じじぃの「科学・芸術_329_利己的遺伝子」

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利己的な遺伝子 感想 リチャード・ドーキンス 2017/10/31 読書メーター
●感想・レビュー
自然淘汰が起こるレベルは、種・群・個体ではなく遺伝子だとし、生命の起源の自己複製子まで遡る。生物は「利己的な遺伝子」の「乗り物」であり、生存機械なのだ。
ゲーム理論を通じて、個体間・世代間・雌雄間の争いと利他的行為を遺伝子の取り得る「戦略」で解き明かしてゆく過程は興奮する。素晴らしい知的着想に溢れた宝箱のような書物だ。とりわけ興味深いのは、脳の発達をコンピュータのプログラムの比喩で語るパート。世界をシミュレーションする脳が己の身体を振り返ったときに意識が生まれたのかもしれない。
https://bookmeter.com/books/525144
『「雑学」に強くなる本―読んでびっくり!知って得する!』 A・レオクム/著、竹内均/訳 三笠書房 1998年発行
「利己的遺伝子」とはどんな遺伝子なの!? より
地球上にどのくらいの数の生命が存在するかは想像もつかないが、そのすべてが増殖し、さらに数を増やそうとしているのは間違いない。人間もその例外ではない。そして、それら生命の根源にはDNAがあり、生命が増殖するとは、すなわちDNAが増殖することにほかならない。あるいは、DNAの命ずるところ、すべての生命は自己増殖の道をひた走っているともいえる。
こうした観点から、ダーウイン流の自然淘汰説に代わる新しい進化論を唱えたのは、イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンス博士である。それは「利己的遺伝子」説という。
その根本にあるのは、生命はDNAの乗り物にすぎないとするアイデアである。すべての生命はDNAに利用されている。自然淘汰も、弱肉強食も、すべてDNAが、より安全な乗り物を選択するための手段にすぎないという。
動物のオスが派手で立派なのは、より多くのメスを引きつけて子孫を残すための、人間の男が浮気っぽいのも、より多くの子孫を残すための、それぞれDNAの指令である。
チーターの足が速いのも、トラの牙や爪が鋭いのも、ニワトリのトサカが赤いのも、すべて自分の利益のみを追求する「利己的遺伝子」のためなのである。
しかし、これだけの話なら、これまでの種の法則や本能といわれてきたものをDNAに置き換えただけとしか思えない。
この説が評価されているのは、実は、DNAは自らが生き延び、増殖するためには乗り物を平気で犠牲にする存在であるという点にある。
もし乗り物がなくなってしまうようなことがあれば、DNAも絶滅するから、DNAとしてはその前に手を打たなければならない。そこで、乗っている生命が死滅してもDNA自身は生き残りをはかる。DNAとはそんな利己的な遺伝子にほかならない。
一例を挙げると、溺れている子どもを前にした人は、必ずわが身をなげうって救おうとする。これはDNAが優秀な乗り物を存続させようとするからであり、多くの大人が戦争、災害から子どもを守ろうとするのも、この観点から説明できるという。
強引な論法のようだが、説得力はある。