じじぃの「なぜ?を絶えず問いかける左脳・作り話と言い訳・私はどこにあるのか?フューチャー・マインド」

【紹介】フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する (ミチオ・カク,斉藤 隆央) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kMb0nB6z9KQ

左脳、右脳

NHKドキュメンタリー 時空を超えて 「“私”は何者なのか?」  2016年7月8日 NHK Eテレ
【語り】モーガン・フリーマン
誰もが一度は考えたことがある「自分は何者か?」という問い。答えを求めて、脳や記憶のメカニズムを多角的に分析。自分を自分だと認識するのは、生来備わった能力ではなく、鏡を見るなど学習を通して身につけるもの。また、脳の電気的パターンを解析することでコンピューター上に夢を再現することも可能だと考えられている。人工の脳の研究などを紹介しながら「私」を「私たらしめる」ものの謎に迫る。
http://www4.nhk.or.jp/P3452/x/2017-04-20/31/21659/1988006/
『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
「私」はどこにあるのか? (一部抜粋しています)
意識の時空理論によれば、意識は脳内の多くのサブユニットから集めてこしらえられ、サブユニットは互いに競合しながら世界のモデルを構築するが、それでもわれわれの意識は滑らかに続いたもののように感じられる。われわれは皆「自己」が途切れなく存在し、いつでも全体を仕切っているという感覚を抱いているが、どうしてそうなっているのだろうか?
前の章で、分離脳疾患の困った状況について語った。彼らは時として、自分の手なのにまさしくそれ自体が心を持つような「見知らぬ手」と格闘する。どうやら意識には、同じ脳のなかに棲むふたつの中枢があるようだ。ならば、これらがどうやって、脳のなかに一個のまとまった「自己」があるという感覚を生み出すのだろう?
私は、答えを持っているかもしれないひとりの人物に尋ねた。数十年かけて分離脳患者の不可解な行動を研究している、マイケル・ガザニガ博士だ。彼は、分離脳患者の左脳が、同じ頭のなかに異なる意識の中枢がふたつあるかのように思える事態に直面したとき、どんなにばかげていようと奇妙な説明をこしられることに気づいた。そこでこんな説明私にしてくれた。明らかな矛盾を前にしたき、左脳は不都合な事実を説明する答えを「作話」するのだと。ガザニガは、これによって、自分がひとつにまとまったものなのだという偽りの感覚がもたらされると考えており、左脳を「解釈装置」と呼んでいる。これが、意識の矛盾やギャップを取り繕うアイデアをつねに考え出しているというのである。
たとえばある実験で、ガザニガは「赤」という単語を患者の左脳だけに示し、「バナナ」という単語を右脳だけに示した(したがって、支配者たる左脳はバナナのことは知らない)。続いて患者に左手(右脳が司っている)でペンをもたせ、絵を描かせた。当然だが、彼はバナナの絵を描いた。改めて強調するが、右脳にこれができたのは、右脳がバナナを認識したからだが、左脳には、右脳にバナナを示したことなど知るよしがなかった。
それから患者に、なぜバナナを描いたのかと質問した。発話をコントロールするのは左脳だけで、左脳はバナナのことは知らないことを考えれば、患者は「わかりません」と答えるはずだった。ところが患者は、「左手で一番描きやすかったからですよ。線を下ろすのが簡単なので」と答えた。ガザニガは、患者自身がなぜ左手でバナナを描いたのかわからなくても、左脳がこの不都合な事実に何か言い訳をみつけようとしているのだと気づいた。
ガザニガはこう結論している。「左半球こそが、混沌のなかに秩序を見出す人間の傾向にかかわり、すべてをひとつのストーリーにまとめ、ひとつの文脈に収めている。それは、何の関連性もない事実にでくわしても、世界の構造の仮説を立てるべく導かれているように見える」
こうしてわれわれのひとつの「自己」という感覚が生まれる。意識は、競い合い、しばしば矛盾する性向の継ぎ接ぎでできているが、左脳は、われわれにひとつの「私」という感覚を与えるために、矛盾を無視して明らかなギャップを取り繕う。つまり左脳は、いつでも言い訳をしていて、そのなかには、世界を説明するためにとんちんかんでおかしなものもあるのだ。左脳は絶えず「なぜ?」を問い、その問いに答えがなくても言い訳をこしらえている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
私にとって最大の謎は、「私は何者」なのか、だ。
いつも、どこにいても、私は何者か、がつきまとう。
東京駅(八重洲ブックセンター)まで出かけ、ミチオ・カク著『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』という本を買ってきた。
著者のミチオ・カクはNHK 「白熱教室」、モーガン・フリーマンが語る「時空を超えて」によく登場する。(日系3世らしい)
「左脳は不都合な事実を説明する答えを『作話』するのだ」
左脳は、われわれにひとつの「私」という感覚を与えるために、矛盾を無視して明らかなギャップを取り繕う。
左脳が作り話をでっち上げて、つじつまが合うように言い訳をしているのだそうだ。
それが、「私」なのだ?