じじぃの「老衰・ロウソク・やがて消えゆく我が身なれど!カラダの知恵」

消えゆくロウソク 動画 YuTube
https://www.youtube.com/watch?v=z6IWxgSNuGw
ロウソクの炎が尽きるように

『カラダの知恵 - 細胞たちのコミュニケーション』 三村芳和/著 中公新書 2017年発行
重要なコトバのアラカルト エネルギー より
冬の夜。凍(い)てつく空気がすべての音をもち去り、白い魔人が漆黒のなかへ息を吐きつづける。キラキラと細かい光が放たれ、真っ白い闇をつくる。やおら蝋燭(ろうそく)を灯す。小さな赤い炎が水に浮かんだように揺れ、パリパリとした空虚で魂のぬけた空間に一気に生気が宿る。炎にはそんな力がある。蝋がしたたり落ちてなくなるまで、ロウソクは生命(いのち)のように燃えつづける。
1400℃に達する炎も蓋をしてしまえば、たちまちのうちに消える。フッと息を勢いよく吹きかけても消えてしまう。大気中の酸素の供給が途絶えるからだ。人もおなじだ。酸素がなくなれば死んでしまう。生きているあいだ。蝋が燃えて熱を出すように食物をカラダのなかで酸素をつかって燃やしてはエネルギーをとり出している。生物はそうした燃焼工場となる発電所をカラダの内部にもっている。生命活動にもかかわるエネルギーとはそもそもどのようなものだろうか。
細胞たちの指さし確認 蛋白質分解 より
人はどうやって永遠に帰らぬ旅に出るのだろう。事故にあうこともなく、ましてがんや生活習慣病などの持病をもたない人はどうやって死んでいくのだろう。縁者が見守る、まるで氷が詰まった冷たい空気のなかをロウソクの炎が尽きるように、いつしかソーッと消え、煙となって去っていく。「お見送り」の瞬間に、さっきまでたどたどしくも鼓動していた生命体が魂のぬけた、青白く塗られた彫像となる。まるで潮が引く自然現象のように、そんな臨終に立ち会うことがある。呼吸がゆっくりと止まるだけでなく、心臓も腎臓も肝臓もカラダのすべてが申し合わせたかのように緩やかな坂をソロリソロリと下りて向こう側へ逝く。そうした死を見ると死亡診断書の死因欄に「老衰」以外の適切な文字は浮かばない。
老衰は医学的に要介護1〜2に相当する。「虚弱(frailty)」の終着である。虚弱は筋力、歩行速度、活動レベル、持久力、そして体重のいずれかの低下が3つ以上ある場合に当てはまる。
     ・
カラダは毎日、約180グラムの蛋白質をつくるが、食べ物から摂取する蛋白質はせいぜい多くても70グラムくらいしかない。しかも尿や便からも約70グラムが失われる。とすると、蛋白質をつくるための材料はどこからくるのだろう。計算が合わない。結局、カラダは蛋白質を使いまわししているのだ。蛋白質を壊してアミノ酸にして、それを使って新しい蛋白質をつくっている。

                                • -

どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
人はどうやって永遠に帰らぬ旅に出るのだろう。
「カラダは毎日、約180グラムの蛋白質をつくるが、食べ物から摂取する蛋白質はせいぜい多くても70グラムくらいしかない。しかも尿や便からも約70グラムが失われる」
体のなかで、蛋白質を再生産しているのだそうだ。
ということは、再生産する力を失ったときが、本来の「死」なのだろうか。