じじぃの「ワインの格付け・期待値で変わる味と価値?たまたま」

【芸能人格付けチェック】YOSHIKIが称賛! その不正解ワインとは? 動画 YouTube
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ボルドーワイン (kohda-winehouse.com HPより)

『たまたま―日常に潜む「偶然」を科学す』 レナード・ムロディナウ/著、田中三彦/訳 ダイヤモンド社 2009年発行
ワインの「格付け」はどれほど信頼できるか より
イリアム・ジェームズ[アメリカの著名な哲学者、心理学者]は1890年の著作『心理学原理』の中で、ワインの専門家の能力は、マデイラ・ワインのサンプルがボトルの上の部分からのものか底の部分からのものかを判定できるほどのものだと言った。私は何年もワイン鑑定会に参加してきたが、その中で私は、もし私の左隣の顎髭を生やした御仁が「とびきりの香り」と呟けば、確かに他の者も同調してしまうかもしれないことに気づいてきた。だが、もしそれぞれが誰とも話し合わずメモを書くことにすれば、しばしば、その顎髭の御仁は「とびきりの香り」と書き、頭を剃った御仁は「香りなし」と書き、パーマをかけた金髪のご婦人は「パセリと日焼けしたての肌を思わせる興味深い香り」などと書いたりするはずだ。
理論的な視点からすると、ワインの格付けの意味に疑問を抱く理由はいろいろある。1つには、味の知覚というものは、味覚の刺激と嗅覚の刺激との複雑な相互作用にかかっていること。厳密に言えば、味の感覚は舌の上の5種類の――つまり、塩味、甘み、酸味、苦み、うま味の――レセプター細胞から生まれる。最後のうま味は、ある種のアミノ酸化合物(たとえば、醤油に豊富に含まれている)に対する反応だ。
だが、もし味の知覚がそれですべてということなら、お気に入りのステーキであれ、焼きジャガイモであれ、アップルパイであれ、美味しいスパゲティ・ボロネーゼであれ、全てを食卓塩と砂糖と酢とキニーネグルタミン酸ナトリウムを使いだけで真似ることが可能だ。幸いなことに、飲馬食にはそれ以上のものがあり、またそこが臭いの感覚が絡んでくるところだ。臭いの感覚があるから、2つの同じ砂糖水の溶液のうちの1つに、(シュガーフリーの)イチゴのエッセンスを加えると、それはもう一方より甘い味がするのだ。
知覚されるワインの味は、600から800種の揮発性の有機化合物が混じり合ったものが、舌と鼻に与える作用から生じる。そしてそこのところが問題の1つだ。というのも、訓練を積んだプロの味利きでも、ある混合物中に含まれる3、4種の化合物でさえ、なかなか確信を持って識別できないことが研究によってわかっているからだ。
期待感も味の知覚に影響する。1963年、3人の研究者が、ロゼの赤を出すために、白ワインにこっそりと少量の食用紅を加えた。それから彼らはそのワインの甘さを無着色のワインと比べて評価するよう、ワイン鑑定人のグループに求めた。鑑定人らは、おのれの期待感にしたがい、白ワインよりもその偽のロゼを甘いと認めた。また別の研究者は、ぶどう酒醸造学を学んでいる学生グループにワインのサンプルを2つ差し出した。両サンプルとも中身は同一の白ワインだったが、それらの1つには、外見を赤ワインに変える無味でブドウ色のアントシアニン染料が加えられていた。そしてその学生たちも、自身の期待感から生まれる赤ワインと白ワインの差を知覚した。
また2008年のある研究では、意地の悪い研究者が前持って同じワインを詰めていたにもかかわらず、5本のワインを格付けするように求められたボランティアの被験者たちは、10ドルのラベルが貼られたボトルより90ドルのラベルが貼られたボトルを上に格付けした。さらに、この試験は被験者の脳をMRI[核磁気共鳴画像化技術]で画像化しながら行われた。そして得られた画像から、被験者自身が高価であると思っているワインを飲むと、快の経験を暗号化すると考えられいる脳の部位が、実際より強く活性化されることが明らかになった。

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どうでもいい、じじぃの日記。
嗅覚は、人間が持っている五感の中で唯一直接的に脳に繋がっている感覚器官らしい。
一説には、原始的な器官であるがゆえに、男女間の好き嫌いに大きく関係しているのだとか。
人に好かれないのは、嗅覚が発達していないからかもしれない。
でも私の場合は、1つにしぼられないでいます。