じじぃの「人の死にざま_1748_ジョセフ・ウェーバー(物理学者・重力波)」

Joseph Weber

Remembering Joseph Weber, the controversial pioneer of gravitational waves Feb. 12, 2016 Science
http://www.sciencemag.org/news/2016/02/remembering-joseph-weber-controversial-pioneer-gravitational-waves
ジョセフ・ウェーバー ウィキペディアWikipedia)より
ジョセフ・ウェーバー(Joseph Weber、1919年5月17日 - 2000年9月30日)は、アメリメリーランド大学カレッジパーク校の物理学名誉教授である。彼は、メーザーやレーザーの実用開発へと導いた量子エレクトロニクスの先駆者として知られる。

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重力波とはなにか 「時空のさざなみ」が拓く新たな宇宙論 安東正樹/著 ブルーバックス 2016年発行
重力波観測への挑戦 (一部抜粋しています)
確実に存在していることは間接的に証明された重力波ですが、その効果は非常に小さいため、直接、検出することは不可能であろうと考えられていました。しかし、その難題への挑戦を開始した研究者たちが現れました。
重力波の効果はあまりにも小さいため、アインシュタイン自身も直接検出は現実的ではない、と考えていました。その不可能と思われていたことに最初に朝鮮したのは、アメリカ・メリーランド大学の物理学者ジョセフ・ウェーバーでした。
ウェーバーは1950年代から重力波の直接検出の検討を開始し、1960年には「共振型」と呼ばれる方式の重力波検出器を提案して、装置の開発を進めました。そして1969年6月、「重力波の初検出に成功した」と発表したのです。この発表は、世界の科学者に大きな衝撃と興奮を与えました。まったく不可能と思いこんでいたことが、実現したというのです。日本国内でも、このことはすぐに報道されました。
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ウェーバーの発表は、メリーランド大学(ワシントンDC郊外)と、そこから約1000km離れた場所にあるアルゴンヌ国立研究所(シカゴ)の2ヵ所で、同時に重力波信号を検出した、というものでした。
重力波検出器はきわめて感度が高いので、重力波だけではなく、地面振動などの外乱や熱振動などによっても振動が引き起こされます。そこで、遠く離れた2ヵ所の装置で観察して、それらが同時に反応するならば重力波らしい、と推定するわけです。
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ウェーバーの「発見」は、現在では否定されています。しかし、ウェーバーが果たした役割は非常に大きいものでした。重力波の直接検出はとうてい不可能と思われ、どのような装置を用いればよいのかすら検討されていなかった時代に、その分野を最初に切りひらいたのです。いま、世界で続けられている重力波観測装置の研究と開発は、ウェーバーイベントの追実験という形で始まったことを忘れてはなりません。