じじぃの「科学・芸術_523_安物の方程式」

Sony Walkman CM 1987 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SlhIQYd-qAg

The 80 Best Gadgets of the '80s AUG 19, 2013 Complex
The 1980s was a decade where science and technology reached groundbreaking strides. We’re talking about an era that introduced us to such high-tech innovations as 8-bit gaming consoles, compact audio systems, mobile phones, portable listening devices, and state-of-the-art music instruments. A time when Apple was just on the come up, Casio played trendsetter on the wristwatch front, Nintendo ushered in the next generation of home entertainment, and Sony reigned supreme as the electronics king. Being an '80s baby rocked.
https://www.complex.com/pop-culture/2013/08/best-gadgets-of-the-80s/
『世界を変えた14の密約』 ジャック・ペレッティ/著、関美和/訳 文藝春秋 2018年発行
働き方が改革されない理由 より
刑務所のような職場は、これまでにもあった。ドラッカーの唱えた企業も、社員を隅々まで監視していた。しかしピーターズとウォーターマンの手法は社員の心の在り方を変えようとするものだった。新しい世界は波乱に満ちていて生産が極めて高くなければ放り出される、と彼らは言っていた(マッキンゼー自身の社員に対する方針は、「上か外か」だ)。生き残りたいなら絶対服従が求められるが、それな自分の意志でなければいけない。仕事はカルトなり、社員は宗教のように企業を崇める信者になった。
マッキンゼーが参考にしたのは日本だった。従業員が毎朝食堂の床にひざまずき、トヨタなり東芝なりのためにもっと儲かりますようにと祈っていたのが日本の職場だ。日本のカルト的仕事観は極端だった。従業員が仕事で疲れ果て、死んでしまうことも度々あった。しょっちゅう起きるので、これを表す言葉まであった「過労死」だ。東京の郊外には、ストレスに悩む労働者が首をつる場所として有名な「自殺の森」がある。
1970年代のはじめ、日本は奇跡的な経済成長の最中にあり、世界は日本から熱心に教えを学ぼうとしていた。ピーターズとウォーターマンもまた、だれもと同じように驚嘆し、その成功の方程式を持ち帰りたいと思っていた。もちろん、日本の職場カルトを欧米にそのまま移植できないのはわかっていたが、自発的な会社への献身がどのように生み出されているのかを彼らを知りたがった。
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1960年から1973年のあいだに日本の工業生産量は4倍になった。アメリカの消費者は、のどから手がでるほどあるものを欲しがっていた。国産品は高くて手がでないが、日本製なら安く買える。家電製品だ。
コンテナ輸送のおかげで、一夜にしてアメリカにハイファイ装置、ラジオ、テレビがあふれた。かって金持ちだけに許された贅沢品が、「日本製」や「中国製」ならその数分の1の値段で手に入った。そうした高級家電製品をだれもが持てるようになった。
安い品物は消費者にとっては恵みだが、欧米の産業界にとっては災いだった。輸入品増加と同時に製造業は衰退した。コンテナ輸送は決定的な一撃だった。マーク・レビンソンの計算によると、いまでは毎年3億個ものコンテナが海を渡っている。中国からだけで、そのうちの26パーセントを占める。
価格圧力は絶え間なく続き、わたしたちの消費者はそれを当たり前に期待する。今のテレビは1980年の値段の3パーセントだ。カメラは2000年代から75パーセントも値下がりしている。携帯にカメラ機能がついたせいだ。携帯電話自体も2005年から半値になっている。世界初の商業用携帯電話となったモトローラのDynaTAC8000Xは1983年に4000ドルで発売された。かつて金持ちだけが手に入れていたテクノロジーは、いまや低賃金を補うものとして、すべての人の手に入るようになった。
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そこでつい買ってしまうものの共通点はなんだろう? 安いということだ。「消費者がますます安い者を求めるなかで、どれだけ利益率を下げ続けられるでしょう?」とスティーブ。ハワードは言う。物価が上昇すれば、低賃金と低成長の上に成り立つ経済モデルは続かなくなる。
「資源化高騰するにつれて、どこかの時点でいずれ物価は上がります。グローバルな物価上昇がやってきますし、買い物客に価格を転嫁しなければだれがそれを支払うんでしょう?」だが、企業は消費者に転嫁できないと言う。値上げをすれば顧客が離れるからだ。解けないパズルがここにある。
いまのところは、だれかが代金を支払ってくれる。それは、ものを作っている人たちだ。フィリピンの劣悪な工場で1日100枚のジャケットを仕上げる女性や、ベンゼンを使ってスマートフォンを作る2億人労働者や発がん性物質にまみれて古いラップトップや携帯電話から金やプラチナやパラジウムを取り出す人たちが、代償を支払っている。