じじぃの「カッコウの托卵作戦の真実・タカの鳴き声を真似る?私が答えます」

カッコウ 鳴き声 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UUhQlAU3lXU
カッコウ

宿主の巣に托卵するために雌のカッコウはタカの鳴き声をまねる 2017年9月5日 Nature Research
雌のカッコウはタカをまねることによってヨーロッパヨシキリをかつぐ、という論文が、今週掲載される。
その研究は、ヨシキリの巣に産卵した雌のカッコウが、タカのような鳴き声を発することによってヨシキリの注意をそらし、産み付けたカッコウの卵が気付かれにくくなるようにしていることを明らかにした。 雄のカッコウの鳴き声はなわばりを守る役割を果たすと考えられているが(カッコウの名前のもとになっている有名な「カッコー」という鳴き声は、雄だけが発する)、雌のカッコウの鳴き声(笑い声のような声であることから「チャクル」や「バブル」として知られる)の役割は謎に包まれている。しかし、その声は、ヨシキリの捕食者であるハイタカの鳴き声に似ている。
https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/12154
『「私が、答えます」―動物行動学でギモン解決!』 竹内久美子/著 文藝春秋 2001年発行
カッコウの托卵作戦の真実 より
Q? カッコウに托卵された鳥が、わが子とは似ても似つかぬカッコウのヒナに、自分よりはるかに体が大きくなったあとも、一生懸命エサを与えている。そんなシーンをテレビの動物番組などでよく見ます。バカじゃなろうか、と思います。どうして彼らは、そんな行動をとるのでしょう。本当に我が子だと思っているのでしょうか。(21歳、女)
A!
カッコウに托卵されるのは、オオヨシキリ、モズ、オナガなど、カッコウよりはるかに体の小さい鳥たちです。
カッコウは、その宿主に対し、彼らのサイズにあわせた小さな卵を産みます。しかも色や模様も似せた、そっくりの卵。その卵を彼らの留守を狙い、産み込むのですが、所要時間はたったの10秒。しかもそのとき、宿主の卵をひょいと1つ、2つくわえ取ることを忘れません。
ここまで完璧にやり遂げるわけで、この時点で托卵される鳥をアホと言うことはできないでしょう。でもここから先は、ちょっとアホかもしれません。
     ・
そうこうするうちヒナは”親”を追い越し、はるかに立派な体を発達させます。それでも彼らは、エサを与えることをやめません。やはり、相当なアホなのかも……。
しかし、「単にアホと言うわけにもいかない。これにはちゃんと理由があって……」と動物行動学の分野では考えます。
たとえば、宿主はカッコウのヒナによる「操作」に負けているという説。
カッコウのヒナの口の中には赤い模様があります。これが宿主のヒナのものより、はるかに赤く、大きく、口を開けると強烈な信号が発せられます。宿主はこの「超正常」の刺激に、催眠術にでもかけられたかのような状態になり、ついふらりとエサをやってしまう、というものです。
そういう激しい刺激には反応せず、本当のヒナのものにだけ反応すればいいではないか、という気もしますが、そうもいかないらしいのです。
     ・
私ですか? 宿主がアホだなんて、とんでもない! 私は彼らに、君たち最高! と絶賛の拍手を送りたいくらいです。
そもそも動物の世界でアホに見えること、どんなにバカバカしく思えることがあっても、です。それは本当に意味ではアホではない。遺伝子のコピーを残すという本質においては、アホではないはずです。
なぜなら遺伝子をのコピーを残すという本質においてもアホ、つまり不利なら、まさにそのことによって、そのアホな行動自体が残って来ることはないわけですから。
宿主がカッコウのヒナを育てる。それが、本当の意味でアホなら、そのアホな行動自体が現在、存在しえないじはずなのです。
カッコウを一目見てハッと気づくのは、胸のあたりの白黒のだんだら模様です。ハイタカハヤブサの胸にそっくり。そう言えば目つきも何だか鋭くて、ますます猛禽類っぽい感じです。
つまり、カッコウという鳥のポイントは、見た者が一瞬、猛禽類かと思ってびっくりする、という点にあると思うのです。
猛禽類に似ている、擬態していると、どうなるか。
宿主の卵やヒナを狙っている、イタチやネズミ、ヘビなどの捕食者が恐れをなし、巣の周辺から逃げていくでしょう。カッコウとは道路脇に立つ、警官の人形みたいなものです。ドライバーが、びくっとして思わずスピードを落とす、あれです。

                        • -

どうでもいい、じじぃの日記。
少し古い本だが、竹内久美子著『「私が、答えます」―動物行動学でギモン解決!』に、「カッコウの托卵作戦の真実」が書かれていた。
竹内久美子さんはある本にこんなことを書いていた。
羽生結弦君なんて、あのルックスに、あの超人的なフィギュアスケートのパフォーマンスが加わる。女が、特にいい年こいた女が放っておくはずがありませんよ」
羽生結弦君は、平昌五輪2月17日、フィギュアスケート羽生結弦選手がショートとフリーの合計317点で1位となり、優勝したばかりだ。
「つまり、カッコウという鳥のポイントは、見た者が一瞬、猛禽類かと思ってびっくりする、という点にあると思うのです」
カッコウはタカの鳴き声をまねて、宿主の巣を守っているのかもしれない。
そんな気がしてきた。