じじぃの「未解決ファイル_308_原始重力波」

How the Universe Works - From The Big Bang To The Present Day - Space Discovery Documentary

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dMYmzeZXxMM

原始重力波の痕跡パターン

【クローズアップ科学】原始重力波の証拠を探せ 宇宙誕生の謎、日本も本格観測

2019.1.27 産経ニュース
宇宙誕生時の謎を解く「原始重力波」の検出を目指し、日本の観測計画が相次ぎ本格的に動き出す。宇宙は誕生直後に急膨張したとする「インフレーション理論」を裏付ける試みだ。成功すればノーベル賞級の成果で、世界中の研究者が一番乗りに向けてしのぎを削っている。
●インフレーション理論の裏付け
重力波は天体衝突などによって生じた空間のゆがみが、さざ波のように遠くまで伝わっていく現象。米チームが15年に世界で初めて検出に成功し、ノーベル賞を受賞した。ただ、この重力波は138億年前の宇宙誕生後、かなり時間がたってから生じたもので、誕生直後に生じた太古の原始重力波とは異なる。

原始重力波の検出によって裏付けられるインフレーション理論は、1980年代に佐藤勝彦東京大名誉教授らが提唱した宇宙誕生時の有力シナリオだ。

そこで鍵を握るのが「宇宙背景放射」と呼ばれる極めて微弱な電波だ。インフレーションによって火の玉状態の「ビッグバン」が起きた際の名残で、宇宙誕生から約38万年後に生じ、現在も観測できる。
もし原始重力波が存在すれば、この電波の分布に渦巻き型の特殊なパターンが痕跡として現れる。これを見つければ原始重力波を間接的に検出したことになり、インフレーションを証明する大発見となるため、国内外で激しい競争が続いているわけだ。
https://www.sankei.com/life/news/190127/lif1901270005-n1.html

『大栗先生超弦理論入門』

栗博司/著 ブルーバックス 2013年発行

時間は幻想である より

宇宙の始まりの状態を直接観測する技術はここ10年ほどで大きく進みました。たとえば2013年3月には、プランク衛星による観測結果の第1回の発表がありました。プランク衛星は、ビッグバンの残り火とされる宇宙全体に満ちたマイクロ波、いわゆる「宇宙マイクロ波背景輻射」の揺らぎを精密に観測するものです。そのデータの解析によって、宇宙の年齢が138億年であると決まりました。30年ほど前には天文学者によって2倍も違っていた宇宙の年齢の推定値が、有効数字3桁で決まったことは大きな進歩です。
また、プランク衛星の観測のおかげで、宇宙の暗黒物質や暗黒エネルギーの正確な量もわかるようになりました。
プランク衛星チームはさらに、宇宙マイクロ波背景輻射の偏光についてもデータ解析を進めています。ビッグバン以前に、宇宙が指数関数的に膨張したインフレーションの時代があったという予想があり、背景輻射の偏光はそれについて重要な情報を担っていると考えられます。チームの次回発表の内容によっては、この予想が正しいかどうかがわかるかもしれないと、私も含め多くの研究者が期待しながら待っています。
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しかし、プランク衛星が観測しているのは、宇宙が誕生してから38万年も経ってからの姿です。宇宙の初期には電子が原子核から分離したプラズマが満ちあふれている時代がありました。電子や原子核電荷を持っているので、その中では電磁波や光はまっすぐに進むことはできません。宇宙が膨張して、温度が下がり、電子が原子核と組み合わさって中性の原子なって、ようやく宇宙は「晴れ上がった」のです。宇宙が晴れ上がり、透明になって、光がまっすぐ進めるようになったのが、宇宙誕生から38万年後なのです。それ以前のことは、電磁波や光を使った観測では、どうしても見ることができません。ですから、宇宙マイクロ波背景輻射の観測を使ったインフレーション宇宙論の検証も、あくまでも間接的なものになります。
ただし、38万年以前の宇宙を直接見る方法がないわけではありません。電磁場の波である電磁波ではなく、重力の波である「重力波」を使う方法です。

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おバカな、じじぃの日記。
2016年、米国のレーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」が世界で初めてブラックホール同士の合体から発生した「重力波」を検出した。
ただ、この重力波は138億年前の宇宙誕生後、かなり時間がたってから生じたもので、誕生直後に生じた太古の「原始重力波」とは異なる。
2014年、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターで、初期宇宙の時空間の量子的な揺らぎを起源とする原始重力波の存在を、世界で初めて確認したという発表があった。
原始重力波を検出して何がわかるか。

宇宙誕生 → ビッグバン → 38万年後の宇宙 → 138億年後(現在)の宇宙

宇宙誕生からビッグバンの間に「インフレーション(宇宙が誕生した直後、急激に膨張した)」が実際にあったという証拠なのだという。
果たして、宇宙に漂う小さなゴミ(原始重力波)みたいなものが検出できるのだろうか。