ジョン・フォード監督生誕120年!『駅馬車』『静かなる男』デジタル・リマスター版上映 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=C6cuz0pZ8Zo
My Darling Clementine 1946 Full Movie 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rWE_olGSh8I
My Darling Clementine
『淀川長治映画ベスト1000』 淀川長治/著、岡田喜一郎/編 河出書房 2000年発行
駅馬車 (Stagecoach) より
【解説】
1885年、アリゾナのトント市からニューメキシコのローズバーグまで、9人の乗客を乗せた駅馬車が大平原を走るが、途中でアパッチインディアンに急襲される。
切迫した状況のもとで、さまざまな人間模様が繰り広げられる。西部劇の王様ジョン・フォード監督と、西部の王者ジョン・ウェインのコンビ第1作にして代表作。
【ハイ淀川です】
いちばん怖い場所を馬車は通り過ぎた。ホッとした。ところが、キャメはその走る馬車を撮りながら崖の上にいるジョロニモが大勢の部下を連れて見つめているのを映した。
何も知らない馬車は走る。インディアンが見つめている。馬車の中では、よかった、よかった、バンザイと言ったときに、ウイスキー商人の胸にブスーッと矢が刺さった。馬車は逃げる。インディアンがどんどん追う。このときのキャメラの感覚のすごいこと。馬車のスピードにキャメラが合うとインディアンがじりじりと迫ってくる。このタッチ。追われるものの恐怖を見事に表現しました。これは西部劇としてではなく、人間ドラマ。映画史上に残るフォードの名作です。
荒野の決闘 (My Darling Clementine) より
【解説】
復員したジョン・フォード監督が戦後、最初に手がけた西部劇。
西部史上伝説の保安官ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)は親友で医者くずれのドク・ホリディ(ヴィクター・マチュア)の協力を得て牛泥棒のクラントン(ウォルター・ブレナン)一家とOK牧場で死闘を展開。ドクは死ぬが敵を全滅させる。
【ハイ淀川です】
『駅馬車』から7年、ジョン・フォードはウェスタンを芸術に磨きあげました。まさに第一級の名作ですね。
西部男のたくましさと哀愁。長い手足で無器用そうに歩くヘンリー・フォンダの猫背の後ろ姿。白いハンカチを持った都会男ぶりのヴィクター・マチュア。マチュアの生涯に一度の名演技、最高の名演も見どころですね。フォードは男の哀愁を見事に描きました。なんたる名手か。ワイアットとクレメンタインの一本道での別れのラストシーン。「俺はクレメンタインという名前が好きだ」とひとこと言い残していくところ。アメリカ映画「マイ・ダーリン・クレメンタイン」このメロディ。見終わったあと胸に残って消えませんでした。