じじぃの「科学・芸術_105_私のチャップリン・淀川長治」

淀川長治 私のチャップリン 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TaXiavjOYvY
O Garoto [The Kid] - Charlie Chaplin - 1921 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3t6lcaeEV9g
チャールズ・チャップリン ~ チャップリンの移民 | The Immigrant 1917年・ドラマ/短編映画 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mUEAmeNHP28
The Kid (Chaplin 1921)

淀川長治映画ベスト1000』 淀川長治/著、岡田喜一郎/編 河出書房 2000年発行
キッド (The Kid) より
【解説】
チャップリン初の長編喜劇。
ロンドンの下町、男に捨てられた若い娘(エドナ・パーヴィアンス)は赤ん坊を車の中に置き去りにするが、浮浪者のチャップリンがその子を拾い育てる。5年後、成長した子供キッド(ジャッキー・クーガン)はチャップリンを助けインチキ商売に精を出す。そこへ今や人気オペラ歌手の生母が…。
【ハイ淀川です】
すっかり成長した子供(ジャッキー・クーガン)がパンケーキを焼いて朝食の支度。チャップリンはそのパンケーキをよく数えて皿に分ける。さあ、食べよう。チャップリンはこのシーンに2週間もかけたんです。
クーガンが飢えて喜んでパンにありつく表情がなかなかでないの。このあたりチャップリンが”食べること”への執念、真剣さをいかに大切にしていたかがうなずけます。そういうわけでこの作品の面白さは、この2人が一緒に組んで働くところ、あるいはチャップリンが子供を夜通し疲れ切って眠りこけてからの夢のシーンなど、きりがありません。愛すすこと、働くこと、食べることの大切さを私に教えてくれた愛の名作です。
チャップリンの移民 (The Immigrant) より
【解説】
ミューチュアル時代の11本目で、チャップリンが4日間の不眠不休の編集の末に完成させた作品。
アメリカへ渡航する移民船の貧しい人たちをとらえ、自由の国への上陸目前でも、少しの自由も許されない哀れな移民の姿をチャップリン独特の厳しい皮肉で描いている。物語性と深い愛情に満ち溢れているあたりに注目。
【ハイ淀川です】
だんだんとニューヨークの自由の女神が見えてきた。みんな万歳だ。喜んだ。
3等船客が、1番下の甲板に寄ってきたので、監視人が大きなロープを張って、お前ら絶対にここから出たらあかんぞ! と言って押えつけました。なんという不自由でしょう。自由の女神を目の前に見ながら不自由の魂に縛られましたねぁ。このあたりの皮肉の怖さ、というわけでチャップリンは人間の機微と皮肉をうまく取り入れるようになった。アメリカがわかってきた。イギリスの皮肉にアメリカの人情味が加わったこの作品こそが本格的なチャップリン映画の愛の誕生なんですね。これから後のチャップリン喜劇につながる作品として注目されましたよ。