じじぃの「がん細胞のおしゃべり・miRNAとは?がんはなぜできるのか」

講演2「がんの増殖を抑える小さな分子、マイクロRNA」稲澤 譲治(東京医科歯科大学難治疾患研究所 教授) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ibK0Psi0sEQ

がん13種類を「血液1滴で診断できる」検査法を開発 負担が少なく早期発見 2017.8.20 産経ニュース
1滴の血液から13種類のがんの有無を同時に診断できる検査法を国立がん研究センターなどのチームが開発した。がんが分泌する微小な物質を検出する。「腫瘍マーカー」を使う現在の血液検査と比べ発見率が高く、ごく初期のがんも見つけられるのが特長という。
チームはがん患者らを対象とした臨床研究を進め、数年以内に国の承認を得たい考え。
チームは、がんが血中に分泌する「マイクロRNAと呼ばれる物質に着目。国立がん研究センター国立長寿医療研究センターなどに冷凍保存されていた約4万3千人の血液を使い、乳がんや大腸がんなど13種類のがんに特徴的なマイクロRNAを調べた。
https://www.sankei.com/life/news/170820/lif1708200015-n1.html
『「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで』 国立がん研究センター研究所/編 ブルーバックス 2018年発行
がんを見つける、見極める より
最近は「腫瘍マーカー」というものが血液中に流れていることが知られています。腫瘍マーカーとはその名のとおり、腫瘍・がんの目印となる物質で、ある種の抗原や酵素などのタンパク質であったり、タンパク質よりも小さな分子であったり、約40種類が知られています。
「この腫瘍マーカーを使えばがんがわかるのではないのか?」と思う人がいるかもしれません。しかし実際は、腫瘍マーカーを使っても、がんを早期発見することは困難です。
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薬物や手術法など医療に関する技術を開発するには、まず基礎研究が行われます。がんをみつけ、見極めるための診断法の開発の場合も同じで、がん細胞やそのゲノムの情報を調べ、がんがどのように発生し成長し転移するのか、そのメカニズムを分子レベルで明らかにするところから始まります。国立がん研究センターは、ゲノムの塩基配列がどのように変わっているか(変異)や、ゲノムにどのような化学修飾がついているか(エピゲノム)を調べ、それが特にがんの転移にどう関連しているのかを解明しようとしています。がんの転移を止められたら、多くの患者を救うことができます。止められなかったとしても、ほかの臓器に転移が広がるのをある程度コントロールできれば、延命が可能になります。
こうした基礎研究のなかで最近、がん細胞は、”おしゃべり”だということがわかってきました。しかも、そのおしゃべりの内容というのが、ほかの細胞に自分の味方になってくれるように働きかけたり、自分を攻撃しようとしてくる免疫細胞をだまして攻撃を回避したり、いろいろと悪だくみをもちかけているようなのです。これには驚いてしまいますが、このような悪さができるのは、がん細胞が私たちの正常な細胞が変化したもので、同じ言葉を使っておしゃべりしているからです。
「がんのおしゃべり」といっても、もちろん実際にしゃべっているわけではありません。細胞が発した声のような物質が血液中を流れていて、それをみることで、がん細胞そのものを観察しなくても、がん細胞の状態を把握できたり、ほかの細胞にどのように働きかけているかがわかったりするのです。このおしゃべり物質の正体がマイクロRNA(miRNA)とエクソソームです。
miRNAは、20塩基ほどの短い1本鎖のRNAで、ゲノムDNAから転写されてできるRNAから段階を踏んで切り出されます。多くは細胞質のなかで遺伝子発現調節を行っていますが、エクソソームに入れられるなどして細胞から分泌され血液中に入り込みます。これは健康な細胞でも起こっていることですが、がんになると、がん細胞特有のmiRNAが分泌されます。エクソソームは直径が20〜100ナノメートルほどの、脂質2重膜で覆われた風船のような入れ物です。最近では、このエクソソームがmiRNAを運ぶだけでなく、がんの発症に対してさまざまな役割を果たしていることがわかってきています。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
がん細胞は「おしゃべり」なのだそうだ。
がん細胞は周囲の組織に「酸素や栄養をもっとくれ!」とか要求する。がん細胞は血管の形成を促す物質を作り、周囲の組織に漏出させる。
がんを養う「血管新生」を抑え、低酸素状態にすることでがんの増殖は抑えられるらしい。