じじぃの「ニューロンのなかの微小管・意識の量子論?フューチャー・マインド」

量子もつれと意識 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=pS6P0FyW7mE
量子もつれと意識

モーガン・フリーマン 時空を超えて 「第2回 死後の世界はあるのか?」 2015年3月28日 NHK Eテレ
7日間生死をさまよった経験がある科学者がその時にみた夢を分析。「ミミズの目線で世界をみているようだった」という光景は何を意味するのか?
脳神経学的、物理学的に「死」や「魂」を考える。科学者らは死後の世界を解明してくれるのか?
果たして真実は? あなたはどう考える?
http://www4.nhk.or.jp/P3452/
『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
意識の量子論 より
脳スキャンやハイテクが脅威的な進歩を遂げていても、一部の人は、意識はわれわれの貧弱な技術では手に負えないものだから、意識の秘密を明らかにすることはできない、と主張している。それどころか、彼らの考えでは、意識は原子や分子、ニューロンよりも基本的なもので、現実そのものの状態を決定する。そうした人にとって、意識とは、物質世界を作り出す基本的な存在なのだ。そして自分たちの主張を証明するために、彼らは、現実の定義そのものに挑みかかる、科学における最大級のパラドックスを引き合いに出す。それが「シュレーディンガーの猫」というパラドックスだ。今日でも、この問題にかんして完全な意見の一致は見られず、ノーベル賞受賞者の態度も分かれている。ここで問われているのは、現実と志向の本質にほかならない。
シュレーディンガーの猫」のパラドックスは、量子力学のまさに根幹に切り込むものだ。量子力学という分野は、レーザー、MRI、ラジオ、テレビ、電大のエレクトロニクス、GPS、遠距離通信を可能にしており、いまや、世界経済はこれに頼っている。量子論の予測の多くが、1000億分の1の精度で検証されてきた、
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ティーブン・ジョイ・グールドが語った思考実験に話を戻そう。彼は私にこう言った。45億年ほど前に誕生したばかりの地球に思い浮かべ、どうにかしてその地球とそっくり同じコピーが作れるとして、それを進化させてみよう。45億年後、この別の地球にもわれわれはいるだろうか?
容易に想像がつくように、量子論的効果や天候・海洋のカオス理論的な性質のせいで、その人類は、この地球にいるタイプとまったく同じ生物に進化することはあるまい。すると結局のところ、不確定性とカオスがあいまって、完全に決定論的な世界はありえなくなっているようだ。
この議論は、脳のリバースエンジニアリング(逆行工学)にも影響を及ぼす。もしもリバースエンジニアリングによってトランジスタでできた脳を作ることに成功したら、できあがった脳は決定論的で予測可能なものということになる。どんな質問であれ、その脳は、同じ質問には毎度まったく同じ答えを返す。コンピュータはそのように毎度同じ答えを出すから、やはり決定論的である。
すると、どうやらここに問題があるらしい。一方では、量子力学とカオス理論から、宇宙は予測可能ではなく、それゆえ自由意思は存在すると考えられる。しかし他方、リバースエンジニアリングによってトランジスタでできた脳は、当然予測可能になる。リバースエンジニアリングで再現された脳は、理論上は生体の脳とそっくり同じなので、人間の脳も決定論的で、自由意思は存在しないことになる。明らかにこのふたつの議論は矛盾する。
量子論のせいで、真に脳をリバースエンジニアリングすることはできないし、本当に思考できる機械を作ることなどできない、と訴える科学者も少数だがいる。彼らによれば、脳は量子論的な装置であり、単なるトランジスタの集まりではない。だから、この計画は失敗する運命にあるという。この陣営には、オックスフォード大学の物理学者ロジャー・ペンローズ博士もいる。アインシュタインが提唱した相対性理論の権威である彼は、量子論的プロセスによって人間の脳の意識を説明できるのではないかと主張している。ペンローズはまず、数学者のクルト・ゲーデルは算術が不完全であることを証明したと言った。つまり、算術の公理では証明できないのに「真」であるような命題が、算術体系のなかにあることを証明したのだと、数学だけでなく物理学も不完全である。そして、もとより脳は量子論的な機械装置であり、ゲーデル不完全性定理のせいでどんな機械でも解決できない問題がある、とペンローズは結論づけている。それでも人間は、そうした難問を直感で解決できる。
また、リバースエンジニアリングで再現された脳は、いかに複雑でも、やはりトランジスタと導線の集まりだ。こうした決定論的な系では、運動の法則がよくわかっているので、未来の振る舞いを正確に予測できる。ところが量子論的な系では、系は本質的に予測できない。不確定性原理のために、計算できるのは、あることが起きる確率だけになる。
リバースエンジニアリングで再現された脳が人間の行動を再現できないとわかれば、科学者は予測不可能な力(つまり脳内の量子論的効果)が存在することをみとめざるをえないだろう。ペンローズいわく、ニューロンのなかには微小管という小さな構造体があり、そこでは量子論的プロセスが支配しているという。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2016年5月20日 NHK Eテレ モーガンフリーマン 時空を超えて 「臨死体験〜死後の世界はあるのか?」を観た。
「意識」について量子論の立場からロジャー・ペンローズ博士と一緒に研究しているアリゾナ大学のスチュアート・ハメロフ博士です。
ハメロフ博士は脳の「微小管(マイクロチューブル)」という細胞骨格の1つが、分子レベルの情報を保持する「量子コンピューター」であるといいます。
そのメカニズムとして、素粒子の奇妙な性質として知られる「量子もつれ」が脳の微小管の構成要素の「チューブリン」で起こるといいます。
ニューロン同士は直接接触していなくても影響を及ぼし合います。
生きているときの意識を構成する量子情報が死んだとき、脳の外部に拡散して宇宙のなかでも存在する。これが魂かもしれないというのです。
意識は脳内だけの生理的現象なのか、それとも、脳という枠を超えた「量子もつれ」を経て情報を伝えているのだろうか。