Dusty the dolphin 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fF9X00hKHHc
イルカのダスティ
地球ドラマチック 「海からの使者 イルカ」 2016年8月20日 NHK Eテレ
【語り】渡辺徹 2015年フランス制作
アフリカ・モザンビークでは、女性研究者があるイルカの家族を何年にもわたり観察し、イルカが発するさまざまなホイッスル音を収集。意味の解読に挑んでいる。
一方、アイルランドでは、単独で生きるイルカに癒やされ、ともに泳ぎながらイルカのように泳ぐ術を開発する研究者も。むくな好奇心で人間に接してくるイルカ。そのイルカに魅了され、救われる人々。イルカと人との交流を美しい映像とともに描く。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/183/2340448/index.html
8月20日 NHK Eテレ 地球ドラマチック 「海からの使者 イルカ」 より
●海からの使者 イルカ ひとりぼっちのダスティ
イルカとの出会いは多くの人々の心を動かしてきました。
なぜ、イルカは人間を受け入れるのでしょうか。
海洋学者のフランソワ・セラノーは長年にわたり世界中の海を調査研究してきました。
ヤン・プローグはオランダ出身の人類学者です。
病を患い苦悩の日々を過ごしました。
全てを捨て、アイルランドへやってきたプローグの人生を変えたのはありのままの彼を受け入れてくれたあるイルカとの出会いでした。
ここでの暮らしの中心となっているのが1頭のメスのイルカ ダスティです。
写真や映像を撮影したりダスティについて執筆したりしています。
プローグ、「私はイルカの研究者ではないので何でも自由に書けます。気楽でいいですよ」
プローグはイルカの研究者ではありません。
しかし、彼が書いたブログは研究者はもちろん世界中の人々に広く読まれています。
どこからともなくダスティが現れました。
プローグが海に入ったということがどうして分かったのでしょうか。
プローグとダスティは強い絆で結ばれているに違いありません。
しかし、なぜでしょうか。
ダスティは野生のイルカです。飼い慣らされてもいなければ調教されてもいません。
プローグのもとにやってくるのはダスティがそう望むからなのです。
セラノーはプローグとともに海に入ることにしました。
ダスティは見知らぬ人間を受け入れてくれるでしょうか。
セラノーはプローグから借りたウォーターウイング(サーフボードを少し小さくしたもの)を使って泳ぎます。
ダスティは新しい仲間の登場に喜んでいる様子です。
セラノーはダスティの旺盛な好奇心に応えます。
ダスティは野生のイルカです。餌ももらわなければ保護されてもいません。完全に自由の身です。時には何ヵ月も姿を消すこともあります。
プローグ、「長年一緒に泳いでいますが、ダスティは私が海へ入れば必ず近寄ってくるというわけではありません。その気になった時だけです。2009年10月15日のことです。当時ダスティがいた海域に3頭のイルカが現れたんです。そのうちの1頭の大きなオスがダスティの上をジャンプしていました。ダスティは海面から半分ほど顔を出してその様子を見ていました。明らかにロマンチックな空気が流れていたんです。それから1週間後ダスティは姿を消しました。再び姿を現したのはその1週間後のことです。私はダスティが妊娠したのではないかと思いました。幼い頃に過ごした静かな場所に戻っていたからです。そして2010年12月2日、生まれて間もないイルカが海岸に打ち上げられているのが見つかりました。打ち上げられた時はまだ息がありましたが、ほどなくして死んでしまいました。悲しいことですが、群れに属さない孤独なイルカが出産について知る機会はありません。他のメスが出産する様子を見ていませんからね。この周りのイルカは普通7月から8月にかけて出産します。その時はすでに12月でしかも嵐でした。そうしてダスティは生まれたばかりの子どもを失ったんです」
プローグはダスティを人間のもとへやってきたアンバサダー・ドルフィンすなわちイルカの使者だと考えています。
セラノー、「これはあくまでも私の推測ですが、ダスティは群れの中で断トツに頭が良かったのでしょう。人間の社会でも抜きん出た者ははみ出し者になりがちです。恐らくダスティも群れから追い出されたか、自分から離れていったのでしょう。イルカは社会性の高い動物ですが、ダスティは一人で15年間も生き延びてきました。非常に賢い証拠です」
イルカは好奇心旺盛な動物です。
セラノーは浅瀬の海底で石で岩をこすって音を出し、ダスティの興味をひきます。
ダスティは興味津々です。
ダスティは続けざまにクリックス(イルカが周囲の様子を探るとき発する音の一種)を発してセラノーが何をしているのかを理解しようとしています。
ダスティが発する音はセラノーの手や海底岩などにぶつかりはね返ります。ダスティはこの反響を利用することで周囲の状況を把握しているのです。
これをエコーロケーションといいます。
エコーロケーションによって分かるのは形や動きだけではありません。内部の構造まで分かります。
ダスティはいわば音を使ってものを見ているのです。
セラノーはダスティが発する音に興味をひかれました。
ホイッスルやクリックスと呼ばれるイルカが発する音はどうすれば解読できるのでしょうか。
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もしかすると、私たちはダスティのような野生のイルカと他の野生動物とでは不可能な特別な関係を築くことができるかもしれません。
家畜でもペットでもなく、自らの意思で人間のもとにやってくる自由な野生動物。
そうした動物との出会いをかなえるには相手のありのままの姿を敬意をもって受け入れる必要があります。
ダスティの好奇心は純粋そのもの。そこには何の計算もありません。子どものようにただ新しいものに目を輝かせているだけなのです。
同じことを繰り返すセラノーにダスティはすっかり飽きてしまったようです。ダスティはセラノーを他の遊びに誘います。
イルカはなぜ人間に引き付けられるのか。
いつの日かその理由が明らかになるかもしれません。
1つだけ確かなことがあります。
私たちがイルカに迎え入れてもらうには平和的に野生の世界に接する必要があるということです。
イルカとの出会いは私たちの人生を大きく変える力をもたらしてくれるかもしれません。
じじぃの感想。
群れるイルカ。ひとりぼっちのイルカ。
イルカもいろいろです。