じじぃの「科学・芸術_441_関節リウマチ・炎症」

書籍版 NHKスペシャル 人体〜神秘の巨大ネットワーク〜 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KORmPMMPb7g
Macrophage Cytokine Release 動画 YuTube
http://www.youtube.com/watch?v=KiLJl3NwmpU
 サイトカインgeocities.co.jp HPより)

NHKスペシャル 「シリーズ人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」 2017年9月30日
【MC】タモリ山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長)
人体は巨大なネットワーク、ANPやEPO、TNF-αやレプチンはメッセージ物質である!
衝撃の映像は腸の中でみられた、腸にある絨毛という部分にフォーカスすると、腸の細胞1つを捉え、その中がキラキラと輝いていた。この後起きた変化は腸の細胞からミクロの物質が噴き出した。
●免疫の大暴走を撃退! TNF-αの信号制御で関節リウマチ最新治療
関節の中で免疫細胞が盛んにメッセージ物質を出している。TNF-αというメッセージ物質で、これを免疫細胞が受け取り、臨戦態勢となる。さらに警告メッセージを拡散していく。
関節内の免疫細胞が居もしない敵を知らせるアラート(メッセージ物質:TNF-α)を発し続け、自分で自分の関節を敵と勘違いし攻撃し続けて破骨細胞が骨を破壊するのです。
清水絵美さんの人生が変わったのは4年前の新薬の開発(生物学的製剤)によってでした。
東京医科歯科大学生涯免疫難病学講座教授の森雅亮先生によれば、TNF-αにくっついて誤ったメッセージ物質をブロックする働きの新薬によってリウマチの進行を止められるようになるそうです。
http://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_2.html
『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』 岸本忠三、中嶋彰/著 ブルーバックス 2016年発行
免疫学ことはじめ 情報伝達分子 より
免疫細胞と免疫細胞の間には、情報伝達分子(メッセージ物質:サイトカイン、ホルモン、エキソソーム、神経伝達物質)と呼ばれる生体分子が行き来していて、免疫の営みに欠かせない情報や命令を受け渡している。
たとえば抗原提示を受けたT細胞は、B細胞に抗体の生産を開始するよう指示する。この際、T細胞はB細胞に向かって微量のたんぱく質を放出する。これが情報伝達分子だ。専門家は情報伝達分子をサイトカインとも呼ぶ。
これまでに発見された情報伝達分子の顔ぶれは多彩である。たとえばがんの特効薬として期待されたインターフェロンやTNF(腫瘍壊死因子)、岸本忠三が発見したインターロイキン6(IL6)などがある。インターロイキンとは「白血球と白血球の間をつなぐ分子」という言葉だ。IL6はインターロイキン・ファミリーの”六男坊”で発見当初はT細胞がB細胞に抗体の生産を促すための分子と理解されていた。
だが、この分子が持っているさまざまな働きが、やがて続々と判明した。このうち特に重要なのは、炎症を起こす営みだ。ケガをしたとき、患部が腫れて熱を出すのはこの働きのせいなのだが、そのおかげで傷は早く治る。こうした働きから、IL6は「炎症性」の情報伝達分子と呼ばれている。
IL6は”悪の顔”も持っている。端的な例は、関節リウマチとの深いかかわりだ。関節リウマチは、免疫細胞が自分の体に牙をむく自己免疫疾患で、骨が融け、最後には関節まで破壊される恐ろしい病気だ。犯人は患部でうごめいているIL6やTNFであることが突き止められている。