じじぃの「科学・芸術_479_イラン・ペルシャ語」

Learn Persian - Persian in Three Minutes - How to Introduce Yourself in Persian 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4Pkdp7Le0cM
ペルシャ語

ペルシア語とアラビア語はこう違う 2013年10月24日 日経ビジネスオンライン
ペルシア語とアラビア語はどちらも右から左へと読んでいきます。そして、どちらも、ほぼ同じ文字で書かれています。
しかし、全く同じ文字というわけではありません。これは日本語と中国語の関係に似ているでしょう。どちらも漢字で書かれており、その違いを知らない人は区別できません。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131021/254830/
『イランを知るための65章』 岡田恵美子、鈴木珠里、北原圭一/編著 赤石書店 2004年発行
ペルシャ語はどこまで通じるか? より
イランでいくつの言語が話されているかご存知だろうか。イランの公用語ペルシャ語であることは知っているにしても、イランはペルシャ語一色の世界だと、無意識に思っていないだろうか。
あまり知られていないことであるが、イランは多言語社会である地方を旅すると、行った先々でペルシャ語以外の言語で話しかけられ、こちらがペルシャ語で話しかけても話が通じないこともめずらしくない。
ことばを追ってイランを旅することにしてみよう。イランの地図があれば、照らし合わせながら読み進んでいただけるとわかりやすい。まず、首都テヘランを出発点に、イランの周辺部を北から反時計回りにめぐることにする。テヘランからまっすぐ北上、街の背後にそびえるアルボルズ山脈を抜けてカスピ海岸地方に通じる山道に入る。峠を越え、日本の梅雨を思わせる湿気を感じ始める頃には、山あいの村々で聞こえてくるのは、もはやペルシャ語ではない。アルボルズ山中からカスピ海南岸にかけて話されているのは、ギーラーン語とマーザンダラーン語。これらは総称してカスピ海方言と呼ばれる。パルティア語に代表される、かつての中期イラン語西北方言の流れをくむ言語である。マーザンダラーン語はギーラーン語の東に分布するので、この山道はちょうどこの2言語の境界を走っていることになる。
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再びカスピ海岸に戻り、西岸を北上すると、今度はターレシュ語の分布域に入る。カスピ海方言とタート語、ターレシュ語は、言語的にもっとも近く、互いに隣接して分布そている。したがって、カスピ海西岸の周辺地域では、これにペルシャ語を加えた、4言語が話せる人もめずらしくない。時間が許せば、バザールやチャーイハーネ(茶店)に立ち寄って、人々のことばに耳を傾けてみるとよい。バザールは、さまざまな言語が飛び交う場でもある。人々が各々の言語で情報交換や世間話をしているのを聞くたびに、イランの多言語社会の一端をかいま見た気になる。
さて、そろそろカスピ海に別れを告げ、西に進路を取ってアルダビール方向へ向かってみよう。カスピ海西岸に並行して走る山地の峠道を越えると、耳に入ってくるのは、ペルシャ語でも、これまでのイラン系の言語でもない。イランの北西部は、もはや正確な人口統計をとることが不可能なほど、イランに同化してしまった、トルコ人の地である。彼らは自らをtork「トルコ人」と称し、自分たちのことばをトルコ語と呼ぶが、彼らの言語は正確にはテュルク系のアゼルバイジャン語である。他のイラン人からは、「アゼルバイジャン語の話し手」を意味するazari「アーザリー」の名称で呼ばれているが、これはトルコ人以外のイラン人から見た他称である。
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クルド語は、音の点ではペルシャ語が代表する南西方言と異なる点を示しながら、文法面ではペルシャ語の類似性も示し、他動詞の過去形では能格構文を保持している。クルド語の正確な系統は未だ解明されておらず、文字を持たなかったために跡形もなく消滅してしまった。古代期のイラン語の後裔とも言われている。