じじぃの「科学・芸術_248_働かざる者食うべからず」

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The Ant and the Grasshopper

年収数千億円のヘッジファンド・マネジャー9名の素顔 富裕層のNo.1投資戦略
今まで語ってきたヘッジファンド、その運用者であるヘッジファンド・マネジャーの素顔を見てみよう。資産が数千億円ではなく、年収が数千億円。
間違いなく現代の資本主義社会の成功者たちである。彼らが何を考えているか、どのような経歴なのか、そしてどのように投資手法で富を築いてきたのか、個別に見ていく。
http://sogohorei-books-wealthinvest.com/chapter3/section2
イソップ寓話の経済倫理学―人間と集団をめぐる思考のヒント』 竹内 靖雄/著 PHP文庫 1995年発行
アリとキリギリス より
  アリは夏中働いて冬の間の食べ物をせっせと蓄えていた。キリギリスは夏中楽しげに歌って過ごした。
  冬になって、食べる物がなくなったキリギリスは、「仕方ない、そろそろ仕事をしなければ」と言ってコンサートを開いた。するとアリがため込んだ食べ物をもって、コンサートを聴きにきた。
                             (*)
◇もとの話はイソップにあってよく知られている。そこでは、冬になって困るのはキリギリスではなくてセミになっている。そしてものの話では、夏の間働かずに歌い暮らしていたセミが、冬になってアリのところにやってきて食べ物を恵んでくれと頼んだが、アリはにべもなく断る。「自業自得」というのがその教訓である。
◇市場社会では、このアリとキリギリスの問題についてはるかに合理的な解決法があって、それがこの話に示されたような形になる。ここには慈悲もお涙頂戴もなく、健全なビジネスがあり、すべては「交換」の原理にしたがって市場で解決されるのである。歌が特異なセミ(キリギリス)はそれを商売にしてカネを稼ぐことを考えればよいし、消費者であるアリは働いて稼いだカネをその歌を楽しむことに使えばよい。これで話はめでたしめでたしとなる。
老人法 より
 ケオス島の法律では、老衰のため頭も鈍り、国の役に立つこともできなくなったと自覚したものは、一ヵ所に集まり、冠をかぶった上、毒人参を飲んで死ぬことになっていた。
 サルディニアの法律によると、父親が老齢に達すると、子供たちが棍棒で叩き殺して埋葬するとこになっていた。ここでは老耄して粗相ばかりするような年になってもなお生きているのは恥さらしだとされていたのである。
                             (ギリシャ奇談集)
◇これは古代における老人問題解決法の話である。その解決法とは、深沢七郎の『楢山節考』の老親を山に捨てる話と同じく、「棄老」であるが、そのやり方はすさまじい。
◇この老人法が行われていた国では、老人を無用のもの、負担になるだけのもの、と見ていたようである。この見方はある意味で現代社会と共通している。昔の社会では、それだからこそ老人を処分しようとしたのに対して、今日では、それにもかかわらず社会、国家が老人の面倒を見なければならないと考えられているのである。いずれも「敬老」型の社会ではないことに注意すべきだろう。
◇なお、サルディニアでは怠惰は罪とされていた。働かないでぶらぶらして生きていると裁判にかけられ、何をして食べているのかを説明しなければならなかった。余計なお世話だとも思われるが、古代社会や共同体の社会では、個人が自力で勝手に生きることは原則としてありえないことと考えられていたから、プライバシーといったものはおよそ考えられなかったのである。