊びにくる者もいるほどだ。
両都市がかもし出す雰囲気の違いは、エルサレムで宗教的なユダヤ人の人口がますます増えたことで、近年さらに顕著になってきた。エルサレム・イスラエル研究所の2017年度報告書によれば、2013〜15年の調査で、エルサレム居住者のユダヤ人20歳以上のうち、自分を宗教層に属すと回答した者は約80%だった。そのうち、黒衣をまとい最も熱心な信者として知られる超正統派は、5年前の調査から5%増加して34%だった。男性が頭に小さな丸帽子「キッパ」をかぶる宗教派が19%、宗教的には比較的自由で祭日などの民族の風習や伝統を守る伝統派が27%だった。一方、無宗教などの世俗派は20%にすぎなかった。超正統派が2%、世俗派が67%を占めるテルアビブとは対照的だ(イスラエル全体では、超正統派は9%、世俗派は44%)。また超正統派は出生率が高く、通常の仕事にあまり就かないことなどから、エルサレムは貧困層の割合が高い街として知られる。こうした傾向も世俗派の若年層によるエルサレム離れを加速している。
宗教色が強まるエルサレムと、世俗化が進むテルアビブ。それぞれのイスラエル人にとり、互いの心の距離は、車で約1時間という実質的な距離よりも広がってきている。