じじぃの「意識の量を測る・人間は神になれるのか?時空を超えて」

モーガン・フリーマン 時空を超えて「人間は神になれるのか?」 20170803 NHK教育 動画 newskei.com
http://newskei.com/?p=108764
デイヴィッド・チャーマーズ:あなたは意識をどう説明しますか? 動画 ted.com
https://www.ted.com/talks/david_chalmers_how_do_you_explain_consciousness?language=ja#t-802395
意識の量を測る?

時空を超えて 「人間は神になれるのか?」 2017年8月3日 NHK Eテレ
【案内人】モーガン・フリーマン
科学技術の進歩に伴って、人間はこれまで数多くの能力を獲得してきた。このまま更に科学の革新が進んだ場合、人間は神のような全知全能の力をもった存在になりうるのだろうか?
例えば、未来を予知する能力を獲得したり、光の速さで物を動かすことができるようになったりするのか? 新しい生物を作り出す可能性はどうだろうか…? さまざまな能力を獲得することで、今以上に多くの社会問題を解決することも可能になるのか?
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3452/1988030/index.html
8月3日 NHK Eテレ モーガン・フリーマン 時空を超えて 「人間は神になれるのか?」 より
人類は立ち止まることなく、前進し続けてきました。
まず、火を手なずけ、そしてスペースシャトルを打ち上げ、今では時空の秘密まで迫るほどです。
科学技術の進歩は、人類の途方もない考えを現実のものにしようとしています。
いずれ、未来を予知できるようになり、物体を光の速度で動かせるようになるかもしれません。
このまま、さらに万能な力を使えるようになったとしたら、人間は神になれるのでしょうか?
『聖書』によれば、神は人間を自由な意志をもった生き物として造り上げました。
では、人間が造り出した生命体も意識や魂を持つことになるのでしょうか? ほとんどの科学者は意識を捉えどころのないもの、人工的には作り出せないものだと考えています。
しかし、ウィスコンシン大学神経学者メラニ・ボーリー(女性)は意識がそこまで謎めいたものだとは考えていません。
それどころか、数学的に捉えることが可能だといいます。
ボーリー、「私たちは意識の量を測ろうとしています。あるシステムの中にどれだけの意識が存在しているかを、量で表すことです」
意識を理解する1つの手段は意識が働いていない状態を調べることです。例えば、損傷を受けた脳は重要な手がかりになります。
大脳皮質に大きな損傷を受けた場合、心臓や肺といった器官は機能し続けるかもしれませんが、意識は違います。
一方、小脳だけに損傷を受けた場合、患者の意識はしっかりしています。ニューロンの数は小脳の方が多いが、意識に関しては重要な役割を持っていないようです。
ボーリー、「大脳皮質と小脳の違いがなぜ生じるのか。ニューロンの数によるものでないことは明らかです。違いの原因はさまざまな領域がネットワークを作って活動しているからです。ニューロン一つ一つを電球だと思ってください。それぞれの電球に個別のスィッチが付いているとしたらどうでしょうか。この電球のスィッチを入れてもシステムの他の部分には影響しません」
ボーリーは意識は大脳皮質で生じると考えています。意識を生むニューロンは単独で存在する電球ではないからです、大脳皮質のニューロンはネットワークを形成しています。
ボーリー、「電球がいくつもつながっている場合には、1つの電球が点くか消えるかでシステムの他の部分にも影響が及びます。システム全体で情報が共有されているということです。意識が生じるためには、脳内でニューロンが結合していることが重要です」
電球がお互いにつながっている状態では1個が点くと、別の電球に消えろという信号が出たり、その逆のパターンが起きたりします。そこから思考と感情が形成され、生きているという感覚が生じるのです。
この考えに基づき、ボーリーは意識の量を測る公式を考え出しました。その公式を使えば、ニューロン同士の結合の程度を表すことができます。
単位として使われているのはギリシャ文字φ(ファイ)です。意識レベルが高いとφの値が大きくなります。
何兆もの神経ネットワークがある人間の脳は、φの値も大きくなります。
ミミズのφの値は人間と比べてきわめて小さい値ですが、それでもゼロではありません。
ボーリー、「意識は必ずしも人間だけにあるものではないということです。私が考えた公式を使えば相手が他の生物であれ、コンピュータであれ、φという単位で意識レベルを測ることができます」
この考えが正しいとすれば神が人間を造り出したように、私たちもいずれ、自己を認識する機械を造り出すことができるようになるかもしれません。

