じじぃの「白血球・警報分子・サイトカインってなあに?カラダの知恵」

書籍版 NHKスペシャル 人体〜神秘の巨大ネットワーク〜 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KORmPMMPb7g
Macrophage Cytokine Release 動画 YuTube
http://www.youtube.com/watch?v=KiLJl3NwmpU

クラリベイトがノーベル賞有力候補16名を発表、日本からは3名が受賞

2021/09/22 TECH+
選出された3名の日本人のうち、2名が医学・生理学部門での受賞となり、「インターロイキン-6(IL-6)の発見とその生理的・病理的作用機序の解明により、医薬品の開発に貢献した功績」として大阪大学 免疫学フロンティア研究センターの岸本忠三 教授と量子科学技術研究開発機構の平野俊夫 理事長(大阪大学 名誉教授)が表彰された。
また、化学部門から「金属触媒を用いたリビングラジカル重合の発見と開発」の功績で、中部大学 先端研究センターの澤本光男 教授(京都大学 名誉教授)が受賞者として選出された。
https://news.mynavi.jp/article/20210922-1979486/
NHKスペシャル 「シリーズ人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」 (追加) 2017年9月30日
【MC】タモリ山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長)
人体は巨大なネットワーク、ANPやEPO、TNF-αやレプチンはメッセージ物質である!
衝撃の映像は腸の中でみられた、腸にある絨毛という部分にフォーカスすると、腸の細胞1つを捉え、その中がキラキラと輝いていた。この後起きた変化は腸の細胞からミクロの物質が噴き出した。
●免疫の大暴走を撃退! TNF-αの信号制御で関節リウマチ最新治療
関節の中で免疫細胞が盛んにメッセージ物質を出している。TNF-αというメッセージ物質で、これを免疫細胞が受け取り、臨戦態勢となる。さらに警告メッセージを拡散していく。
関節内の免疫細胞が居もしない敵を知らせるアラート(メッセージ物質:TNF-α)を発し続け、自分で自分の関節を敵と勘違いし攻撃し続けて破骨細胞が骨を破壊するのです。
清水絵美さんの人生が変わったのは4年前の新薬の開発(生物学的製剤)によってでした。
東京医科歯科大学生涯免疫難病学講座教授の森雅亮先生によれば、TNF-αにくっついて誤ったメッセージ物質をブロックする働きの新薬によってリウマチの進行を止められるようになるそうです。
http://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_2.html
「免疫」の基礎知識
●サイトカイン(Cytokine)
最適なT細胞応答のためには緊密な細胞の接触が必要であり、T細胞と単球は近くあるいは遠くの応答に影響を与えうるサイトカインを分泌する。サイトカインは特異的な細胞表面レセプターに作用し,オートクリンあるいはパラクリンの様式で働く。
サイトカインはいくつかのグループに分けることができ,それぞれのグループはインターフェロン(IFN-α,β,およびγ),腫瘍壊死因子(TNF-αおよびβ),インターロイキン(IL-1からIL-18),トランスフォーミング成長因子,そして,CSF(造血コロニー刺激因子)を含む。
サイトカイン群は与えられた免疫応答において協力し,提携し,または競合して働く。(例,IL-1はIL-2の分泌を誘導できる。IL-2,IL-4およびIL-6は相乗的に働いて細胞傷害性Tリンパ球を誘導できる。IL-4とIFN-γは,B細胞上のクラスI発現の誘導,およびIgE分泌の誘導にあたって,互いの働きを打ち消し合うことがある。)
http://web1.kcn.jp/ikyu3/myeloma/basic/immuno.htm
『カラダの知恵 - 細胞たちのコミュニケーション』 三村芳和/著 中公新書 2017年発行
