じじぃの「科学・芸術_179_カナダ・フランス語系ケベック」

Easy French 12 - Montreal 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zfMY9Y-0mas
Quebec official language is French-Language

移民の国カナダで、"ケベックが最強"の理由 2013年04月04日 東洋経済オンライン
――従業員にはフランス語を話す“権利”があると聞きましたが?
シャロンさん:会社の大きさによりますが、公的機関はフランス語がメインですね。小さい会社であれば、フランコフォンとアングロフォンを混ぜたほうがいいかもしれません。
http://toyokeizai.net/articles/-/13512?page=3
ケベックを知るための54章』 竹中豊/著 赤石書店 2009年発行
インターカルチュラリズム 多文化主義との対峙 (一部抜粋しています
カナダが多文化主義の国であるといわれるようになって久しい。しかし、ケベック州は例外であり、連邦政府多文化主義政策には冷ややかである。なぜだろうか。むろんその背景はケベックナショナリズムと無縁でないが、本章では多文化主義と異なるケベックのインターカルチュラリズムの在りようについてふれてみる。
まず、現在の連邦政府の移民政策との対比で考えてみよう。カナダ政府の移民政策の1つは、広義には元首相ピエール・トルドー(1919〜2000)が打ち出した政策理念に基づいている。その背景となったのが、「2言語主義と2文化主義に関する政府調査委員会」(1971年設置)と、その報告書であった。そもそも連邦政府による多文化主義(multiculturalism)とは、当初、政党間の協約であり、それがやがて議論を重ね、最終的には法制化へといたったものである。この多文化主義が政治課題として重要な位置を占めたことにより、実践レベルでの査定基準も整備されていく。結果として、それが発展途上国からの移住者の受け入れ数の増大に貢献し、多数派に対応する連邦政府の活動を正当化する枠組みもできあがった。
その一方で、ケベック州における移民政策は、独自のナショナリズムと無縁でなかった。なるほどケベックも、表向きは多文化主義の州に見える。しかしこの州では、連邦政府が用いる多文化主義という言葉を井戸的に回避している。その代わりに、「インターカルチュラリズム」という表現を用いる。後者のほうが、ケベックにとっての独自性をより発揮し、めざすべき方向性をもよりよく反映しているからである。
ケベックは、文化的に多様な方法で移住者を吸収しようとする代わりに、まずは大前提としてフランス語を話す社会に移住者を統合させたいとする。裏返せば、連邦政府多文化主義政策は、ケベックの集団的生存にとって不適切だと映る。フランス語をケベックの唯一の公用語であると定めているフランス語憲章(第101号法)は、そうした政策の象徴でもある。同憲章の前文は、「フランス語を、労働、教育、伝達(通信)、商業、取引の標準的かつ日常的な言語のみならず行政と法律の言語にもすること」と規定している。
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とはいえ、ケベックの多数派であるフランス系住民もたの少数派との共存をめざしていることに変わりはない。アングロフォンやアロフォンや先住民に対する配慮も、十分うかがうことはできる。たとえば、州政府の重要なサービスは英語でも享受可能であり、特定の条件を満たしていれば、移民のこどもには英語での教育も受ける権利がある。また第2言語としての英語の学習は、フランス語系の学校に通うすべての子ども(小学校から)に義務づけられている。フランス語憲章の前文は、さらに続けて次のように述べている。「州議会は……ケベックの英語系社会の機関を孫透視、かつ……民俗的少数を尊重し、偏見のない公平な精神で」フランス語化政策を推進する。ただし、こうした配慮も、あくまでも前述の総合政策に基づくものであるが……。