じじぃの「科学・芸術_293_中国人の優越意識」

四大文明中国文明 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=obNjYyVct5c
習近平の「中国夢」の二つの危険性 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=a-2obhuInJE
IQの高い国ランキングwikimedia より)

靖康の変 ウィキペディアWikipedia) より
靖康の変は、1126年、宋(北宋)が、女真族(後世の満州族の前身)を支配層に戴く金に敗れて、中国史上において政治的中心地であった華北を失った事件。靖康は当時の宋の年号である。
金は徽宗・欽宗以下の皇族と官僚など、数千人を捕らえて北方へ連行した(この出来事を「二帝北行」という)。彼らはそこで悲惨な自活の虜囚生活を送り、異郷の地に骨を埋めることとなったのである。また、同じくこの事件で宋室の皇女たち(4歳から28歳)全員が連行され、金の皇帝・皇族・将兵らの妻妾にされるか、官設妓楼「洗衣院」に入れられて娼婦となった。

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『逆説の世界史 1 古代エジプト中華帝国の興廃』 井沢元彦/著 小学館 2014年発行
中国文明の力量と停滞 より
中国と同じ東アジアにある韓国、北朝鮮あるいは中華民国(台湾)といった国家について、中国の朱子学儒教の影響を語ってきた。
では、もう1つの東アジアの国家日本についても朱子学の影響は存在したのか、を語らねばならない。
まず簡単に結論を言ってしまえば、「強い影響は受けたが、それを改変して独自の文明圏を築いた」というところだろうか。例えば、これまでの分析によって、読者は共産主義こっかである中国および北朝鮮、そして資本主義国家である韓国および台湾のどちらも、現在でもファミリー汚職が盛んに行われれおり、その共通性は朱子学に原因があることを理解していただいたと思う。
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朱子学(Cheng-Zhu school)は哲学だと中国人は主張する。つまり宗教ではないという意味だ。しかし、実際は極めて強烈な宗教であることを、これまでの記述で読者は納得していただけたと思う。
まず、あらゆる道徳の中で親に対する忠節である「孝」を極端に重んじること。そして、人間を朱子学を身につけているかいないかで厳しく峻別する身分制度を生むこと。また、王者の条件を「徳」の有無によって決定するから王朝交代を可能とする副作用もある。
「孝」を重んじるという特質は、朱子学以前の儒教から重要視されていたが、儒教の祖である孔子(BC552?〜479年)は身分制度について朱子(または朱熹 1130〜1200年)よりはるかに寛容であった。人間には優れた人間と劣った人間がいることは認めていたが、それを身分制度で固定しようという発想は孔子にはなかった。
もう1つ、孔子になく朱子学以後の儒教に明確にあるのが、独善性と排他性だ。これが中国こそ世界一で他に国は無いという、古来から存在した独善的な中華思想を、より強める結果になった。なぜそうなったかは、既に詳しく述べたところだが、やはり靖康(せいこう)の変(1126年)の影響が極めて大きいと思う。今の中国人はこの「変」のことを意識していない人がほとんどだ。知識人でもよほど歴史に詳しい人でない限り、この「変」のことは忘れている。
しかし、私のように中国全体を外から見た人間が、かつて人類文明の最先端を進み、中華思想はあったものの周辺の民族には寛容であった中国人が、なぜ進取の気性を失い他民族に対して極めて排他的な考えを持つようになったのか、その淵源を辿っていくと、この靖康に突き当たるのである。

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中華思想の嘘と罠―中国の正体を見る』 黄文雄/著 PHP研究所 1997年発行
世界の中心・中国 より
「中国人は世界でもっとも頭のよい民族」「中国人の聡明才智は世界一」というのが、中国人の間でよく語られる自慢話の1つである。私は「中国人は愚民」という説に立ち、よく中国の文化人と激論を交わしたことがある。だが、中国人が世界でもっとも優秀な民族という説についてだけは、中国人の誰であろうと絶対譲らなかった。
中国系アメリカ人がノーベル賞をとるたびに華字系マスコミはきまって大騒ぎをして、「これは中華民族の優秀さの証明であり、中国人が世界でもっとも頭のよい民族であることが実証された」とくりかえし書き立てる。
しかも孔子老子孫子からはじまる偉大な歴史的人物を引き合いに出し、中国人の偉大さ、優秀さを何度もくりかえして証明にこれつとめる。歴史的人物だけで物足りなくなると、「シンガポールリー・クアンユーも、フィリピンのアキノ大統領も中国人」と書き立てる。
それだけではない。羽田孜氏が総理大臣になったとき、中国系の新聞雑誌は「そもそも羽田氏の祖先の姓は秦である。だから彼は中国人の子孫だ。中国人はついに日本の総理になった」とまでこじつけ、鬼の首でもとったように喜び、酔いしれた。
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中国人の優越意識の中で、きわめて特殊的なのは次の2点である。現代の世の中にあるいかなる発見や発明も、古代中国には、すでにあった、あるいはその根源は中国からきた。中国人がいなかったら、今日のような世の中はなかったと、中国知識人が主張をくりかえしてきた。
たとえば、ルネサンス時代の四大発明といわれる、紙、火薬、印刷技術、羅針盤について、中国人の主張によれば、それはすべて中国人の発明である。ことに羅針盤について、はるか5千年前に中国開国の祖黄帝が蚩尤(しゆう)との闘いで、濃霧を吹く蚩尤の妖術に対抗するために開発した指南針が最初である。紙も漢の時代の蔡倫(さいりん)が発明したとか。
以上の四大発明云々とは、どの古代文明国家にも、それを開発、あるいは古代文明圏の間の文物交流の中で、創出あるいは改良されてきたものであり、中国人がいなければ近代西洋文明はないというような理論的飛躍にまでこぎつけられるものではない。
もし中国人が羅針盤を発明しなかったら、近代の航海技術がなく、大航海時代もなく、アメリカ新大陸の発見もなく、今日のアメリカという国家も生まれてこない。もし、多少でも古代フェニキア人やカルタゴ人、あるいは航海民族であるポリネシア人の航海技術についての知識をもてば、さぞかし恥しく感じるだろう。
もし中国人の紙や印刷技術の発明がなければ、今日のような世界著作権問題もないとか、もし中国人の火薬の発明がなかったら、近代西洋の巨砲大艦もない。西洋列強の中国侵略は、すべて中国人が古代に発明した科学技術を利用し、中国を分割したとか、近代中国の貧窮落後は、すべて西洋列強の侵略のせいとか、近代資本主義が成り立ったのは、中国から搾取した銀のお陰だとか、それはすべて理論的飛躍で、中国人社会にしか通用しない理論である。
欧米日先進諸国が著作権の侵害に対し、中国政府に抗議や取り締まりを要求するのは、最近の中国企業の盗作やコピーがあまりにも跋扈し、盗作国家になったからである。
古代中国人は、爆竹を発明し、あるいは中国人が自慢しているとおり、5百年前の明の時代にすでに「有人宇宙ロケット」を実験したかもしれない。しかし、古代中国人の爆竹開発と、今日の宇宙ロケットとはまったく次元のちがう話で、そこには、知的財産権の問題はまったく存在していないはずだ。
アメリカ政府が「スーパー301条」の発動をほのめかすのに対して、中国政府はすでに各分野の科学者からなる巨大な調査団をつくり、アメリカに送って、中国の四大発明に対する知的財産権の侵害を徹底調査云々の話は、世界の失笑を買うことこそあれ、アメリカ政府に対する牽制にはならないことを知るべきである。