じじぃの「科学・芸術_162_モンサント社・遺伝子組み換え作物(GMO)」

パメラ・ロナルド:実際の遺伝子組換え食料 動画 TED
https://www.ted.com/talks/pamela_ronald_the_case_for_engineering_our_food?language=ja

『シフト――2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』 マシュー・バロウズ/著、藤原朝子/訳 ダイヤモンド社 2015年発行
2030年の「農業」のかたち より
合成生物学と比べれば、それ以外の技術分野の危険性はずっと低いが、それぞれ問題はある。商業化に大規模な先行投資や、何らかの形での政府の支援が必要な技術も多い。遺伝子組み換え作物GMO)など、環境活動家らの間で政治的・社会的議論を巻き起こしている技術もある。ただし多くの農業専門家は、アフリカなど気候変動の影響が深刻化している地域では、食料需要の高まりに対処するうえでGMOがきわめて需要な役割を果たすと考えている。
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分子的な植物育種手段やトランスジェニック技術の応用も、食料安全保障を高めるだろう。トランスジェニック技術は、ある植物種から別の植物種に遺伝子を導入して、新規または改良された特性を持つ植物をつくる技術だ。作物を改良できそうな遺伝子は数多く発見されているが、実際に商業化された遺伝子組み換え作物はひと握りしかない。向こう15〜20年を食料安全保障のためには、遺伝子組み換え作物は非常に有望と見られているが、規制当局と世論の両方から厳しい批判にさらされているため、幅広い応用が実現するかどうかはわかなない。

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アメリカ権力者図鑑―崩壊する世界覇権国の今を読み解く』 副島隆彦、中田安彦 日本文芸社 2011年発行
種子ビジネスで頂点に立つモンサント より
近年、海外メディアは、バイオ種子メーカーが進める「遺伝子組み換え作物」(GMO)の現状を大きく取り上げるようになった。人体への危険が指摘されているGMOだが、近年では非遺伝子組み換え作物を栽培するする際に課せられる割増金の急増などから、各国に普及しはじめた。種子メーカーのアグリビジネスが大きな収益を上げている。モンサント(米)、デュポン(米)、シンジェンタ(スイス・英国)が世界の「3大種子メーカー」だ。とりわけ、モンサントの影響力が頭抜けている。
モンサントベトナム戦争時に枯葉剤を製造していた化学メーカーで、1980年以降、再編を繰り返し、種子ビジネスの頂点に立った。
なかでも、2006年に発表された「ターミネーター遺伝子」を米国農務省と共同開発した、デルタ&パインランド社の買収は、重要な意味を持つ。
ターミネーター遺伝子とは「遺伝子組み換えにより収穫時の種子を不妊にする」技術のことだ。これが発動されると、農家は収穫時に手に入れた種を来年の作付けに使うことができず、毎年、種子メーカーから新しい種を買うことを義務づけられることになる。
現在、モンサントはこの技術を”封印”している。だが、同社は途上国の農家に特許料を上乗せして種子を販売していることから、インド政府などの批判を受けている。
2010年10月には、経団連の米倉宏昌会長が率いる住友化学と提携したことが話題となった。