じじぃの「人の生きざま_653_ゴードン・ギャラップ(進化心理学者)」

Self-Recognition in Apes 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vJFo3trMuD8
Chimpanzee Mirror Test

Do Animals Know They Exist?; Gordon Gallup Jr.'s Mirror Test For Self-Recognition December 4, 2014 hubpages.com
The ability to recognize oneself was regarded as a higher cognitive ability only available to humans. In the 1970s one psychologist changed this viewpoint, forever. With the mirror self-recognition test Gordon Gallup Jr. changed how we think of our close relatives in the animal kingdom. Please read more to find out about his test and what it means to the psychological world.
http://hubpages.com/education/I-See-You-Gordon-Gallups-Mirror-Test-For-Intelligence
サルも鏡に映った自分の姿を自分と認識できるらしいことが報告される 2015/01/12 日本の科学と技術
魚などの下等な動物は鏡に映った自分を他の個体だと思い込んで、鏡の中の自分に対して攻撃したりします。ヒトやチンパンジー(大型類人猿)は鏡に映った自分を自分自身と認識できることが知られており、イルカ、ゾウなどでもそのような「鏡像認知」能力を示す報告がありましたが、サルの仲間に関してはそのような能力はないと考えられていました。
しかしながら、1970年にチンパンジーが鏡に映った自分を自分と認識していることを報告したゴードン・ギャラップ(Gordon Gallup)博士は、サルがそのように振舞うように訓練された結果に過ぎないとして、この研究結果の結論は誤っていると批判しています。
http://scienceandtechnology.jp/archives/5275
『心をめぐるパラダイム 人工知能はいかに可能か』 西川泰夫/著 左右社 2015年発行
チンパンジーの自己認識 (一部抜粋しています)
あなたが毎日見る鏡に写る、鏡の中の映像は一体誰だろうか。決まっている、それは自分だ。この認識が可能なあなたは、そこに何の問題も感じないだろう。しかし、当たり前のようなこの認識にも、しかるべき心の仕組みとある段階に至るまでの成熟が欠かせない。
鏡を見る経験を持たない幼いチンパンジーを、鏡を据えた実験用の部屋で、ある期間、鏡像の経験をさせる。そして鏡の中にいるものの理解(これを鏡像理解という)の内容を調べる実験を行った。
鏡に映っているのは誰か(いうまでもなく当人自身であるが)、その認識の内容と意味を、幼いチンパンジーの見せる行動から確かめるのである。すると初めて鏡の像に出会ったチンパンジーの取った行動は、典型的ないわゆる「社会的行動」であった。
すなわち未知の出会った相手への挨拶、威嚇、そして攻撃、あるいは避けるなどの行動である。もともと、チンパンジーの群れは、他の群れに出会わないような工夫をしている。群れには見張り役の仲間がいて、他の群れに遭遇しそうになると、警告の鳴き声で仲間に知らせることも知られている。しかし、環境条件や食料確保の必要性によっては、どうしても出会ってしまうこともある。その際に互いに無害であることを行動で示すが、軋轢も避けられない。こうしたときにチンパンジーの見せる行動が社会的行動と言われるものである。幼いチンパンジーが、はじめて鏡像と対面した際に社会的行動をとったということは、鏡の中の自己映像をたのサル(他者)である、と理解したことを意味している。
ところが、こうした行動も、3日ほど経つとすっかり質的に変化し、鏡の像が自分自身であることを認識した行動を取るようになる。社会的行動が激減していくのである。肩越しに背中をかざして見たり、食べ物が挟まった歯の具合を調べたり、足裏の様子を見たりと、鏡がないと困難な、明らかに鏡の中にいる対象は自分に他ならないと理解しているがごとき「自己に向けての関心行動」を行うようになった。
この実験を行ったギャラップ(Gallup.G)は、幼いチンパンジーの行動観察をもとに、人以外にもチンパンジーも、私たち同様「自己認識ないし、自己意識」を持つと結論付けた。そして自己認識は、まず、自己の他者視(自己の他者化)から発生することを示唆した。