白血球をあやつるコトバ――惹かれて引かれる より
カラダが傷つくとすぐに血液中の血球成分のひとつである白血球が集まってくる(この現象を炎症という)。傷は赤く熱をもち、腫れて痛む。まるで火事場のようだ。傷をとりかこんだ白血球はサイトカインという警報分子を放出し、傷の延焼を防ぐ。また、傷口は微生物にとってまたとない侵入のチャンスでもある。白血球は先の警報分子をさらに分泌し、微生物の退治にかかる。同時にサイトカインの指令によって傷が治っていく。
脳はちゃんと傷の情報――炎症の程度とその範囲――を、血管や神経に乗って伝えられてくるサイトカインというコトバを読んで把握する。そしてホルモンと自律神経と免疫のネットワークを駆使し、傷のレベルに見合った生理反応をカラダにおこさせる。たとえば、傷口に血液を増やせ(ほかのところへは少なくしろ)、血圧を上げろ、もっと心臓を動かせ、もっと呼吸して酵素をとりこめ、水が足りないから尿をしぼれ、ウイルスを殺すために体温を上げろ、エネルギーを無駄にするな(甲状腺機能を下げろ)、免疫細胞に活を入れろなどの反応である。こうした「生命を維持するためにもっとも適した」生得的なシステムを動かす第一歩が、白血球が血管の外へ出て傷に集まる現象である。それを導くいくつものコトバがある。
重要なコトバのアラカルト――サイトカインと活性酸素とエネルギー より
カラダは的確なコトバをつかい、さらにその場の状況、すなわち前後の文脈に照らしてコトバの意味をソフトに解釈し、血液細胞と免疫細胞とを連携させながら全知全能で傷の修復にかかる。カラダの知恵ともいうべくその反応の緻密さと迅速さ、そして統制のとれたうつくしさは工芸の城だ。整然としたシステムに裏打ちされて、こうしたシステmを支えるコトバのなかで、もっとも重要なコトバのひとつがサイトカインという蛋白質である。サイトカインは白血球などの免疫細胞が分泌する「シグナル」、つまり伝令者であるが、そのふるまいは傷の修復や炎症の沈静に多くの役者の立ち回りを振り付けるコンダクターでもある。傷から遠い場所へ血管や神経を乗り継いで伝わっていき、最終的に脳の免疫細胞までとどく。
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状況がそのつど変わる突発的な有事には臨機応変にその場その場でソフトな対応がせまられる。人社会とおなじだ。「わたしはこれだけしかやらない、やれない」では通用しないサイトカインのもつ曖昧さや冗漫さは、その裏返しとしての柔軟性ゆえにかえって値打ちがある。あるサイトカインがその場の空気を読み、その場にいる単なる細胞にはたらいて、その場に適した意味ある細胞として活躍させる。そしてつぎのプロセスが展開されていく。仕事を与えられた細胞は、こんどは自分がサイトカインを出し、べつの細胞に意味をもたせる。この展開のしかたはその場、その状況でちがう。頭のよいリーダーが部下の才能をタイミングよく引き出し、自律性をもたせるようなものだ。
コトバが氾濫するとカラダはシッチャカメッチャカとなる。その結果、ケガや感染がコントロールできず、炎症が手に負えなくなるほど拡がる。この最たる例が多機能不全につながる全身性炎症反応症候群だ――体中が、ゴウゴウと音をたてて燃えさかる炎症に包まれ、文字どおりカラダが炎上する――。このとき炎症を誘導するサイトカインが洪水となってカラダ中にあふれかえる。おもにTNF、IL-1、IL-6であるが、これらのサイトカインが時宜をわきまえず、しかも作用すべき標的細胞に炎症をもたらす効果だけをはたらかせる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
サイトカインって、知ってましたあ?
「あるサイトカインがその場の空気を読み、その場にいる単なる細胞にはたらいて、その場に適した意味ある細胞として活躍させる。そしてつぎのプロセスが展開されていく。仕事を与えられた細胞は、こんどは自分がサイトカインを出し、べつの細胞に意味をもたせる。この展開のしかたはその場、その状況でちがう」
サイトカインって、賢いんですねえ。