じじぃの「医療技術の進歩・ナノマシン・切らない手術?2040年の日本」

LOVEかわさき 6月26日放送 ナノ医療ってなんだろう?ワクチンもナノなの?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=S2gApEk1vJw

ナノマシンでがん治療


切らない手術”を実現するナノマシンを開発

平成27年6月5日 量子科学技術研究開発機構
東京大学大学院工学系研究科/医学系研究科片岡一則教授、東京工業大学資源化学研究所西山伸宏教授、ナノ医療イノベーションセンターMI PENG主任研究員、放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター青木伊知男チームリーダーらの研究チームは、がん組織に選択的に集積して、MRI造影剤および中性子増感分子として機能するナノマシンを開発しました。
https://www.qst.go.jp/site/qms/1773.html

『2040年の日本』

野口悠紀雄/著  幻冬舎 2023年発行

第4章 医療・介護技術は、ここまで進歩する――医療技術はどこまで進歩するか より

2050年までに、ガンが克服される

将来、技術がどのように進歩するかは、社会全体にも、われわれの生活にも、大きな影響を与える。中でも医療に関する技術は、われわれの命に直接関係するので、誰もが強い関心をもっているだろう。

では、将来の医療技術はどこまで進歩するだろうか? 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のウェブサイトで、2050年の医療技術について、つぎのような予測がなされている。「こんなことが、いますぐできれば……」と思うようなものばかりだ。

 ・ガンが克服される。
 ・バイオニックアイによって、視覚障害者はいなくなる。
 ・遺伝子編集工学によって、新しい人類を造ることも可能になる(ただし、人間を変えるような利用がなされるのではなく、疾病の治療に用いられるのが望ましい)。
 ・精神医療剤が、抗生物質と同じくらい効くようになる。
 ・人間とAIの融合が可能となる。
 ・人工内臓が開発されるので、人間が臓器提供する必要がなくなる。
 ・失った歯が再生可能になる。
 ・「ナノマシン」を用いて、治療する。
 ・エイズが根絶される。
 ・スマートウオッチ(CPUが内臓された腕時計に似た電子機器)で、診断が可能になる。
 ・完全なサイバネティック四肢(自動制御の技術を応用して、あたかも自分の手足のように使える義肢)ができる。
 ・肥満を治療する飲み薬が開発される。

ナノマシンで外科手術なしに治療

以上で見た予測は、さまざまな発展を網羅的にあげている。これらを医療技術の観点から分類をしておくと、理解しやすい。これについては、Life in 2050:A Glimpse at Medicine in the Futureが参考になる。ここでは、未来の医療技術を、ナノマシン 、細胞療法、遺伝子編集、AIの応用に分けて説明している。

未来の医療技術の第1の柱は、ナノマシンだ。これは、10万分の1メートル程度の大きさの機械である(これは、細菌や細胞よりもひとまわり小さいウイルスのサイズである。なお「ナノ」とは10のマイナス9乗を意味する言葉)。

これにより、血液の状態、ウイルスやHIVやガン細胞を検知する。そして、周囲には影響を与えずに、それらを殺したり、血栓を除去したりする。こうして、外科手術なしに治療が可能になる。また、目や耳の神経を入れ替えることも可能になる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
少し古い本だが、井出利憲著『図解入門 よくわかる分子生物学の基本としくみ』にこんなことが書かれていた。

ナノマシンは一見、物理法則に反する反応を司る

「自然界ではエントロピーが増大する方向(秩序から無秩序へ)に変化する、自然に起きる反応は発熱反応(高エネルギー状態から低エネルギー状態へ)である、というのが原則です。自然界には、生物以外にナノマシンに相当する装置が存在しないので、エントロピー減少反応や吸エネルギー反応は見られないか、あっても希でしかないのです。生物の不思議さは、ナノマシンの存在によるものです」

植物は太陽光のエネルギーを吸収して、低エネルギー分子である炭酸ガスと水分子から、高エネルギー分子であるグルコース等の有機化合物を合成している。
葉緑体ナノマシンのレベルで活動している。

創薬や、医療機械もナノマシンのレベルまで行き着けば、いろいろなことが起こるに違いない。