じじぃの「シュターデル洞窟のライオン人間・世界最古の宗教施設?サピエンス全史」

Lion Man 2.0 - The Experiment 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hgbvT9_pjzo
ライオン人間

言語の起源 ウィキペディアWikipedia)より
ヒトにおける言語の起源は広範に議論される話題である。それにもかかわらず、究極的な起源やその年代についての合意は得られていない。
近年の分子生物学的研究により、ネアンデルタール人ホモ・サピエンスと同じFOXP2対立遺伝子を持つことが分かった。それゆえ、ホモ・サピエンスのみに突然変異が起こったわけではない。むしろこのことは、この遺伝子上の変化がネアンデルタール人ホモ・サピエンスの分化に先立って起こったということを示唆している。

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サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ 2016 amazon
なぜ我々はこのような世界に生きているのか?
ホモ・サピエンスの歴史を俯瞰することで、現代世界を鋭く抉る世界的ベストセラー!
「歴史と現代世界の最大の問題に取り組んだ書」 ──ジャレド・ダイアモンド
第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?
第2章 虚構が協力を可能にした
プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

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世界最古の彫像ライオン人間 2015/04/18 エイビーロード
ライオン人間の特徴は、頭の部分はライオンで体は背筋を伸ばして立つ人間、腕はネコ科の動物の後肢のように作られている。30000年以上も前だというのに、動物と人間が融合した想像の世界を形にしていたとは驚きである。
この擬人化された像は何のために作られたのであろう。儀式のためなのか、強い動物に対する人間の憧れなのだろうか。世界の考古学者たちがライオン人間の研究を行っている。館内には各国のライオン人間研究書が展示され、その中には日本の書物もあった。このほかシュヴェービッシェ・アルプの別の洞窟から発掘された後期旧石器時代のものとされる鳥や獣など5cm以下の小さな像も数点展示されている。
https://www.ab-road.net/europe/germany/ulm/guide/09705.html
『サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』 ユヴァル・ノア・ハラリ/著、柴田裕之/翻訳 河出書房新社 2016年発行
虚構が協力を可能にした (一部抜粋しています)
およそ7万年前から、ホモ・サピエンスは非常に特殊なことを始めた。そのころ、サピエンスの複数の生活集団が、再びアフリカ大陸を離れた。今回は、彼らはネアンデルタール人をはじめ、他の人類種をすべて中東から追い払ったばかりか、地球上からも一掃してしまった。サピエンスは驚くほど短い期間でヨーロッパと東アジアに達した。4万5000年ほど前、彼らはどうにかして大海原を渡り、オーストラリア大陸に上陸した。それまでは人類が足を踏み入れたことのない大陸だ。約7万年前から約3万年前にかけて、人類は舟やランプ、弓矢、針(暖かい服を縫うのに不可欠)を発明した。芸術と呼んで差し支えない最初の品々も、この時期にさかのぼるし(図のシュターデル洞窟のライオン人間を参照のこと)、宗教や交易、社会的階層化の最初の明白な証拠にしても同じだ。
ほとんどの研究者は、これらの前例のない偉業は、サピエンスの認知的能力に起こった革命の産物だと考えている。ネアンデルタール人を絶滅させ、オーストラリア大陸に移り住み、シュターデルのライオン人間を彫った人々は、私たちと同じぐらい高い知能を持ち、創造的で、繊細だったと、研究者たちは言い切る。仮にシュターデル洞窟の芸術家たちに出会ったとしたら、私たちは彼らの言語を習得することができ、彼らも私たちの言語を取得することができるだろう。不思議の国でのアリスの冒険から、量子物理学のパラドックスまで、私たちは知っていることのいっさいを彼らに説明でき、彼らは自分たちの世界観を私たちに教えられるはずだ。
このように7万年前から3万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、「認知革命」という。その原因は何だったのか? それは定かではない。最も信じられている説によれば、たまたま遺伝子の突然変異が起こり、サピエンスの脳内の配線が変わり、それまでにない形で考えたり、まったく新しい種類の言語を使って意思疎通をしたりすることが可能になったのだという。その変異のことを「知恵の木の突然変異」と呼んでもいいかもしれない [訳註 知恵の木は「創世記」に出てくるエデンの園に生えていた木で、アダムとイブはその実を食べて「目が開け」た]。なぜその変異がネアンデルタール人ではなくサピエンスのDNAに起こったのか? 私たちの知るかぎりでは、それはまったくの偶然だった。だが、より重要なのは、「知恵の木の突然変異」の原因よりも結果を理解することだ。サピエンスの新しい言語のどこがそれほど特別だったので、私たちは世界を征服できたのだろう?
それはこの世で初の言語ではなかった。どんな動物も、何かしらの言語を持っている。ミツバチやアリのような昆虫でさえ、複雑なやり方で意思を疎通させる方法を知っており、食物のありかを互いに伝え合う。また、それはこの世で初の口頭言語でもなかった。
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おそらく、「噂話」説と「川の近くにライオンがいる」説の両方とも妥当なのだろう。とはいえ、私たちの言語が持つ真に比類ない特徴は、人間やライオンについての情報を伝達する能力ではない。むしろそれは、まったく存在しないものについての情報を伝達する能力だ。見たことも、触れたことも、匂いを嗅いだこともない、ありとあらゆる種類の存在について話す能力があるのは、私たちの知るかぎりではサピエンスだけだ。
伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。それまでも、「気をつけろ! ライオンだ!」と言える動物や人類種は多くいた。だがホモ・サピエンスは認知革命のおかげで、「ライオンがわが部族の守護霊だ」と言う能力を獲得した。虚構、すなわち架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』という本を読んでいたら、「世界最古の彫像ライオン人間」の写真が載っていた。
ドイツのシュターデル洞窟で発見されたもので、約3万年前のものらしい。
どうみても、宗教的な儀式に使われたような彫刻品だ。
7万年前頃、アフリカにいたホモ・サピエンスが全世界に拡散していった。
すでにこの頃、我々の祖先は宗教的・抽象化されたものを理解する能力を身に付けたと考えれば、一番辻褄が合うらしい。
もしかしたら、『旧約聖書』の「創世記」は7万年前後の人類のことを書いたものなのかもしれない。
エデンの園を追い出された」というのは、知恵を身に付けた人類が全世界に拡散していったことを表現しているのかもしれない。
「このように7万年前から3万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、『認知革命』という。その原因は何だったのか? それは定かではない。最も信じられている説によれば、たまたま遺伝子の突然変異が起こり、サピエンスの脳内の配線が変わり、それまでにない形で考えたり、まったく新しい種類の言語を使って意思疎通をしたりすることが可能になったのだという」
原因が分からないことを「突然変異」で説明しているようにも思える。