じじぃの「科学・芸術_590_東野圭吾『白夜行』」

映画『白夜行』予告編 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aRh6a4oJ35w

東野圭吾の大ベストセラー小説が中国で再び映画化!『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』10/13公開決定 2018-08-02 SCREEN ONLINE
日本同様中国での東野圭吾人気はすさまじく、「中国で最も稼ぐ外国人作家ランキング」で長年トップに君臨し続けた「ハリー・ポッター」シリーズのJ・K・ローリングを抑え、2017年に1位に輝いている。
中国では「ナミヤ〜」は大ヒットとなり、ミステリー・ファン以外にも東野圭吾を知らしめたエポックメイキングな作品だ。
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怪しい人びと 東野圭吾 光文社文庫 1998 Amazon
ロアルド・ダールの「あなたに似た人」と同様に、「奇妙な味」を持ったライトな短編集。
各短編ともに、冒頭からの興味深い話で関心を引き、不思議な謎が示され、それなりのオチが用意されている。
「寝ていた女」・・・友人の逢い引きのために部屋を貸してやると、見知らぬ女が居付くことに。
「もう一度コールしてくれ」・・・2年前の高校野球のコール(判定)を巡る恨み。その時の審判宅に押し入って、再度聞いたコールの結果は。

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『読書という荒野』 見城徹/著 幻冬舎 2018年発行
東野圭吾・見事なまでに人間を描く完璧なミステリー より
東野作品を読むたびに、ミステリーとして完成度が高く、同時に人間が見事なまでに描けている点に驚かざるを得ない。世界の片隅で、ささやかに生きている人間の息遣いや足音、咳払いまでもが文章越しに伝わってくる。その上で高度な謎が絡んだストーリーが展開されるために、読者を引きつけて止まない。とにかくすべての作品が面白くて、その上、胸に沁み込んでくる。文学性も高い。
おすすめは白夜行である。幼いころに、止むに止まれぬ事情から肉親を殺した男女が、人間としての「業」を抱えながら生きていく。互いに十字架を背負った2人の愛や憎しみ、そして別離は、どうしようもなく切ない気分にさせる。
僕がいちばん好きな作品は『新参者シリーズ』の完結編にあたる『祈りの幕が下りる時』だ。東野圭吾の物語作家としての稀有な才能が縦横無尽に発揮され、面白さ抜群の社会派ミステリーでありながら見事な文学にもなっている。ニューヨーク行きの飛行機の中で号泣しながら読み切った。自分の生き方を激しく問われた作品だった。