じじぃの「科学・芸術_192_中国・科挙」

科挙試験を受ける時のマナー 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3i7sFUqIKxI
 科挙

日本は宦官制度と科挙制度だけは中国から学ばなかった?中国ネットからは「ほかにも学べていないことがある」と異論多数 2016年9月1日 レコードチャイナ
2016年8月31日、中国のポータルサイト・今日頭条は日本が中国から学ばなかった2つのことについて紹介する記事を掲載した。
記事は、日本は学習能力に長けた民族で、自分より優れた国から何でも学んで取り入れるが、盲目的に学ぶのではなく悪いものは決して導入しないと主張。
例えば、古代日本は遣唐使を派遣して唐の文化や建築、文学など多くを中国から学んだが、「宦官制度」と「科挙」だけは学ばなかったと指摘し、いずれも弊害が多く、日本の選択は賢明だったと論じた。
http://www.recordchina.co.jp/b149187-s0-c60.html
范仲淹(はんちゅうえん Fan Zhong-yan、989〜1052) コトバンク より
中国,北宋の政治家,文学者。呉郡 (江蘇省蘇州) の人。字,希文。大中祥符8 (1015) 年進士に及第。
景祐2 (35) 年には吏部員外郎,権知開封府となったが,権臣の呂夷簡に反対したため左遷された。のち韓 蒅 (かんき) とともに陝西経略安撫副使として夏竦 (かしょう) を助けて西夏防衛に功績をあげ,その後も資政殿学士などの中央の官や各地の知事などを歴任,潁州知事に赴任する途中病没した。死後兵部尚書を贈られ,文正と諡されたので范文正公と呼ばれる。
北宋屈指の名臣で,名文家としても知られ,特に『岳陽楼記』は有名。また詞にもすぐれた作品を残している。詩文集『范文正公集』 (24巻) がある。

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『中国の歴史を知るための60章』 並木頼壽編,杉山文彦/編著 赤石書店 2011年発行
科挙 (一部抜粋しています)
科挙は隋朝の開皇7(587)年に開始され、1905年に廃止されるまで、元朝全般を一時期をのぞいて基本的には王朝時代後期の官僚選抜制度として千数百年にわたって継続した。
そもそも科挙は、隋の文帝が三国時代にはじまる九品官人法(九品中正法)が当初の意図とは異なって貴族の家から代々官僚を生み出すシステムになっていた点の反省に立って導入したものであった。だが、有能な人材を学力試験によって選抜しようと考えてはじまったものの、隋唐時代は貴族が根強い勢力をもっていて、まだ貴族性を科挙は充分に打破できないでいた。
しかも、唐代までは、中央の礼部で主催される試験に合格しても、人事をあつかう吏部(りぶ)の採用試験に合格できなければ官吏に任用されなかったが、その吏部の試験基準の項目は貴族らしい人材を採ることを目指していて庶民階層出身者の官界入りを難しくしていた。また、礼部も試験自体も、高官の推挙が一定の影響力をもっており、要するに、試験による官吏任用といっても、貴族層にかなり有利な選抜制度であった。
唐末・五代十国時代の混乱期に貴族層が没落したあと、宋代になって科挙の試験制度がしだいに整備されてゆくと、男性であれば一部の例外をのぞいて誰でも受験ができるようになった。
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しかしながら、誰でも受験ができるという建て前にもかかわらず、実際に受験し合格できる人間は限られていた。ある研究によると、進士に及第した人数の、当時における人口に占める割合は、北宋で0.15%、南宋で0.25%であったという。こうした原因のひとつは経済的制約によっている。科挙受験お準備として、幼いころから、儒教の古典の学習・暗鬼をはじめ主要な歴史書を読破し、典雅な文章を作成できる能力を身につけねばならない。そのために、多くの参考書を手近に利用でき、先生について学習できる環境や、何よりも労働に日々を費やさなくとも生活と勉学をつづける余裕が必要とされ、毎日の暮らしに汲々としている中、下層の一般庶民は実際上において科挙に応ずることは困難であった。
もうひとつは、最初の理由とも深くかかわるが、科挙受験に必要な教養は、一般庶民とはかけ離れた独特な文化・言語体系であり、そうしたいわば文化資本の修得には身近な家族や祖先・一族に官僚を輩出したことのある人こそ、それらの背景のない人に比べて遥かに有利であった点が挙げられる。かつて貴賤より実を起こした代表として例示された欧陽脩(おうようしゅう)や范仲掩(はんちゅうえん)といった人物も確かに貧弱のなかで育ち、苦労を重ねて科挙に及第したけれども、彼らの父親世代や一族は科挙及第者を輩出しており、直系祖先にも一族にも科挙及第者を出したことのない人間とは、そもそも出発点からして大いに異なるというべきであろう。