じじぃの「小脳にニューロンが多い訳・運動を制御するだけではない?脳からみた自閉症」

大脳辺縁系 (akira3132.info HPより)

広汎性発達障害の頭の中
●脳の型式と権限委譲
更に、小脳は大脳と機能を分けていて、思考は大脳、類型化された行動は小脳と役割分担をしているようです。大脳は、ある程度目途がついた行動は小脳に権限委譲し、考えなくてもできる基本行動(例えば歩行)は小脳で処理してしまうようなのです。大脳は取締役会、小脳は実務を担当する課長さん、というイメージですかね。日常の些事を、いちいち役員会を開いて対応する会社はありません。ベースは小脳で情報処理と対応案を案出し、そこで手に負えないようなことを大脳が処理することとなります。広汎性発達障害の子は、この小脳の働きが弱いようです。
http://consciousness.cafe.coocan.jp/atamanonaka.htm
『脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ』 大隅典子/著 ブルーバックス 2016年発行
ここまでわかった脳と自閉症の関係 (一部抜粋しています)
自閉症の3大特徴は、社会性の異常、コミュニケーションの異常、そして常同行動です。脳に損傷を負った患者さんの記録や、健常者の脳機能イメージングデータと動物実験の結果などを統合すると、このような3大特徴に関係する脳の部位はそれぞれ、図(画像参照)のようになっていると考えられます。
3大特徴のうち「社会性の異常」と関係があるのは、前頭葉扁桃体帯状回などです。このうち前頭葉は、現在の行動によって未来に生じる結果を推測したり、よりよい行動を選択したりする能力に関係すると考えられています。「許容されない社会的応答を抑圧する能力」(つまり、よくない行動を我慢する能力)にも関与するといわれていますから、前頭葉に不具合があれば、社会性の障害が発生するのはよくわかる話でしょう。
扁桃体は、情動の表出や意欲、記憶、自律神経活動などに関与している大脳辺縁系の一部で、情動に関係する記憶を形成するうえで重要な役割をもっていると考えられています。
帯状回大脳辺縁系にあり、さまざまな部位を結びつける役割をはたしています。感情の形成などに関わっているので、扁桃体とともに、人間の社会性にとって重要な存在でしょう。
3大特徴のうち「コミュニケーションの障害」と関係すると考えられているのは、小脳と補足運動野です。いずれも運動を制御する部位です。自閉症のコミュニケーション障害には「発話」を苦手とする症状も含まれますから運動系とは決して無縁ではありません。
     ・
運動の制御に関わる小脳に関しても、自閉症の人は健常者よりも小脳が大きいという報告もある一方で、小脳虫部と呼ばれる領域のみが健常者よりも小さいという主張もあります。ただし、小脳虫部が小さいことは自閉症のみならず、ほかの発達障害でも報告されています。
情動や社会性に関係する扁桃体に関しても、自閉症の人のほうが13〜16%程度大きいという報告があり、なかには40%も大きいとするものもあります。
このような大きな扁桃体をもつことが過剰な情動反応を引き起こし、結果として不安の亢進や社会性・コミュニケーションの異常に関係するのではないかと推測されています。しかし一方では、むしろ自閉症の人の扁桃体のほうが小さかったとする報告もあります。
これらの解析結果は、どこまでが自閉症の病態に関係するのか、それとも、各々の脳の個性なのか、という疑問につながります。

                      • -

どうでもいい、じじぃの日記。
一昔前まで小脳は、運動(バランス)の制御だけに関わる部位と考えられていた。
最近の研究で、ニューロン神経細胞)の数は約1000億個からなり、そのうちの4分の3以上800億個も小脳に集中していることが分かった。
しかし、そんな小脳を全部摘出しても、見た目では命に支障はなく、歩くときふらつく程度らしい。
なぜ、小脳にニューロンが集中しているのかは、未だ謎なのだ。
「3大特徴のうち『コミュニケーションの障害』と関係すると考えられているのは、小脳と補足運動野です。いずれも運動を制御する部位です。自閉症のコミュニケーション障害には『発話』を苦手とする症状も含まれますから運動系とは決して無縁ではありません」
コミュニケーション能力というのは、小脳とも関係しているらしい。
そういえば、骨の生成にも小脳が関係しているとのこと。耳石が重力を感知し、その情報を小脳に伝えている。無重力下では骨がうまく作れないらしい。