じじぃの「未解決ファイル_285_痛み・イオンチャネル」

5. Synapse Structure and Function 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rWrnz-CiM7A
痛みのメカニズム (kusuri-jouhou.com HPより)

オプソ、アンペック、パシーフ(モルヒネ)の作用機序 オピオイド系鎮痛薬
あらゆる病気の中でも、がんは重篤で治りにくい疾患として知られています。また、がんは「激しい痛みを伴う」という大きな問題があります。このときの痛みは一日中続くため、夜も眠れないほどであるといいます。
そこで、がんの痛みを強力に和らげるために使用される薬としてモルヒネ(商品名:オプソ、アンペック、パシーフ)があります。モルヒネオピオイド系鎮痛薬と呼ばれる種類の薬になります。
http://kusuri-jouhou.com/medi/pain/morphine.html
『新しい薬をどう創るか―創薬研究の最前線』 京都大学大学院薬学研究科 ブルーバックス 2007年
薬がなぜ効くかを調べる (一部抜粋しています)
考えてみると、体の中にモルヒネの受容体があるのは奇妙です。モルヒネは植物由来のものですので、人間の体が植物成分のための受容体をあらかじめ用意しているはずはありません。そこで多くの科学者は体内にモルヒネに類似の成分があるに違いないと考えました。
そして、1975年ごろにエンケファリンやエンドルフィンといったペプチド(アミノ酸が数個ないし数十個連なった小型のタンパク質)が内在性オピオイドとして発見されました。体内モルヒネというセンセーショナルな報道もされました。この頃からオピエート受容体の本当の相方(リガンドといいます)は内在性オピオイドであるということから、体の中でモルヒネが作用する受容体はオピオイド受容体といわれるようになりました。(『オピオイド』とは『オピエートのようなもの』という意味です)。
さらに、1990年代になって、DNAの塩基配列の中にオピオイド受容体となるタンパク質を表している箇所が発見され、それが実際は少しずつ構造の異なる数種類のタンパク質(μ、δ、κなどと名付けられている)からなっていることもわかってきました。
また、構造が似ている受容体の中に、従来知られていた内在性オピオイドが結合しないタイプの受容体があることがわかり、その受容体に対応するリガンド(ノシセブチン)が発見されるというように現在まで研究は展開してきました。
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ラットの脳や脊髄にごく微量のモルヒネを注射することによって、実際にどこへ注射したときに最も強い鎮痛作用が起こるかを調べることができます。また、動物の痛み反応で調べるだけでなく、どのような物質が神経から放出されてくるかをモニターすることも可能です。
これらの研究から、モルヒネの主な作用点は脳幹にある中脳水道周囲灰白質や巨大細胞網様核といった特定の微小な神経核、あるいは脊髄後角などであることがわかりました。それらの部位でもモルヒネは、神経終末にあるカルシウムチャネルを抑制する結果、痛みを伝える神経伝達物質の遊離、ひいては痛覚情報の伝達を抑制していることがわかってきました(画像参照)。
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これらの方法は実験の難易度が高く、数多くの化合物を評価することができないものの、精密にチャネル活動の特性を調べることができます。ただ、技術的には非常に難しく、熟練の技が必要です。しかし細菌ではこれらの実験のうち、測定部分をロボット化した機械が開発されはじめています。我々もこの伝記生理的な測定方法を大学での研究で活用するとともに、民間企業と協力して自動化やロボット化を推進しています。
我々の目標の1つは、こういった難易度の高い研究方法をより使いやすく一般的にすることであり、それは最終的にチャネル創業の活性化につながると信じています。
とはいうものの、イオンチャンネル創業はまだ実現されていません。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本や雑誌をよく見ている。
蚊に刺されたときの痛みは、刺された箇所で感じるように思える。しかし実際は、脳で感じているのだ。
「ラットの脳や脊髄にごく微量のモルヒネを注射することによって、実際にどこへ注射したときに最も強い鎮痛作用が起こるかを調べることができます」
モルヒネは、神経終末にあるカルシウムチャネルを抑制する結果、痛みを伝える神経伝達物質の遊離、ひいては痛覚情報の伝達を抑制していることがわかってきました」
快楽や痛みなどはニューロン間をつなぐシナプスでCa、Kチャネルがどれだけ放出されるかの量によるものらしい。
モルヒネはCaチャネルを抑制してくれる。しかし、モルヒネを使うと腸や肺の機能の動きが鈍くなる。
モルヒネは他の臓器の働きまで抑制してしまうのだ。