じじぃの「現代人と猿人の頭骨比較・人類の眼窩上隆起!退化の進化学」

Are We the Last Neanderthals? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0uRCVyJ7-0c
ネアンデルタール人と現代人


『「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡』 犬塚則久/著 ブルーバックス 2006年発行
原始人のおもかげ――眉弓 (一部抜粋しています)
オランダのアムステルダム郊外にライデンという美しい町がある。ここの国立自然史博物館には世界最初の「直立猿人」の化石が保管されている。
19世紀末の生物学者ヘッケルは、ヒトとサルをつなぐミッシングリンクはアジアでみつかると予言し、早々と「ピテカントロプス」という学名まで用意していた。アムステルダム大学の解剖学講師だったデュポワは、これをみつかるために大学をやめて軍医になり、はるばるインドネシアまで出かけていった。そして何年間も苦心惨憺したあげくジャワ島ソロ川河畔のトリニールでついに頭と脚の骨を探し当てたのだった。
博物館では展示室の中ほどにある金庫から、係の人がもったいぶって化石を取りだしてみせてくれた。頭骨はお宝さながら綿に包まれて本箱におさまっていたが、たしかにオランダの至宝にちがいない。化石は黒光りしていて変形もなく保存状態もよい。頭骨は脳の入る部分だけしかみつかっていないが、高さが低く、額には頑丈な眼窩上隆起がはりだしていて、ひと目でいまのヒトとは別物であることがみてとれた。
眼窩上隆起は左右の眼窩の上縁を連続的に横切っている骨稜で、とくにゴリラとチンパンジーで発達している。咀嚼するときに上顎の臼歯にかかる力は、骨鼻口と眼窩のあいだの骨や眼窩のわきの頬骨をとおって頭のてっぺんに抜ける。顔と頭の境にある眼窩上隆起はこの力を分散するように進化してきたので、咀嚼器の一部とも考えられる。
眼窩上隆起というと原始人のイメージがあり、霊長類でもずいぶん古くからあるように感じる。ところが高等霊長類にしかないので、ごく新しくできたものであることがわかる。類人猿と人類とでもちがいがある。類人猿の隆起は塊状の骨の台の上にある。これに対して人類の眼の上の形は種によって異なり、脳に対する眼の位置やこめかみにある側頭筋の発達程度に影響される。
ヒト科の頭は中期更世紀の末(12万6000年前)までに現生のヒトとそっくりなまでになった。この時代の頭骨の化石が現世人とはっきり異なる唯一の点が、強く発達した眼窩上隆起なのである。
アフリカヌス猿人では額のまん中がつきだし、眼窩上隆起は眉毛のように眼の上で曲がり、正中では下がって左右があわさる。原人段階では脳の拡大の影響で前頭骨全体が大きくなり、初期の眼窩上隆起は幅が広い。アジアのエレクトゥス原人も眼窩上隆起がめだち、直線的で両側にむかって厚くなる。
ネアンデルタール人の眼窩上隆起はこのエレクトゥスのものとも異なる。エレクトゥスでは眼窩の上で角ばるのに対し、滑らかな凸面で、両側では逆に厚みが減る。隆起の内部はエレクトゥスではほぼ骨がつまっていて類人猿的なのに、ネアンデルタール人では空洞が広がっている。
現代のほとんどの男性では眉の上の生中寄りに眉弓(びきゅう)という骨の高まりがある。女性ではめだたないので頭蓋の性別鑑定にも用いられる。この眉弓は眼窩上隆起のなごりで、側頭筋をはじめ上下顎および歯牙など咀嚼器全体の退化の、額での表れとみることができる。退化器官の常として個体変異が非常に大きい。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ネアンデルタール人と現生人類とどこが違うかを見分ける一番の方法は、ネアンデルタール人は眼窩上隆起があることらしい。
この間、人類史の本を見ていたら、ネアンデルタール人が背広を着ている写真が載っていた。
街中で、背広を着たネアンデルタール人が歩いていても気がつかないだろう、ということが書かれていた。
そういえば、私にも眼窩上隆起がある。
現生人類には1〜4%、ネアンデルタール人の遺伝子が入っているといわれる。
私は、ネアンデルタール人の末裔だったのだ。