じじぃの「海馬とアルツハイマー病・記憶の司令塔の破壊!フューチャー・マインド」


アルツハイマーは伝染する!? 2015/09/14 TROPE
アルツハイマー病の病原因子(アミロイドβ)がヒトからヒトへと伝播されていく!?
2000年代の初頭に発生したBSE狂牛病牛海綿状脳症)問題を覚えていらっしゃるでしょうか?
他のプリオン病患者とは対照的に、比較的若いiCDJ患者において柔組織および血管での著しいアミロイドβの沈着が見られたことから、iCJDに加えて医原性アミロイドβ伝播が考えられ、健康な人も医原性アルツハイマー病や医原性脳アミロイド血管症の危険があるかもしれないことが示唆されました。
http://www.trope.tokyo/2015/09/14/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%84%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AF%E4%BC%9D%E6%9F%93%E7%97%85%EF%BC%81%EF%BC%9F/
『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
アルツハイマー病――記憶の破壊者 (一部抜粋しています)
アルツハイマー病を、21世紀の病ではないかと言う人もいる。アメリカには、現在アルツハイマー病を患っている人が530万人おり、その数は2050年までに4倍になると予想されている。
65歳から74歳まででアルツハイマー病の人は5パーセントだが、80歳を超えると、明らかな危険因子がなくても50パーセントを上回る(さかのぼって1900年には、アメリカの平均寿命は49歳だったので、アルツハイマー病は大した問題ではなかった。ところが現在、80歳を超える人は、アメリカで急増中の人口層のひとつとなっている)。
アルツハイマー病の初期段階では、記憶を処理する脳領域である海馬が衰えだす。事実、脳スキャンによって、アルツハイマー病患者で海馬の縮小がはっきり見て取れるが、前頭前皮質と海馬を結ぶ配線も細くなり、脳は短期記憶をきちんと処理できなくなる。脳のいろいろな皮質にわたってすでに保存されている長期記憶は、少なくとも味めのうちはあまり損なわれずにいる。そのため、数分前にしたばかりのことは忘れるのに、数十年前に起きた出来事ははっきり思い出せるといった状況が生じるのだ。
やがて、病気が進行すると、基本的な長期記憶までも破壊される。その人はわが子や配偶者も認識できなくなり、自分がだれかわからなくなって、昏睡に近い植物状態に陥ることさえある。
残念ながら、アルツハイマー病の基本的なメカニズムは、最近になってわかりはじめたばかりだ。ひとつの大きな発見は、2012年になされた、アルツハイマー病はタウタンパク質の形成によって始まり、それがベータアミロイドというねばねばした糊状の物質の形成を加速し、これが脳に詰まる(それ以前、アルツハイマー病がこうしたプラーク[班]によって引き起こされるのか、それともプラークがもっと根元的な障害の副産物なのか、わかっていなかった)。
こうしたアミロイドのプラーク(アミロイド班)を薬剤の標的としにくいのは、それがほぼ「プリオン」という奇形タンパク質分子でできているからだ。プリオンは細菌でもウイルスでもないが、それなのに増殖できる。原子の目で見れば、タンパク質分子は、原子の連なったリボンが絡み合ってジャングルのようになっている。この原子の絡まりは、タンパク質がきちんとした形をとって機能するためには、正しく畳まれなければならない。ところがプリオンは奇形タンパク質なので、間違った畳まれかたをする。さらにひどいことに、プリオンが正常なタンパク質にぶつかると、それをも間違った畳み方にさせてしまう。したがって、ひとつのプリオンから雪崩のように奇形タンパク質が生まれ、何十億個もだめにする連鎖反応が起きるのである。
現時点で、アルツハイマー病の容赦ない進行を止める手だては知られていない。だが、この病気の基本的なメカニズムが明かされつつあるからには、ひとつの有望な手段として、この奇形タンパク質分子をとくに標的とする抗体やワクチンを作ることが考えられる。一方で、そうした患者のために人工海馬を作り、短期記憶を回復させるという手もあるだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
認知症の1つであるアルツハイマー病は、日本では80歳以上で5人に1人、アメリカでは2人に1人だそうだ。
ミチオ・カク著 『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』の本にこんなことが書かれていた。
アルツハイマー病の初期段階では、記憶を処理する脳領域である海馬が衰えだす」
さらに、イギリスで発生した狂牛病の「プリオン」とアルツハイマー病の「アミロイドβ」と関係があるようなことが書かれていた。
アルツハイマー病は高齢者の病気と思っていたが、プリオンと何らか関係があるのであれば、意外とウイルスに感染するようなものかもしれない。
海馬がやられて、アルツハイマー病になるのなら、海馬を治せば、アルツハイマー病も治せるのかもしれない。