じじぃの「科学・芸術_271_古代メソポタミア文学『ギルガメシュ叙事詩』」

The epic of Gilgamesh - Anime Style 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=M7ZRg3ER1ho
Gilgame's en Enkidu

大洪水時代Ⅱ〜ギルガメシュ叙事詩
このギルガメシュ叙事詩の舞台となったのがシュメールだ。紀元前3500年頃、メソポタミアで興った地球最古の都市文明である。ここで、「都市」とことわりがつくのは、「村」ならもっと古いものがあるから。アナトリア高原で見つかった「チャタル ヒュユク」だ。時代はなんと、紀元前8000年。灌漑農耕が行われ、小麦や大麦が栽培されていたという。この頃、古代エジプトでも農耕が始まったが、ナイル川の氾濫にまかせた天水農耕。人工的な灌漑農耕なら、たぶん、チャタルヒュユクが一番古い。
「地球最古の洪水伝説=ノアの方舟
が通説だった。ところが、それをひっくり返したのが「ギルガメシュ叙事詩」。しかも、その発見にいたる歴史は、小説や映画ようにドラマチックだ。
http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-143.htm
『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
神々だけが永遠に日のあたる場所にとどまろ 『ギルガメシュ叙事詩』(紀元前2100年以降) より
文学による表記は、青銅器時代(紀元前3300年ごろ〜1200年)の初期にメソポタミアで誕生した。楔形文字は、もともと商取引を記録する方法として考え出されたもので、数字から表音文字へと発達し、シュメール語やアッカド語を書き記す手段となった。
1853年にアッシリアの考古学者ホルムズド・ラッサムが発見した粘土板の断片には、ウルクの伝説の王ギルガメシュの物語が刻まれていた。これは文字で書かれた最古の文学のひとつで、歴史と神話が混じり合った形で口承されてきたと考えられる。
集められた物語からわかるとおり、『ギルガメシュ叙事詩』には、メソポタミアの都市ウルクの暴君が教訓を得て、その地の英雄となるまでが描かれている。傲慢なギルガメシュを戒めるために、神々は粘土で作った「野人」エンキドゥを送りこむが、ふたりは争いを経て友人となり、怪物退治の冒険緒旅に乗り出す。こうした展開に腹を立てた神々はエンキドゥに死を宣告する。ギルガメシュは友を失って打ちひしがれるが、同時に自身も死を免れぬ存在であることに気づく。物語の後半には、ギルガメシュが永遠の秘密を探し求め、その後――永遠の命は得られなかったが、以前よりも賢い人間、そして気高い統治者となって――ウルクへ帰還するまでが描かれている。