じじぃの「科学・芸術_339_寝る子は育つ」

ジェフ・イリフ:よく眠る事が大切なもう一つの理由 動画 TED
https://www.ted.com/talks/jeff_iliff_one_more_reason_to_get_a_good_night_s_sleep/transcript?language=ja
寝る子は育つ

睡眠不足に注意! 脳の老廃物掃除は夜勤体制 2016/11/29 日経ナショナル ジオグラフィック社
数年前、最も権威ある科学誌の1つである「サイエンス」に、睡眠研究に携わる人々をうならせた1つの論文が掲載された。それが今回のテーマである「睡眠中の脳内清掃システム」である。米国ロチェスター大学メディカルセンターの研究チームは、神経細胞へダメージを与えず3次元撮影や液体の流れが観察できる最新の顕微鏡(2光子励起顕微鏡)を用いて、それまで知られていなかった脳内の老廃物を流し出す一種の排水システムを明らかにしたのだ。
アルツハイマー病はアミロイドβと呼ばれるタンパク質の異常な蓄積が原因の1つであるが、神経細胞内からアミロイドβを排出する際にもオートファジーは深く関わっていることが明らかになっている。最近ではアルツハイマー病以外にも、オートファジーの機能異常がパーキンソン病など幾つもの神経変性疾患の発症に関わっているのではないかと疑われている。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO0928249008112016000000
『「雑学」に強くなる本―読んでびっくり!知って得する!』 A・レオクム/著、竹内均/訳 三笠書房 1998年発行
「寝る子は育つ」には立派な根拠がある! より
人間の体を”機械”と考えると、ほかの機械に比べて1つの大きな弱点を持っている。普通の機械は24時間休みなく働くことができる。ところが人間の機械は、一定の間隔をおいて、体の疲れた器官と組織に活力を取り戻し、修理し、日中に蓄積された老廃物を除去しなければならない。これは、睡眠中に行われる。
また、病気に対する免疫や治癒力も睡眠中に形成される。これが睡眠が単なる休息と決定的に違う積極的、建設的な側面である。眠らない病人より眠る病人のほうが回復が早いのもこのためである。
また、昔からよく「寝る子は育つ」といわれてきた。これにも実は科学的根拠があるのだ。なぜなら子どもの頃、成長ホルモンはもっぱら睡眠中に分泌されるされるからである。
体が眠りに入ると、すべての動きはゆっくりになる。代謝量は最低になり、血圧は下がる。脈拍もゆっくりになる。呼吸も遅くなり、体温さえ少し下がる。
つまり、体は”生き続ける”ために睡眠を必要としているのだ。だが、いったいどのくらい眠れば十分なのだろうか。驚くことに、それは人によって、あるいは環境によって違うのである。
もちろん、赤ん坊は大人よりたくさん眠らなければならない。大きくなるに従って、だんだん睡眠時間は短くてすむようになる。
大事なことは、起きたときに十分休息してリフレッシュしたと感じられるくらいの睡眠量をとることだ。一般的にいって、仕事が順調に進んでいるときは、少ない睡眠量でもリフレッシュできる。
ナポレオンの例を出すまでもなく、世の中には4時間寝れば十分だという人もいるが、たいていの人はそれでは足りない。
なかには睡眠時間の長い人もいて、10時間以上は寝ないとダメどという人もいる。
ドイツの偉大な哲学者カントは、いくらでも寝られる人だったので、7時間眠ったら無理にでも寝床から引っ張り出すように召使いにいいつけていた。そうしないと際限なく眠っていたからだ。
ところで、わずか15分か30分ほどの短い眠りでも、長い眠りよりずっと休養になることもある。それが深い眠りであれば、短くてもわれわれの体は休まり、本当に眠れるからだ。そのためには、寝具に気を配ることも重要である。寝返りのうちやすい少し硬めの敷き布団と、体に負荷をかけすぎない軽めの掛け布団が理想である。