じじぃの「科学・芸術_229_内向型人間」

スーザン・ケイン 「内向的な人が秘めている力」 動画 ted.com
https://www.ted.com/talks/susan_cain_the_power_of_introverts?language=ja#t-5023
内向的な性格の人?

「内向的な性格の人」に共通する9つの特徴 2016/11/18 TABI LABO
もしかしたら、あなたは「内向的」の使い方を間違っているかもしれません。「内気」とはまた違う「内向的」な性格の特徴とは?
「自問自答が得意」「一人の時間を楽しめる」、内向的な人のこれらの特徴は、何か作品を制作するうえで非常に有利です。集中力があり、黙々と淡々と作り続けるので、最終的に質の高いアウトプットをすることができるのです。
ちなみに、アインシュタインニュートン、『ハリーポッターシリーズ』の著者J・K・ローリング氏も内向的な性格だと言われています。
http://tabi-labo.com/205276/introvert-characteristic
『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』 スーザン・ケイン/著、古草秀子/訳 講談社+α文庫 2015年発行
内向型と外向型 対照的な2つの性格について (一部抜粋しています)
内向性は、その同類である感受性の鋭さや、生真面目さ、内気といった性格とともに、現在では二流の性格特性とみなされ、残念な性格と病的な性格の中間にあると思われている。外向型を理想とする社会で暮らす内向型の人々は、男性優位世界の女性のようなもので、自分がどんな人間かを決める核となる性質ゆえに過小評価されてしまう。外向性はたしかに魅力的であるがゆえに、押しつけられた基準になってしまっていて、そうあるべきだ、と大半の人々が感じている。
外向型の人間をを理想とすることについては、この問題にだけ集中した研究ははないものの、数多くの研究で言及されてきた。たとえば、おしゃべりな人はそうでない人よりも賢く、容姿が優れ、人間的に魅力があり、友人として望ましいと評価される。話す量だけでなく速さも重要だ。話すのが速い人は遅い人よりも有能で、望ましいと評価される。同じ力学は集団内でも適用され、会話の多い人は遅い人よりも賢いと判断される――口達者だから明暗を考えつくという関連性はまったくないのにもかかわらず。内向的という言葉そのものさえ、汚名を着せられている。心理学者のローリー・ヘルゴーの非公式な実験によれば、内向型の人は自分の外見について問われると、「緑青色の瞳」「異国的な」「高い頬骨」といったように生き生きとした、言葉で描写したのに、内向的な人間について一般的な特徴を表現してくださいと指示されると、「扱いにくい」「中間色」「肌荒れやにきび」といったありきたりで否定的な表現で答えた。
だが、外向型の人間を理想とする考えを、そんまま鵜呑みにするのは大きな間違いだ。進化論からゴッホのひまわりの絵、そしてパソコンにいたるまで、偉大なアイデアや美術や発明の一部は、自分の内的世界に耳を傾け、そこに秘められた宝を見つけるすべを知る、物静かで思索的な人々によるものだ。たとえば、内向型の人々がいなければ、つぎのようなものはどれも存在しえなかった。
 重力理論(サー・アイザック・ニュートン
 相対性理論アルベルト・アインシュタイン
 詩「再臨」(W・B・イェイツ)
 ショパンノクターンフレデリック・ショパン
 『失われた時を求めて』(マルセル・プルースト
 ピーター・パン(J・M・バリー)
 『1984年』と『動物農場』(ジョージ・オーウェル
 『キャッツ・イン・ザ・ハット』(ドクター・スースことシオドア・ガイゼル)
 チャーリー・ブラウンチャールズ・シュルツ
 『シンドラーのリスト』『E.T.』『未知との遭遇』(スティーブン・スピルバーグ
 グーグル(ラリー・ペイジ
 ハリー・ポッターJ・K・ローリング
科学ジャーナリストのウィニフレッド・ギャラガーが書いているように、「刺激を受けたときに急いで反応するのではなく立ち止まって考えようとする性質が素晴らしいのは、それが古来ずっと知的・芸術的偉業と結びついてきたからである。アインシュタイン相対性理論もミルトンの『失楽園』も、パーティ好きな人間による産物ではない」のだ。
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あなたが内向型なら、物静かな性質に対する偏見は心を大きく傷つけることがあるのをご存じだろう。子供の頃、あなたが内気なのを親が残念がっているのを耳にしたことがあるかもしれない(私がインタビューしたある男性は、「どうしてケネディ家の子供たちみたいになれないの?」とケネディ信奉者の親にくりかえし言われたそうだ)。あるいは、学校で「殻に閉じこもっていないで、もっと元気に」とハッパをかけられたかもしれない。このいやな表現は、自然界には殻をかぶったままどこへでも移動する動物もいるのだから、人間だって同じなのだという事実を認識できていない。「おまえは怠け者だとか、頭が悪いとか、グズだとか、子供の頃に言われたことが今でもまだ耳の奥に残っています。自分はたんに内向的なだけなのだと理解する年齢になる以前に、自分は本質的にどこかが間違っているのだという考えがすっかり染みついていました。今でもそんな疑いがほんの少しでも残っていたら、きれいさっぱり取り除きたいです」と、<内向型人間の避難所>というメーリングリストのメンバーは書いている。
大人になっても、夕食の誘いを断って好きな本を読みたいと思うときに、あなたはかすかな罪の意識を感じるかもしれない。あるいは、レストランでひとりで食事するのを好み、周囲の人々からかわいそうにという目つきで見られても意に介さないかもしれない。あるいはまた、物静かで知的な人に対してよく使われる、「あれこれ考えすぎる」という言葉を浴びせられるかもしれない。
言うまでもなく、そういうタイプの人間を表現するには、「思索家」という言葉がふさわしい。