じじぃの「科学・芸術_134_イスラエル・キリスト教シオニズム」

Onward, Christian Zionists 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YYWlB64upSc
ナザレの街のクリスマス

キリスト教ユダヤ教の微妙な関係/イスラエルについて シオンとの架け橋
近年、イスラエルではキリスト教に対する人々の意識が急速に変化しています。 その背景の一つは、1990年代に急増したロシア移民です。 彼らは宗教的にはロシア正教の人々が多く、クリスマスなどの風習をイスラエルに持ち込みました。
また、若い人を中心にキリスト教文化が静かなブームとなっています。 クリスマス・キャロルを聴くために教会に行く人が増え、ヘンデルメサイアの演奏会は毎年盛況です。 イエス・キリスト新約聖書を文化として好意的に取り上げる出版物も増えてきました。
今、イスラエル社会はキリスト教に対する対応で揺れ動いています。 インターネットでは「クリスチャンを追い出せ」という意見と「唯一の友人を敵に回してどうする」という意見を、ユダヤ人同士が激しく戦わせています。
「シオンとの架け橋」では、郵送版のニュースレターで、主にクリスチャン向けに上記のような動きに関する情報を紹介しています。
http://www.zion-jpn.or.jp/israel_religious2.html
イスラエルを知るための60章』 立山良司/著 赤石書店 2012年発行
キリスト教シオニズム 【執筆者】林真由美 (一部抜粋しています)
エルサレム郊外にエン・カレムという地域がある。洗礼者ヨハネの生誕地といわれるその静かな集落に、キリストの最後の晩餐の食事を再現している場所があると聞いて訪れたことがある。食事のことはほとんど覚えていない。ただ案内役の女性がアメリカ英語で熱心に、「神が与えられた土地に建国されたイスラエル」を礼賛していたことは強く印象に残っている。
米国ほどイスラエルへの強力な支援国はない。その背景として「イスラエル・ロビー」の存在が指摘されているが、さらに最近はキリスト教シオニズムの存在が無視できなくなっている。
キリスト教シオニズムとは、文字通りキリスト教徒なのだが、現代のイスラエル独立は聖書の預言の成就であり、やがて到来する救世主の復活に連なる、と信じている人々である。だから彼らにとって、ユダヤ人の帰還とイスラエル国家を支援することはキリスト教徒の義務となる。キリスト教シオニズムの源流は16世紀のイングランドピューリタンだが、その思想は19世紀に米国のプロテスタントの間で次第に確立された。さらに1980年代から米国で活発化し、いくつもの団体が作られた。
代表的な団体は「イスラエルのためのキリスト教徒連合」(CUFI)である。2006年2月に400人から始まった活動は、現在では米国最大の親イスラエル団体の1つといわれ、ロビー活動を活発化させている。
個人では共和党下院院内総務まで務め2003年に引退したディック・アーミー(長老派)が、外交政策における自分の1番の優先事項はイスラエルを守ることだと語り注目された。最近では「東日本大震災は神の仕業だ」といった過激な発言で、2011年6月にフォックスニュースの契約を解除されたTV司会者のグレン・ベック(モルモン派)の活動が注目されている。彼は2011年8月に2000人を引率してイスラエルを訪問し、イスラエルは占領地を維持し続けるべきだと訴えた。
キリスト教シオニズムが活動を活発化させている背景にあるのは、米国で福音派エバンジェリカル)が1970年代から教勢を伸ばしている事実だ。福音派の人口ははっきりしないが、一説には全米の30〜35パーセント、約1億人に上るといわれる。その3人に2人はイスラエルの建国を聖書の預言の実現だと信じているという(冒頭に紹介した最後の晩餐を提供していた場所も福音派が運営していた)。信仰の篤い彼らは、イスラエルの勝利は神との契約が存在していることの証であると信じている。
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しかし、キリスト教シオニズムはすでに米国の、そしてイスラエルの政治に深く関わっている。ネタニヤフ首相は米国やエルサレムで開催されるCUFIの集会でスピーチを行っている。こうした事情を踏まえ、CUFIの主任牧師ジョン・ハギー(福音派)は、自分たちの活動は親イスラエルユダヤ人団体の活動以上に影響力があると誇らしげに語っている。