じじぃの「人の生きざま_744_ジャンピエール・ソバージュ(化学者・分子マシン)」

Photosynthesis 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yHVhM-pLRXk
NanoCar Race Live ! 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fKiyj1TpSeU

くらし☆解説 「"世界最小"のレースに挑め!」 2017年04月20日 NHK
【解説】土屋敏之
●なんのためにレースをする?ナノカーは何か役に立つ?
ナノカー、別名・分子マシンは今注目を集めている分野で、去年のノーベル化学賞は「分子マシンの設計と合成」に貢献した欧米の3人の科学者に与えられました。
まだ現在は基礎研究の段階ですが、こうしたナノサイズの分子を自在に動かせるようになると非常に応用範囲が広いと考えられています。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/268607.html
サイエンスZERO 「竹内流で徹底解説! ノーベル化学賞・物理学賞2016」 2016年12月11日 NHK Eテレ
今年の自然科学系の受賞一覧。化学賞「分子マシン」と物理学賞「トポロジカル相転移」とはいったいどんな研究なのか?難しいテーマをわかりやすく徹底解説!
ソバージュ教授は、金属イオン(銅)の錯形成能を上手く活用した「鋳型合成」という手法を活用し、カテナンを高い効率で合成することに成功しました(1983年)。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp566.html
ノーベル化学賞 受賞者の略歴 2016.10.5 産経ニュース
・ジャンピエール・ソバージュ氏 1944年、フランス生まれ、71歳。71年ストラスブール大で博士号を取得。ストラスブール大名誉教授。
・フレーザー・ストダート氏 42年、英国生まれ、74歳。66年エディンバラ大で博士号を取得。米ノースウエスタン大教授。
・ベルナルド・フェリンガ氏 51年、オランダ生まれ、65歳。78年フローニンゲン大で博士号を取得。同大教授。
http://www.sankei.com/world/news/161005/wor1610050044-n1.html
『図解入門 よくわかる分子生物学の基本としくみ』 井出利憲/著 秀和システム 2015年発行
ナノマシンは一見、物理法則に反する反応を司る より
ぬるいコーヒーの入ったコーヒーカップのまん中を薄い膜で仕切り、ここに水分子の速度を見分けるポンプタンパク質を組み込みます。そして、早い分子は右へ、遅い分子は左へ輸送させると、右にはホットコーヒー、左にはアイスコーヒーができます。
現実にはこういうポンプタンパク質は見つかっていませんが、細胞のやっていることは、分子選別という作業を通して、均一な分布から不均一な分布を作る、無秩序から秩序を作るという反応です。マクロ的に見ればエントロピーが減少する反応を進めているわけです。エントロピー減少反応は、一見、熱力学の法則に反するものですが、生物内では頻繁に見られるものであり、ネゲントロピー(ネガのエントロピー)こそが生物の特殊性を示す不思議の一つと理解されてきました。
近年、生体の仕組みが分子レベルで理解できるようになり、この特殊性は、きわめて精巧なナノマシンがエネルギーを消費しながら行っていることによるものと理解されるようになりました。つまりミクロに見れば、物理学の法則に反しているわけではないということです。酵素のところで触れた吸エネルギーも同様で、マクロに見れば自然界では起きない反応ですが、ミクロに見れば酵素というナノマシンがエネルギーを移動させて行なう反応として納得できます。
吸エネルギー反応の最たるものは、葉緑体ナノマシンです。太陽光のエネルギーを吸収して、低エネルギー分子である炭酸ガスと水から、高エネルギー分子であるグルコース等の有機化合物を合成しています。光合成です。動物はこうしてできた高エネルギー分子(グルコース)を食べて、それを分解するときに出るエネルギーを使っているので、結局は動物も太陽エネルギーを消費して生きているわけです。
自然界ではエントロピーが増大する方向(秩序から無秩序へ)に変化する、自然に起きる反応は発熱反応(高エネルギー状態から低エネルギー状態へ)である、というのが原則です。自然界には、生物以外にナノマシンに相当する装置が存在しないので、エントロピー減少反応や吸エネルギー反応は見られないが、あっても希でしかないのです。生物の不思議は、ナノマシンの存在によるものなのです。