じじぃの「科学・芸術_106_私のヒッチコック・淀川長治」

映画「ヒッチコック」予告編 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qkjZY5rsUq4
Shadow of a Doubt (1943) Movie Trailer 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=T1klDz_IJXg
裏窓 Rear Window 1954 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=253_XS2zrYY
裏窓 (Rear Window 1954)

淀川長治映画ベスト1000』 淀川長治/著、岡田喜一郎/編 河出書房 2000年発行
疑惑の影 (Shadow of a Doubt) より
【解説】
レベッカ』以来、一作ごとに地位を築いてきたアルフレッド・ヒッチコックの恐怖心理映画。
カリフォルニアの小都市、ニュートン家の長女(テレサ・ライト)の苗に突如、母の弟のチャーリー叔父さん(ジョゼフ・コットン)が現われる。快く迎えた伯父の正体がわかるにつれれ無邪気な娘心に疑いが芽ばえていく。
【ハイ淀川です】
姪は叔父さんからきれいな指輪をもらって、何気なく裏を見たら「M・T」と刻まれていた。「誰なの?」と聞いても叔父さんは「うん、友だちだよ」と言うのね。
でも気になって調べているうちに、新聞に出ていた未亡人殺しの女の頭文字と同じことに気づいて怖くなってくる。この姪は出かけるたんびに危ない目にあったりするのね。姪は可愛がってくれる叔父さんが犯人だということに気づく。このあたりからますます怖くなってきます。というわけでヒッチコック映画の中には、目に迫ってくる恐怖と心の中に押しつけてくる恐怖がいつも同居しているところが面白いんですね。
裏窓 (Rear Window) より
【解説】
コーネル・ウールリッチの小説をアルフレッド・ヒッチコック監督が映画化。
報道カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、事故で足を骨折しアパートで長椅子の生活を送っている。退屈凌ぎに望遠レンズで向かいのマンションの部屋を眺めているが、そこに見たものは……。ヒッチコックのお得意の心理サスペンス。
【ハイ淀川です】
この映画の題名はふつうの『窓』ではなく『裏窓』。人間の舞台裏を覗き見るようなスリルを感じるんです。
主人公は退屈しているものだからあっちこっちの窓を望遠レンズで覗きますね。あるとき、きれいな奥さんを見ていると、掃除しているところに妙な男がやってきて、その奥さんの首を絞めようとする。「危ない」と言おうと思っても望遠レンズで見ているから目の前に奥さんがいるような気がするけれど、実際は遠い向こうにいる。いくら叫んでも聞こえるはずはありませんね。このあたりキャメラの面白さ、目の感覚の面白さ。これがヒッチ・タッチですね。この映画はストーリーも立派ですが、この怖がらせ方を見てほしい作品です。