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文藝春秋』 2015年4月号
立花隆 「脳についてわかったすごいこと」 より
岡田 ラバージ(アメリカの明晰夢研究所所長)によって意識と無意識のあいだの研究は進んだものの、実は意識が脳のどの部分の働きなのか、ハッキリと特定できたわけではありません。17世紀の哲学者デカルトは「我思う、ゆえに我あり」と言いました。でも、「我思う」という意識が脳のどこにあるか、まだわからないのです。
 脳科学者たちが競ってこの難問に挑みましたが、脳のどこを探しても意識を生み出す場所は特定できませんでした。その難問に取り組んで脚光を浴びているのが、番組でも紹介したジュリオ・トノーニ教授(ウィスコンシン大学)でした。彼は脳が、どうやって主観的な意識を生み出すかを研究し、注目を集めています。
立花 アレン脳科学研究所所長のコッホは、彼を意識研究の「救世主」と高く評価していますね。トノーニは私のインタビューでも、「主観的な意識の量は数学的に表現できる」と話し、刺激的な仮説を打ち出したことで注目を集めています。岡田さんはNスぺ「神の公式」のディレクターも務めているから、数学は得意でしょう。彼の理論を説明してもらえますか。
岡田 理論の詳細は大変難しいので、うまく説明できるかどうかはわかりませんが(笑)。大ざっぱに言えば彼の提唱する「総合情報理論」では、意識は脳の特定の分野に存在するのではなく、脳の情報と情報の「つながり」が作るネットワークによって生み出されているとしています。彼は意識の座を求めて、目覚めている時と眠っている時の脳に微弱な電流を流し、意識相関関係を調べました。
立花 コッホと同じように、神経細胞の働きを意識との相関関係を調べたのですね。
岡田 そうです。すると眠っているときになくて、起きているときにあったのが、情報と情報をつなぐ「つながり」でした。この「つながり」を線でつないでいくと、まるで「蜘蛛の巣」のようなものが浮かび上がってきた。そして眠っているときには、この蜘蛛の巣は消えてしまう。彼はこの蜘蛛の巣状に統合された情報こそ意識の正体だと考えました。
立花 彼は研究室に、「蜘蛛の巣」の写真を飾っていました。実際には、意識の作る「つながり」は蜘蛛の巣よりもはるかに複雑だそうですね。
岡田 彼はこの意識のつながりが作る「こんがらがり」が複雑であればあるほど、意識レベルが高い、単純であるほど、意識レベルが低いという説を唱えています。そして彼は、次のような数式で意識の大きさを量ることができるというのです。
 φ(X(mech,χ1))=H|p(X0(mech,χ1)||ΠP(kM0(mech,μ1))]
 残念ながら彼の理論が正しいと証明するには、脳のすべての電気活動を測らなければならず、まだかなり時間がかかるそうです。
立花 ただし彼の理論は、先ほど話したような脳のケミカルな役割がどれほど反映されているか疑問にも思いました。

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どうでもいい、じじぃの日記。
人工知能の開発がものすごい勢いで進んでいる。
人間は神になれるのか?
「ボーリーは意識の量を測る公式を考え出しました」
「この考えが正しいとすれば神が人間を造り出したように、私たちもいずれ、自己を認識する機械を造り出すことができるようになるかもしれません」
何となく、数学が神さまっぽく見える。