じじぃの「科学・芸術_341_日本のタブー・抗がん剤」

抗がん剤治療 75歳以上に延命効果少ない可能性(17/04/28) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WXdUbAkhpd8
 抗がん剤 (sharetube.jp HPより)

人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か 2016年8月4日 NHK NEWS WEB
東京大学医科学研究所の附属病院は、アメリカの大手IT企業IBMなどと協同で、人工知能を備えたコンピューターシステム「ワトソン」に2000万件に上るがん研究の論文を学習させ、診断が極めて難しく治療法も多岐にわたる白血病などのがん患者の診断に役立てる臨床研究を進めています。
このうち60代の女性患者は当初、医師から「急性骨髄性白血病」と診断されこの白血病に効果がある2種類の抗がん剤の治療を数ヵ月間、受けましたが、意識障害を起こすなど容体が悪化し、その原因も分かりませんでした。このため、女性患者の1500に上る遺伝子の変化のデータを人工知能に入力し分析したところ、人工知能は10分ほどで女性が「二次性白血病」という別のがんにかかっていることを見抜き、抗がん剤の種類を変えるよう提案したということです。女性は、治療が遅れれば、免疫不全による敗血症などで死亡していたおそれもありましたが、人工知能が病気を見抜いた結果命を救われ、無事退院しました。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/250456.html
『言ってはならない 日本のタブー100』 西岡研介, 森功, 伊藤博敏, 鈴木智彦ほか 宝島社 2017年発行
日本のタブー 抗がん剤 【執筆者】一条しげる より
今月4月27日、政府と国立がん研究センターが高齢のがん患者の抗がん剤治療に「延命効果が少ない可能性がある」という衝撃的な調査結果を明らかにした。70歳以上の高齢者約1500人を対象に、抗がん剤治療を受ける患者と、痛みを和(やわ)らげる「緩和治療」中心の患者に分けて調査したところ、生存期間(受診から死亡までの期間)がほぼ変わらないことがわかったというのだ。
改善されているとはいえ、抗がん剤の副作用は人によっては大変な苦痛をともなう。この調査が事実なら、必要のない苦痛を被って、人生を終えるがん患者が多いということを意味する。
実は「抗がん剤は苦しみや痛みを招くだけで効果はない」という指摘は古くからある。
たとえば、1988年NCI(アメリカ国立がん研究所)が、15万人の抗がん剤治療を受けた患者を調べた結果、回復するどころかむしろ悪化させたと断定。日本でも「がんもどき理論」で知られる近藤誠医師が「抗がん剤不要」を訴えている。近藤氏は抗がん剤が有効なのは、急性白血病悪性リンパ腫のような血液がんなど数種で、胃がん、肺がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんのような患者数の多い固形がんには効かないと主張している。
そう聞くと、トンデモ話のような印象を受けるかもしれないが、近藤氏のように声を大にして言わないだけで、医療関係者のなかには抗がん剤に対して根強い不信感を持つ人は多い。
大学病院でがん治療を行っている医師は、「抗がん剤が副作用で苦しむわりにベネフィット(効果)が小さいことなどは医師ならば常識。それでも患者さんに推奨しなくてはいけないのは、疾患領域の学会が定めたガイドラインにそう書いてあるから」という本音を漏らした。
また、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)がかつて「がん専門医」にアンケートをとったところ、約80%の医師が「自分ががんになっても、抗がん剤治療は受けない」と答えたという調査結果もある。
では、なぜ医師たちでさえも半信半疑の抗がん剤の本当の「効果」がもっと叫ばれないのか。
それは抗がん剤が製薬会社に莫大な利益を生み出し、世界的に「がん産業」の成長の原動力となっているからだ。国内抗がん剤市場も右肩上がりで成長を続けており、2023年には1.5兆円に達するという試算がある。本当の「効果」を説明しても医療界が得をしないのだ。